『約束』考察第2弾 ~香坂犯人説を考える~

こんにちは。takumaです。
つい昨日久々にこちらのnoteを更新し、『約束~16年目の真実~』の考察を上げましたが、そこから各ストーリーを見返したり、考察動画からヒントを得たりしているうちに、自分の推理に足りないところがあったように思いました。今でも自信を持っている部分はありますが、大きく見落としていた部分もあるなと思い、改めてnoteを書くことにしました。

未熟なまま書いた考察はこちら⇒
https://note.com/takuma_bbetc/n/nf212ce226356

ここで注目したいのが、香坂犯人説です。僕は、葵の姿勢に徐々に看過されて徐々に過去の事件の捜査に前向きになり、自分が知らなかった過去の資料を驚きながら見る描写などから、犯人候補から除外していました。しかし、6話で書かれている「サクリファイス」の内容と更新されるタイミングを改めて見ると、香坂は少なくとも「犯人側」にいる可能性が大きく高まったと思います。16年前の事件に彼が大きく関わっていることを前提に、香坂慧の人となり、動機、今の動きの背景にある思考などについて探ってみたいと思います。


香坂が『犯人側』と思われる理由

6話で明かされる『サクリファイス』の内容

ある考察班の方が指摘していたのは、6話で葵が桃を尋問している際に、「あなたは一体、誰?」と聞きます。これは、殺人の疑いをかけているとはいえ、長年の友人にかける言葉としては少々不自然に思えます。葵がこの表現を選択した理由は一旦置いておいて、この表現は想像だけで再現できるようなものではありません。桃の聴取が終わったあとに何者かが「サクリファイス」を更新し、同じセリフ「あなたは一体、誰?」と書き加えているのです。つまりこの人物は、聴取を聞いていた、或いは尋問の内容をつぶさに把握していたと考えられます。ただ、聴取の内容を他人から聞いたとして、「あなたは一体、誰?」が一言一句再現されるとは思えませんので、聴取の現場に居た人物が書いたことが濃厚となります。

現場では刑事の木崎なども居ましたが、真犯人とするには情報が少なすぎるので、やはり香坂が浮上してくるでしょう。昨日の考察では、天草がサクリファイスを書いていると予想しましたが、上記の理由から、サクリファイスを書いているのは香坂であるとことが濃厚だと思います。

香坂の2話での言動

香坂は2話で、葵が天草から不破翔が書いた映画の台本を受け取りに言いますが、そこでちょうど香坂が現れます。そこで香坂が言ったのは「その映画シナリオは何なんですか」です。現れる直前に、2人は別に「映画」などとは言っていませんし、表紙にも「映画シナリオ」と分かるようなことは書いていません。なぜ彼は「映画シナリオ」と知っていたのでしょうか?香坂と天草が繋がっていて、香坂はこの時初めて映画シナリオやビー玉のことを知ったフリをしてますが、以前から知っていたのではないでしょうか?

その後、桃のカフェ「シオン」へ移動して尾藤恵も合流して話し合いますが、16年前に台本やビー玉のことを警察に話すのを強く阻止したのは天草でした。

その後、防犯カメラに映った不破翔を署で見ていた際に、葵に対し「桐生さん、何か心当たりは?」と言っています。また葵が不破と会っていたことも見抜いていましたが、これも天草から情報を得た可能性があります(葵は不破にあったことはシオンで桃と恵には言っていて天草に直接言っているシーンはありませんが、天草は不破が望野町に来たことを知っていて香坂に伝えていた可能性はあります)。このように、確定的ではないものの、実は裏で色々知っていて、ストーリーを前に進める促しような発言を何度かしています。

天草の怪しい言動

天草は真犯人候補としても早くから疑われていますが、その怪しさは彼自身が真犯人だからではなく、彼が真犯人に協力している、或いは力関係ゆえに手伝いをさせられているからではないでしょうか?

1話で尾藤恵は天草が未だに先輩のパシリをさせられていると言っていました。香坂は天草の5つ上ですから、先輩という立場であっても不思議ではありません。また6話で不破翔が井出尚哉を探しに閉鎖された児童養護施設に行くときにも天草が現れています。天草が来ることを不破は知らず、驚いていますが、これも「先輩」の指示で不破の行動を監視しているのではないでしょうか?

しかし疑問点が一つあります。不破翔が梅崎若菜殺害容疑で追われていた時に、天草は不破を手伝っています。しかし、これも「先輩」の香坂が不破が何をするか見たくて、天草に手伝いを許可していた可能性はあります。実際その後16年前の事件の最初の被害者の山名恵梨香の実家で不破翔が見つかり逮捕されていますので、これも天草が香坂に垂れ込んだ可能性があります。

そもそも、葵が不破と接触するのも香坂が仕組んだ可能性があります。シオンで天草が「警察が不破君のことを聞き回っている」と言った直後に電話がかかってきますが、もし不破なら「不破君だ!」と一言言ってそうですが、何も言わずに急いで出ていきます。香坂が天草に指示を出しいたのかもしれません。

香坂が連続殺人犯は無理がある?

そもそも私も含め多くの人が香坂を真犯人候補から除外していたのには理由があります。

平気で何人も殺せる性格ではない

第一に、彼の性格が冷徹な殺人鬼とは程遠いからです。彼は過去に業務上の失態を犯し、同僚の「麻生」という刑事が殉職してしまったことがいくつかのフラッシュバックから分かっています。被害を止めるために不法なことも厭わないような会話が香坂と有村の間で交わされますが、そのことからも連続殺人事件だという指摘があります。いずれにせよ、香坂は麻生の死を本気で悔いているように見えます。

16年前の事件の情報をあまり知らない?

また、香坂は5話で未送致になった証言があったことを知るなど、16年前の事件に対してそこまで深く知らなさそうです。葵が事件のファイルを開いて調べ始めているうちに、彼も調べるようになります。彼は5年前から望野署に飛ばされる形で配属されていますが、彼が真犯人なら16年前も望野町に居たことになりますし、5年もここに居てその事件の情報を詳しく見返していないということになります。「解決済み」とされているため敢えて調べることをしなかっただけかもしれませんが。

5話以降事件の再捜査に協力的

香坂が真犯人であれば、再捜査をされると自分の犯行だとバレて逮捕される可能性があります。それなのに、彼は5話で昔一条と共に再捜査を訴えていた刑事を農家で見つけて直撃するなど、積極的に真実を突き止めるために動いているように見えます。また「サクリファイス」を書いているのを香坂だと仮定すると、速水家に遺体が埋まっているという情報も彼自身が垂れ込んだことになります。真犯人としてそのようなことをする意味があるのでしょうか?

香坂は実際に何をやった!?

それでも、サクリファイスの続編を、刑事しか知らない情報を載せて書いていることなどから、香坂が16年前の事件に大きく絡んでいて、裏に今起きていることを動かしている可能性が高いと思います。

香坂は第一の殺人事件の加害者

香坂が連続殺人鬼であることは考えにくいですが、何かの手違いや一時的な衝動で一人だけ殺してしまったということはあり得ると思います。16年前彼は23歳でした。最初の被害者の山名恵梨香は21歳。付き合っていてもおかしくない年齢です。2人の間に何かトラブルがあったか、或いは家出した山名恵梨香が人生に絶望して香坂に自分を殺すように頼んだのかもしれません(事件が起きたのは北見が丘付近なので、山名恵梨香が人生の路頭に迷っていたことは考えられます)。

当時から後輩の天草をパシリなどに使っていた香坂は、天草を呼び出して遺体の処理について相談しますが、天草はビー玉を口に詰めることを提案します。映画シナリオに模倣することで、それを書いた不破翔に罪をなすりつけようとしました。それは、自分が好きだった葵と仲良くなっていたからです。

香坂の犯行に有村が気付く

しかし、当時既に刑事になっていた香坂の上司だった有村は、何らかの理由で香坂の犯行だと気付いていしまいます。優秀な部下を失いたくない有村は、「俺に任せろ」と言って、当時尾藤誠との癒着関係において邪魔だった速水康男を消す計画を立てます。

速水家の近くで一人で歩いていた少女を襲い、速水家から盗んだロープを使って殺害し、最初の事件と重ねるためにビー玉を口に詰めます。その後、尾藤恵の証言もあって速水康男は逮捕され、留置所で死亡します。続いて有村は、速水康男の犯行ではないことを証言しそうな人物を殺害し、速水家の庭に埋めます。香坂は有村の行動に疑問を持ち、彼の後を付けて、遺体を埋めるのを見てしまったのかもしれません。

香坂の失態

その後有村は望野署から警視庁本部へ異動し、香坂も一緒に本部へ行きます。香坂は、有村の「やりすぎ」な隠蔽工作に疑問を持ちながらも、警察のメンツを保つためなら残虐な手段をも厭わない有村の冷徹さに洗脳されながら、刑事としてのキャリアを築いていきます。しかし、有村から学んだ手法を用いてある連続殺人犯と対峙しようとしたとき、自分の同僚で仲の良かった麻生という刑事を死なせてしまいます。

これにより、有村のやり方に疑問を持つようになりつつも、仲間を死なせる自分の失態の責任を背負う形で本部から望野署へ異動し、そこでも有村の指示を仰ぎ続けます。望野署に来てから5年後、桐生葵がやってくると、彼女を監視するように有村から頼まれ、ほどなくして彼女が16年前の連続殺人事件の犯人として逮捕された速水康男の娘であることを知ります。

葵の姿勢に心を打たれ

最初は有村の指示に従い、16年前の事件の再捜査が行われないように、葵の行動を監視し妨害しようとしますが、父を信じて真実を探ろうとする葵の姿勢に感化され、また自己保身にばかり動く有村のやり方にもついていけなくなり、今起きている事件の解決と共に16年前の事件の真相も明らかにし、自分の過去を清算しようと決意します。

葵の物語を書く

彼は、改めて天草が持っていた映画シナリオを着目し、それに沿って葵が事件の真相に迫る続編を書いていきます。「サクリファイス」を綴りながら、事件が前に進むよう、また有村を追い詰めるよう、裏から手を回していきます。

筋書きを演じる葵

3話途中で、梅崎若菜殺害について不破翔の動向を調べていた際、香坂は「不破翔が犯人とは思えない」という葵に同意し、梅崎だけでなく16年前の連続殺人も自分の犯行と自白した不破の動画を「嘘くささを感じる」と言い、さらに「悲劇のヒーローとしての筋書きを演じている」と続け、葵も「筋書き・・・」と復唱します。これも、この物語の真相を暗示するヒントかもしれません。これから葵は、香坂が書く「サクリファイス」続編の筋書きを演じていくのです。

4話で、梅崎若菜が尾藤誠と会っていたことが分かり、葵と香坂で尾藤誠を追い詰めようとしていたところ、突如一条が梅崎殺害犯を不破翔だと結論付け、捜査の終了を発表しますが、これに対し香坂は「上層部からの圧力があったのですか?」と、有村の介入を勘ぐり、葵と共に抗議します。

その後、尾藤が「泰都商事」に送ったと思われる賄賂の領収書が葵の父の遺品から見つかったことで、葵が自分の父を僅かに疑い始めた時、香坂は「それを突き止めるのがあなたの仕事」と言って、領収書を鑑識に提出するよう勧めます。香坂が、過去を清算してすべての解決に向けてストーリーを進めようとしたのは、やはり3-4話辺りと考えられます。サクリファイスの続編が書き始められたのも4話の終わりです。

迷う葵を再捜査へと引っ張っていく

5話の初めに、葵が自分が不破玲を殺したかもしれないということを一条に明かした際、それまで16年前の資料に目もくれなかった香坂が初めて資料を漁ります。葵のこの証言は彼にとっても衝撃だったのでしょう。彼は葵ではないと分かっているので、当時の関係者を纏め上げ、迷いの中にいる葵に捜査をするようにハッパをかけます。葵を殺人犯の娘として咎める記事が出た際も、葵を信じない同僚刑事を叱責します。

その後、サクリファイスを書いている人のメールアドレスから葵を不破玲殺害現場に呼び出すメッセージが届きます。その場で葵は何者かに気絶させられます。これは、香坂が彼女に何かを思い出させるために天草と仕組んだものと考えられます。がその場所へ行っている間香坂はずっと署内で書類を見ていますが、葵が戻ってくる前に彼は心配そうに誰かに電話をかけようとします。葵が戻って来ると、電話をやめて彼女に寄り添います。これは、決して必要以上に怪我をさせないよう天草に頼んでいたのに帰りが遅いことを心配したのでしょうか?物語的にもこの時の電話の意味が分かりかねますね。

有村VS香坂のバトル勃発!

一条が誘拐犯だということが明らかになり、葵が彼を問い詰めますが、一条はある刑事が尾藤と繋がっていて、その刑事をおびき出すための罠を仕掛けたので待ってほしいと言います。しかし、外で聞いていた香坂は既にそれが有村だと分かっていました。

双方宣戦布告

有村は見張っていた夏目を取りこみ、16年前の連続殺人を冤罪と扱っての再捜査がもはや避けられないと判断し、誘拐犯として逮捕された一条が速水に自白を強要させたという話をマスコミに流します。そして望野署に乗り込み、おそらくこれからすべての罪を香坂に擦り付けるために動き始めます。

それに先立ち、香坂は刑事部長のところに行き「すべてを明らかにします。あなたのしたことを。あなたのすべてが間違っているということを。」と宣戦布告します。これだけを聞いても、香坂は、「まだ明らかにされていない何かを有村がした」と知っていることが分かります。

香坂は6話で、犯人のプロファイリングについて話し始めます。今まで行ってこなかったことです。そして、いきなり「犯行は3件だけではないかもしれない」と言います。

和田瑠璃殺害は有村!?

5話の最後で和田瑠璃という女性が殺害され、6話でその捜査が行われますが、彼女はDV彼氏から逃げて望野署にやってきたことが後で分かります。その彼氏は過去に逮捕歴があり、その時は北新宿署で逮捕されていました。彼が逮捕された時に有村が捜査を担当していて、和田瑠璃と面識があったのかもしれません。それを利用して彼女を呼び出し、殺害したと考えられます。

香坂は、飛鳥桃が犯人でないと知っていて、葵に注意を促しながらも、彼女の捜査に寄り添います。結局飛鳥桃が誤認逮捕だったことが判明してから、香坂も葵と一緒に始末書を提出します。ところで、なぜサクリファイスが桃のもとに送られたのかは分かりません。このnoteの考察が合っているとして、香坂にとって桃を誤認逮捕するメリットがあるか分かりませんし、そもそも葵が咄嗟に桃の自宅に上がってそれを見つけるところまでは予測できないでしょう。

7話以降も白熱するバトル

有村と香坂のバトルはまだ始まったばかり。7話以降も、互いの目的を果たすために、色々な手を打ち合うと思われます。その中で、新たな犠牲(サクリファイス)も生まれるかもしれません。

今回の考察で、前回考察した「ビー玉の意味」と井出尚哉の素性がまた揺らいだかもしれません。そこはまた7話で見た内容から、ここで述べた香坂・有村犯人説に沿う形で考えていきたいと思います。

明日夜の7話が待ち切れません!


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