『こと屋』のアトリエ-ICHIRO HOUSE-について
アトリエは実家の裏にある。勝手に ICHIRO HOUSE と呼んでいる。
ICHIROは「一郎」だ。一子と武郎、20年ほど前にできたこの建物に住んでいた祖父母の名前から取った。
3年ほど前に祖父も亡くなり使われていなかった。
【 玄関 ≒ 織場 】
扉を開けると2畳弱の板間がある。
ここに織り機を置かせてもらった。
半世紀ほど前に染織家の柳悦孝が考案したというもので、この一台で巻き取りも機織りもできる。しかも折り畳める。
勤務先の秋山先生が安く譲ってくれた。ありがたい。
慣れるまでは時間がかかるが、優れものだと思う。
【 居間 ≒ 加工場 】
6畳の居間は、糸加工の場にしてある。
布団が入っていた押し入れは道具入れに。
電話が置いてあった台はアイロンと整経作業の場所になった。
【 台所 ≒ 倉庫兼作業場 】
台所はガスコンロを少し強めのものに変えて、お湯を沸かす作業がしやすいようにした。
居間で使われていた箪笥は、染料や素材の保管庫になった。
机と椅子は沖縄の米兵からの払い下げ品。秋山先生からもらった。
上に物干し竿を吊せるスペースを作った。糸や布を干している。
あとはトイレと洗面台がある。
【 洗濯機置き場 ≒ 藍染め小屋 】
この家はもともと古い倉庫を潰して急遽建てることになったので、最小限の設備であり、洗濯機置き場も外に作っていた。
そこに祖父がタキロンや木材を打ち付けて屋根付きにしていたらしい。
ありがたくそこを藍染めの小屋として使わせてもらうことにした。
雨の日は横や隙間から雨粒が入るが、最小限で済んでいる。
洗濯機は二槽式に変えた。
あとは、車庫に木灰などを置かせてもらっている。
以上が私のアトリエである。
これから徐々に改良を進めていく予定であるが、まず作業ができること、そのスペースが確保できたことが一番で、親に感謝、祖父母に感謝である。
なお、前述から分かるよう見学するほどのものではないが、お茶は出せる。