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『こと屋』の屋号について
『こと屋』は、『二上屋』である。
昨年事業をやるとなったときに、ある友人から「屋号は絶対つけたほうがいい」と言われたので、考えることにした。
染めや織り、養蚕、またそれにまつわる言葉をイメージしたり、捻ったりしたがしっくりくるのは出てこない。
1つ近しいものが思い浮かんで名刺まで作ったが、勝手に格好つけて格好悪くなってきたので屋号は書かずに開業届を出した。
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昨年の7月ごろ、東ティモールで働いている別の友人が一時帰国するタイミングで会うことになった。とてつもない陽と陰が混在した不思議な人間だ。
初対面であだ名を聞かれ、特に興味がないので苗字でいいと言ったら苗字に+1文字つけてくるやつで、口で話してるのか腹で話してるのか時々疑問に思ういいやつだ。
BBQで残った肉を焼きながら屋号の話をしていたら、「二上って珍しいから大事にしたらいいと思うな」とそいつが言った。
確かにそうだと思った。
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ちょうどその頃芹沢銈介のデザインから飛白体のフォントに興味があったのもあって、県立図書館に本を探しに行った。書道の棚を見ていた。
石川九楊を見つつ、分厚い本が目に留まった。
北大路魯山人の書体見本帳だった。
詳細は知らないが美味しんぼで噂は聞いている。
なんとも言えない志野の器は青山の骨董通りで見たことがある。
思わず手に取って自分の苗字を調べた。
草書体の「二上」が「こと」だった。
妙に腹落ちが良かった。
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「屋」は、成り行きだ。
「二上商会」「二上商店」なんてのもありだと思ったが、それは祖父がやっていた。商店よりも歌舞伎みたいな「〇〇屋」のほうがしっくりきた。
そうして「こと屋」が出来た。
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原本をもとにいじって作ったからアラが目立つが、高校からの友人がなんとかしてくれるらしい。
持つべきものは友である。うん、ありがとう。
→ 2024.04.10 友人が早速良い感じにしてくれた
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最近、「こと屋」だけだとなんか少し弱い気がしたので、枕をつけた。
「染織工藝 こと屋 」にした。
枕はつけたがロゴはそのままで充分だと思っている。
この屋号で齢を重ねていけたら本望なので、何卒、よしなに。