上海で働いて感じたこと②
前回、中国との美容業界のレベルが変わらないということを書きましたが、中国に限らず他の全ての国の間でレベルの差はほとんどないと思います。
これまでのようにアジアを引っ張っていくのは日本、アジアのトップは日本のような時代ではなくなってきました。
さらに、数年後から外国人が日本で美容師として働けるようになり日本国内においての美容業界の競争はさらに激しくなっていくでしょう。
法律で定められた教育の基準を満たし、さらに国家試験に合格しなければ美容師としては働けないので、ある意味国家資格に守られていた美容師。
今までは「国家資格だから」、「手に職があるから」どこでもやっていけると言われることが多かったですが、もうそういう時代ではなくなってきています。
日本人美容師として、お店として、個人として、
どういう強みを持っているか、
どういう武器を持っているか
が重要になってくるように思えます。
僕が上海で中国人美容師やヨーロッパ系の美容師の仕事を見て感じたことは、毛量調整や質感調整は日本人美容師の方が優れているなと感じました。
逆に刈り上げに関しては圧倒的にあちらの方が優れているように思えます。
日本人は世界的に見ても美意識が高く、多くの人が自分でブローやコテで巻いたりします。
その中で、必要になってくるのは「再現性」。
お店に来るお客様のスタイリング能力に合わせてどこまでやりやすいようにカットできるかどうかが大きいように思えます。
デザインカラーやカラーの透明感などはここ数年のカラー剤の進化により、誰がやってもそこそこな仕上がりになるようになってきました。
カラーでの差別化はよっぽどのデザイン力がないと難しいと思います。
逆に、カットは誰がやっても違いがでます。
意外に思えるかもしれませんが、同じハサミを使って、同じように切っても同じデザインにならないのがカットです。
このカットで他の美容室・美容師とどういう違いをだしていくか、どういう違いを感じ取ってもらうか、での差別化が大きく違いが出るように思います。
「指通りがいいのにまとまる」
「コテで巻きやすい」
「カットのもちがいい」
などの差別化が大切になってくるように思えます。
しかし、今挙げた差別化はずっと業界の中で言われ続けています。
「差別化」や「ブランディング」という言葉がよく聞くようになってきたこの時代。
結局、昔から言われている事を突き詰めていくことが、「差別化」や「ブランディング」に つながっていくように思えます。
あとはその突き詰めたものをお客様にどのように見せていくか、演出するかです。
お客様を担当する上で大切なこと、
デザインを作る上で大切なこと、
カット、カラー、パーマなどをする上で大切なこと、
一つ一つ見直して、突き詰めて、
成長し、備えていきましょう。