遺伝子情報に基づくがんの個別化治療としてのがんゲノム医療の進歩

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ゲノムの解析技術が進歩したため、がん研究が急速に進んでいます。その結果、個々の患者さんの病態に合わせたがん治療が可能になりつつあり、がん治療に新たな選択肢が生まれている。

がんゲノム医療では、先ず、主にがんの組織を用いて、がん遺伝子パネル検査により多数の遺伝子が同時に調べられ、遺伝子の病的変異が明らかされる。次に、検出された遺伝子の病的変異をターゲットとした薬剤が処方され、がん医療として、一人一人の体質や病状に合わせて治療がおこなわれる。日本の厚生労働省により、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療拠点病院、がんゲノム医療連携病院が指定されている。さらに、日本の全国どこでも、患者ががんゲノム医療を受けられるようになることを目指して、癌ゲノム医療の体制づくりが進められている。

卵巣癌や乳癌などの一部のがんに対する治療では、既に標準治療として、がんの組織を用いて1つまたはいくつかの遺伝子を調べる「がん遺伝子検査」が行われ、その検査の結果より、遺伝子の変化に対応した薬が処方されている。

日本においては、2019年12月ころから、保険診療において、癌ゲノム医療が始まった。日本の国立大学病院において、2020年12月までに、約576症例に対する癌ゲノム医療が行われ、29%(167/576)の症例に対して薬剤が推奨された。

がん治療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症                                           New Engl J Med. Published January 2021. by 京都@Takuma H


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