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資本業務提携の裏話
スリーシェイクの吉田です。
先日、スリーシェイクは資金調達及び資本業務提携を行いました。
今回は、通常の資金調達や協業とは趣が異なるため、少し踏み込んで資本業務提携について解説や考えを記述します。
資本業務提携とは
資本業務提携は、「資本提携(第三者割当増資 or 株式譲渡)」「業務提携(協業契約の締結)」を両方行うことです。
つまり出資側は資本を提供することでリスクを負いつつ、財務的なつながりを持ちながら、より強固な関係性を築きつつ協業ができるという点が、通常の業務提携の違いです。
株式保有比率と独立性について
資本業務提携と聞くと、「子会社になったの?」「独立した企業じゃなくなるの?」という質問をよく受けますが、実際はどれだけ持ち株比率があるかどうかによって異なります。概要は以下の通り
![](https://assets.st-note.com/img/1733457564-RajwSrT2WGCZixBc4N9Y8qmd.png?width=1200)
基本的に持ち株比率が20%を超えない限り、出資した企業の関連会社でなく、意思決定や財務面で独立性を担保できます。
今回、スリーシェイクはNTTデータ社とSCSK社に第三者割当増資でそれぞれ均等に資本参加いただき、且つ、持ち株比率は20%以下ですので、経営の独立性は従来と変わりがなく、その代わり、従来よりも強固な業務提携(お互いのビジネスの拡大)を行う、という内容です。
スリーシェイクが資本業務提携を選択した背景
各事業をより成長ラインに乗せていくために、資金が必要だったのもそうですが、同時にSreake事業(SREやクラウドネイティブ技術支援)のエンタープライズ領域への進出が課題でした。
我々は、敢えて技術に尖らせたテック集団を形成していますが、規模の大きいプロジェクトほど、求められる支援範囲は広く、例えばプロジェクトマネジメント力や、コンサルティング力、ビジネス共創力がなければいけません。なかなかそこまで手を広げるとなると、時間や資本がかかりすぎてしまいますし、何より会社全体が迷走してしまう危険性がありました。
やはり大手のSIerと上手に組むことで、インフラをシンプルにしてイノベーションが起こりやすい世界を作る、というミッションに一歩近づけるのでは?という想いが年始から沸々と湧いてきました。
さてどうしようか。。。と悩んでましたが、両社の役員の方々と面識があったので、思い切って出資の提案メールを送ってみたところ(送信するときは、かなり心臓がバクバク)、ありがたいことに前向きな返事をいただけました。その後、数ヶ月にわたる協議を重ねて、資本業務提携に至りました。
大企業 ≠ レガシー の現実
大企業のSIerと手を組むということは、つまりレガシーな技術で辛い仕事が待っているのだろうか?という質問を受けたことがあります。
ここも明確にNoです。そんなことないよ。
NTTデータ社もSCSK社もめちゃくちゃSREやクラウドネイティブ技術に積極的ですし、我々スリーシェイクのカルチャーや仕事の進め方に配慮していただきながら、素早い意思決定をしてくださります。(そして何と言っても、皆さん技術が好き)
また挑戦しているワークロードの規模や特性も腕が鳴るものばかり。
参考:
ですので、ちょっとイメージとは拍子抜けしてしまうかもしれませんが、私達としては同じ船に乗るパートナーとして、よりハイレベルな技術や課題に挑戦していけるという気持ちでワクワクしています。
また今回の資本業務提携のテーマでは「SREやクラウドネイティブ人材育成」があります。
既にCloudNative DaysやSRE Nextなどのコミュニティを通じて、我々が得た技術や知見の還元を試みていますが、より直接的に2社で人材交流や育成に本気で取り組んでいくことで、日本におけるSREやクラウドネイティブ界隈の市場がもっと盛り上がるのでは?と思っています。
ここは試行錯誤が続くと思いますが、(何とか成就させて)改めて事例を紹介できたらと思います。
スタートアップは資本業務提携に積極的になるべき
最近、スイングバイIPOで急成長したdely社やソラコム社が注目されています。
大企業の経営リソースやチャネルを活用して、事業を拡大していくのは特にテック寄りの企業にとってはメリットが大きいので、資本業務提携に近しい部分があるのではないでしょうか?
Go to Marketに向けて、何十億、何百億も資金調達していく王道パターンも良いと思いますが、必要最低限の資金調達と業務提携によるシナジーで、ヘルシーな成長を選択するパターンも今後注目されていくと思います。
とはいえ、資本業務提携は大変
ここまで資本業務提携について、良いことを書いてきましたが、一方で着地までは様々なプロセスを得る必要があります。結構大変ですね。
出資サイドとしては、当然リスク評価や成長の蓋然性判断に向けてスリーシェイク全体を隅々まで把握する必要があり、私含めてプロジェクトチームを組んで、様々な情報を整理して何度も説明しました。
また既存株主との調整や、業務提携の内容について、2社で内容を平仄(バランスや公平性を保つこと)させる必要があり、適宜ハードな交渉も必要でしたね。
感覚値として、VCから資金調達する5倍ぐらいの大変さがありました。
そのため、資本業務提携を考えている経営者は、タイムラインに十分ゆとりをもち(半年から1年)、体制を整えて挑んでいただくことをオススメします。
おわりに
会社説明動画を新たに作成しました!
スリーシェイクにご興味をお持ちいただいた方、ぜひ気軽にカジュアル面談しましょう!