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人種間で認められる心筋炎・心内膜炎の発症頻度の差

2022年12月に、日本の厚生労働省によって報告された結果から、ファイザー社とモデルナ社のmRNA based COVID-19ワクチン接種後に、ごくまれに心筋炎・心膜炎を発症することが明らかとされた。特に、10代・20代の日本人の男性で、mRNA based COVID-19ワクチン2回目の接種後4日程度の間に心筋炎・心内膜炎の発症が認められる傾向があることが明らかになりました。

Osterらによって報告された米国の結果と比較して、mRNA-1273ワクチン(モデルナ社)を接種した日本人での心筋炎・心内膜炎の発症率は、BNT162b2(ファイザー社/BioNTech社)よりも約4倍高いことが明らかとされている。これまで日本で行われた臨床研究の結果より、mRNA based COVID-19ワクチン接種後に認められる有害事象(アナフィラキシーショックを含む)の発症率は、欧米よりも約10倍以上高いことが報告されている。さらに、mRNA based COVID-19ワクチン接種後に認められる有害事象(アナフィラキシーショックを含む)の女性における発症率は、日本人の男性と比較して、優位に高いことが明らかとされている。つまり、日本で行われた臨床研究から得られた結果は、欧米で行われた臨床研究の結果と一部異なっている。

mRNA based COVID-19ワクチン以外の他のワクチン(ポリオワクチン、BCGワクチン、HPVワクチン)を接種した後1日から2日においても、心筋炎・心内膜炎の発症は、認められる。したがって、ワクチン接種後の心筋炎・心内膜炎の発症は、急性アレルギー応答と考えられる。mRNA based COVID-19ワクチン接種後の有害事象(心筋炎・心内膜炎を含む)の発症率において、欧米と日本と差は、人種での免疫応答の特徴だと考えられる。一方、mRNA based COVID-19ワクチン接種後の有害事象の発症率で認められる男女差の理由において、不明な点がある。ワクチン接種後のアレルギー応答の発症の詳細な機序を明らかにするために、多くの人々が参加する大きなコホートによる臨床研究が要求される。

がん医療専門ドクター・新興感染症専門ドクター

Published in JAMA on Feb. 25, 2023 by 京都@takumah

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