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もにたーアンバランス

「一見アンバランスに見える2枚のPCディスプレイを、1本のモニターアームにバランスよく取りつけられました」という記事です。

複数枚ディスプレイを検討されているかたのお役にたてればと思い、どのように実現しているかシェアします。

お読みいただくと分かりますが、製造元が推奨していない取りつけ方をしています。もしもマネされる際は、あくまで自己責任でお願いいたします。


本記事は全文無料で読めますが、投げ銭大歓迎です。お役に立ちましたら、ぜひよろしくお願いいたします。




§1 はじめに

Apple Studio Display (VESAマウント版) を愛用しています。

とはいえ、27インチのモニター1枚では、写真の現像や3Dモデリングなどの作業において狭く感じることがあり、モニターを増設することにしました。


個人的には以下のような条件を掲げて、サブモニターを探しました。

■ 条件1
サブモニターはApple Studio Displayの横に配置したい。上や下には置かない。

■ 条件2
条件1から導かれる条件として、机の横幅が 1400 mm、両脇にはスピーカーを置くため、モニターは2枚で1000 mmに収まること。Apple Studio Display は横幅が 623 mm あります。つまり、サブモニターが取れる横幅は残りの 377 mm まで。

■ 条件3
サブモニターは4K程度の解像度があること。Apple Studio Display との性能さが際立つと目が疲れるので、DPIや発色の良さも気にしたい。

■ 条件4
Apple Studio Display と高さがなるべく揃うこと。

■ 条件5
ベゼル幅や色など、その他 Apple Studio Displayと並べたときに、全体的に違和感のないデザインであること。

■ 条件6
今回はなるべくお金をかけたくない。そして、すっきりしているのが好き。なので、モニターアームはすでに使っている1本で完結するように組みたい。


条件1〜5に合致するモニターは、なんとか見つけられました。

ですが、条件6が問題でした。どう考えたって、モニターアーム1本では2枚のモニターのバランスがとれません。




§2 買い揃えたアイテム

モニターアーム1本で解決するために、Amazonの奥の奥まで、探し続けました。

この章では、今回のデュアルモニタ化に際して、すでに持っていたもの、今回買い足したものを紹介します。


■ モニターアーム:Flo
格好いいです👍


■ メインモニター:Apple Studio Display
Apple Storeで標準ガラス版と、Nano-texture版を30分ほど見比べて標準ガラス版を選びました。黒の見え方が違います。写真現像をなさる方には標準ガラス版の方がおすすめだと思います。

EIZOのを使った方がいいのではないかと言われると、ぐうのねも出ませんが😅


■ サブモニター:Intehill - UN16A
今回の重要アイテムその1。
HDMI・USB-Cでの入力に対応した16インチ4Kモバイルモニター。
16:10というのがミソ。縦すると机の横幅にもちょうどよく収まり、かつ縦にしたときの高さがApple Studio Displayとほぼ同じなのです。
そして、VESAマウントも付いています。
発色は流石にApple Studio Displayに劣りますが、この価格帯としてはキレイかと思います。


■ NBROS JAPAN 長尾製作所 VESA増設プレート NB-VS7510PLUS-LONG(2枚)
重要アイテムその2。
本来は、モニターの裏側にMac mini などの小型PCをとりつけるためのVESA増設プレートです。
今回はこれを2枚重ねて使います。


■ Cabilock 中国書道ペーパーウェイト(2個)
重要アイテムその3。
重心のバランスをとるために利用しています。
VESA増設プレートの小さい穴(直径40mm)にジャストフィットします。
VESAのプレートとこの真鍮製文鎮のセットを見つけられたのが、この改造の核心と言っても過言ではありません。


そして、その他のこまごまとしたもの。
・各種ケーブル(HDMI、USB-C)
・ちょうどいい長さのM4ネジ(VESA規格用)




§3 組み立て結果

それでは、モニターの裏側をご覧ください。

何が起きているのか。

写真左のサブモニターは、USB-CケーブルでApple Studio Displayから電源をとっています。また映像はHDMIケーブルでPCから直接繋がっています。

Apple Studio Displayには、備え付けの電源ケーブルと、PCからの映像を受け取るUSB-Cケーブル、そしてサブモニタに電源を供給するUSB-Cケーブルが刺さっています。

どう見てもサブモニター側に重心が寄っているので、いい塩梅にバランスがとれる位置で繋ぐ必要があります。


どのように取りつけているのか、詳解します。

まず、VESA増設プレート同士2枚をビス2本で固定します。(大きな丸い穴が空いている部分の四隅にVESAのネジ穴が切ってありますので、共締めします。)

モニターアームのVESAマウントのネジ穴4箇所は、うち2箇所はVESA増設プレート2枚を止めて、残りの2箇所はVESA増設プレート1枚とApple Studio Displayとをネジで留めます。
このとき、VESA増設プレートに段差があるため、2箇所にはスペーサーを間に挟みます。
下の写真では、M5六角ナットをスペーサーとして使っています。


そして、Apple Studio Display の残りのネジ穴2箇所や、Intehill の UN16Aの4箇所は写真の通りVESA増設プレートに留めます。


ところで、メインモニターよりサブモニターの方が厚さが薄く作られています。このため、VESAの取り付け平面が揃っていると、サブモニターの方を奥まって取りつけることになります。かなり見づらくなってしまいます。

VESA増設プレートはこれを絶妙に解決してくれます。
増設プレートには段差がついており、2枚合わせて段差を活用してあげると、サブモニター側のVESAプレートが手前に(顔の方に)近づきます。

増設プレートには白い樹脂製のスペーサーがついており、このスペーサーをサブモニター取り付け時に間に挟むと、メインモニターとサブモニターの表面の差がかなり縮まり、見ていて気にならない程度になります。


ここまで取りつけてみると、サブモニター側の方が軽い重心位置になり、Apple Studio Display側に斜めに倒れます。

一晩かけてゆっくり傾き、朝起きるとこのように😅



この重量バランスをとっているのが、真鍮製文鎮。
1つ100gで、2つで200g取り付けています。これでも若干Apple Studio Display 側に重心が寄っているのですが、モニターアーム Flo のネジをキツめに締めれば十分許容できる範囲内に収まります。

文鎮さんも、このように使われるとは、夢にも思わなかったでしょう。

真鍮製文鎮が、まさかのシンデレラフィット。
本当に完璧なフィット具合で、簡単には抜けません。
念のために、パーマセルテープなりを貼って蓋しておけば安心です。



というわけでモニターの増設完了です。

モニターが増設されたことで作業効率爆上がりです。

キレイなメインディスプレイで大きく写真現像をしっかり行いつつ、サブディスプレイのほうで写真を効率的に選択できます。


Google検索を3画面同時に開くことも……。

縦長サイズのウィンドウを3つ確保できると、資料を参照しつつ、文章をかきつつ、LLMに聞きつつ、といったことを一覧性を保ったまま実施できます。
作業効率が非常に改善しました。


また、モバイルモニターに付属しているL字 (というかコの字?) のコネクタが優秀です。スッキリした見栄えとケーブルの取り回しを実現しています。



§4 おわりに

というわけで、モニターアーム1本に重心をうまくとりつつ、2枚のディスプレイを取りつける解決方法のご紹介でした。

サブモニターは、今回ご紹介した、Intehill - UN16A以外にも、iPad Pro など別のモニターをVESA化して取りつけるのもアリでしょう。

⚠️ iPadをVesa化する MagFlo は、対応機種に要注意です。


この記事の他にも、デスクカスタマイズの記事を書いています。

合わせて、お役に立てましたら幸いです。


それでは、素敵なデスクライフを!👍




■ 余談

Apple Studio DisplayとIntehiillモバイルモニターの面がまだ完全には揃っていません。完璧に揃えるためには、スペーサーを別途買うか自作する必要があります。
スペーサーの長さを変えると、真鍮のウエイトがぴったりはまらなくなってしまうでしょう。スペーサーとカウンターウェイ固定の治具を、いつか自作したいと思います。


今回の記事タイトルは「くじびきアンバランス」に由来します。「げんしけん」という漫画内に登場する漫画、いわゆる劇中劇ですが、おそらく誰にも伝わらなかったことでしょう。

令和を生きる若いアニメオタクな皆さんへ。昭和・平成のアニヲタと会話する際には知っていて損はない名作です。どうぞ。


あらためて、本記事は全文無料で読めますが、投げ銭大歓迎です。
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