オネエ人生、究極の満足・自己肯定感の女王【#男に生まれて、女になって、結婚もできました。#読書感想文】(毎日更新118日目)
ぼくこの人好きなんです。
魅力があふれるというのはこういうことかと、ぼくは彼女の姿を見ていて肌で感じます。
愛される人というのはこういう雰囲気をもっているということを体現しているのではないかなと思います。
こんなステキな人間になりたい。
吉井奈々さん。
今日は吉井奈々さんの著書『男に生まれて、女になって、結婚もできました。』を読んでみましたので感想文を書いていきたいと思います。
彼女が女性になって結婚するに至るまでの半生を記した著作です。
とても読みやすくて、とってもステキな本でした。
★5つ!って感じです。 KindleUnlimitedなら読み放題なのでもしよかったらぜひ、遅読のぼくでもホントにさっくり読めました。
吉井奈々さんってどんな人?
元男性でありながら、女性として結婚をして幸せを手に入れる。
10代から水商売・ショービジネスの経営にも携わり、結婚を機に水商売を卒業し、現在はコミュニケーション講師として活躍する。
また、筑波大学や早稲田大学を始めとする、数々の有名大学でも教鞭をとる。
全国200校を超える中学校・高校で、学生向けの講演、教員向けの研修、PTA向けの講演を行っている。
「相手も自分も大切にするコミュニケーション」は自信の作り方、自分らしく生きる考え方、LGBT人権教育や薬物乱用など、誰しもが抱えがちな心の問題、悩み、不安を解消する考え方を伝えている。
毎年多くの生徒から人気を集め、「また来年も聞きたい講演No.1」に選ばれる。
【引用:https://nana-yoshii.com/】
過去にお悩み相談番組の『解決!ナイナイアンサー』に出演していて、けっこう目立っていました。
本書の概要
小学校の時に自分は男の子が好きだということに気づいており、振る舞いも女の子っぽかったそうです。
かといって男の子が好きっていう態度をそんなに隠していたわけではないそうなので、いじめられたり、さぞ辛い思いをしたのではないかと想像しましたが実際はそんなことはなかったようなのです。
当時流行っていたマンガの『らんま2/1』や『ハイスクール奇面組』の影響でオネエ口調とかが子どもたちの間でフツーに使われていたおかげで、奈々さんの態度はそんなに違和感なく受け入れられていたそうです。
そこは彼女の運の良さかなと思います。
小さい頃に自分の特性のことでいじめられるかどうかは、その後の人格形成に大きく関わってくると思いますから。
そして彼女は中学生の時にはすでにオネエの聖地である新宿2丁目に週末の夜に行って朝帰りをするという生活をしていたようです!
すごい早熟ですね! そしてそれを許可していた親御さんもすごい!
ここまでで思うのは吉井奈々さんは常識とか関係なく自分の心の求めることにしたがって、まっすぐに生きてきた純粋な人だということです。
その後、高校に入学してからもオネエの世界へ出入りは続いていて学校生活をつづけることが難しくなって高校は中退することになります。
それからは神奈川県の相模原市にある有名なオネエのお店「サザエさん」で尊敬するステキなママの元、水商売の道にがっつりと踏み込むことに。
ここからは一般にはあまり知られていないオネエの世界について詳しく教えてくれます。
オネエの世界ではしゃべれなくてもデブな人は価値があるとか
オネエの世界のカースト制とか
去勢手術のタマ抜き、性転換手術の反転法とか目からウロコと衝撃がいっぱいの話でした。
順調にオネエの世界へと入っていったように思われる彼女ですが、10〜20代の前半はコンプレックスだらけだったそうです。
見た目のことももちろんですし、水商売で稼いでいくということに関しても、見た目も特別にきれいでもないし笑えるデブというわけでもないし、オネエとして生きていくうえで自分の特徴がないことに悩んでいました。
葛藤したあげく彼女は「自分のウリを会話にしよう」と決心しました。
圧倒的な情報量を土台にした会話を武器にしよう と決めたのです。
そこから人知れずの努力が始まります。
人の話を真剣に聴くようになりました。
トイレでも家に帰ってからでもどこでも気になったことはメモをする
全年齢との会話に対応するため、新旧あらゆるジャンルの映画をTSUTAYAで借りてきては毎日一本見て勉強しました。
俳優さんの演技からも女性らしさや言葉使い、所作なども学びます。
こうしたことが実をむすんで後に大学講師となったり、講演家として人前で教えられる能力へとつながっていったのですね。
たくさんのコンプレックスを抱えていた彼女は一つ一つと向き合い克服し、最大のコンプレックスである性転換手術へと踏み切るのでした。
水商売での経験、コミュニケーション能力の研究、性転換の後遺症の苦しみ
さまざまな過程を経て、彼女は中学生のときの同級生と結婚するまでにいたり女性として結婚をすることまでできました。
自分を隠すことなく堂々と周りの人に祝福されながら幸せをつかむことができたのです。
感想
吉井奈々さんはとっても純粋な人で自分の心にしたがって正直に生きてきた人だなあと思いました。
すごく女性になりたかった人なんだなあと思いますし、そのために迷いや葛藤はありつつも勇気をもって努力をして進んでいきました。
でも自己否定からこんな自分はイヤだから変わりたいという感じではなく、自分は心が望んでいるからそこへ向かうんだといったポジティブなエネルギーで生きてきているので、ジメジメとした暗い雰囲気は感じさせないんですね。
もちろん彼女は辛いところはあまり見せない強い人だからというのもあっての本書の明るさだとは思いますが。
とにかく彼女の一番のエネルギーの源は自分を大切にすること
自分を愛すること
つまりは自分の心を信じて、何よりも優先するということですよね。
そこが彼女が幸せに生きられた要因だと思いましたし、そうやって自分を徹底的に大事にしたからこそ、同じように周りの人も大切にしてこれたのだなと思いました。
自己受容と他者受容は比例する
と心理学では言われます。
自分のことを大切にできる人ほど他人のことを大切にできるという意味なんですね。
逆もまた然りで、他人を大切に出来ない人、他人を愛せない人は自分のことを愛していないんです。
だからまず自分を大事にすることから始めなきゃいけません。
彼女はそれを知ってか、知らずか昔からしっかりできていたんだなあと思いました。
そんな感じでどうすれば幸せになれるのか?彼女の実体験の中で感じてきたことを読むことで感覚をつかむことができるような気がします。
また本書がとてもおすすめだと思ったのは、これからオネエになろうとしている方たちです。
性転換に関することやオネエとしての生き方など超具体的に書いてあるので、めちゃくちゃ参考になるんじゃないでしょうかと思いました。
奈々さん自身も後に続く娘たちを意識して書いている部分もあるんでしょうね。
最後に
本書で一番ぼくが感動した言葉を抜粋します。
これはすごい
「私はもし生まれ変わっても、またオネエとして、ニューハーフとして生まれたい」
これ以上の言葉があるでしょうか
自分の人生にサイコーに満足している人が言うセリフですよね。
彼女はこの言葉を嘘偽りなく本気で言っているとぼくは感じました。
ぼくはこの言葉がとても予想外でめちゃくちゃ感動しました。
これだけ女性になりたい、女性になりたいと努力してきた人ですから
つぎに生まれ変わったら、てっきり女性に生まれたい
と言うだろうと思ってました。
ところがですよ
また同じようにオネエとして生まれたい って⋯⋯⋯
それだけ自分の歩んできた人生を愛おしく感じているんだなあと思って
ぼくは、「すごい」、、「すごすぎる」とつぶやいていました。
そして彼女のように心から自分の人生ってすばらしい
そう思える生き方をすることが理想だなと思いました。
そんな究極の自己満足、自己肯定感、自己実現を目指していこう
そしてきっと自分もそう思える、きっとできる
そんな勇気を本書からいただけたことに感謝しています。
自分を愛したい、愛される人になりたい
そんな願いをいつも抱えている人はもしよかったらご覧になってくださいね。
そんなわけでかなり感動したので長文になってしまいましたが、ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
それでは今日はこのへんで
またあした。