脳内DV男▶︎姫をサポートする王子様へ; 心で生きるお話
たくま少年は、いつも悩んでいました。
本当にやりたいことってなんだろう?
なんでいつも中途半端で、何をしても心は苦しいままなんだろう?心で生きる!ときめたものの、
実際どうやって生きるかわからない〜!!
心で生きる感覚に耳を澄ませていると、自然とワクワク!心地いい!の感覚が湧き起こるときがあります。その心の感覚に任せて、絵を描いたり、発信をしたり、海外を旅したり。楽しい〜!これだ!!生きてる〜!!人生最高!そう思う。でも、不思議といつも途中で突然やる氣がなくなったり、心が苦しくなったり。そして、これはやっぱり本当に僕がやりたいことじゃないんじゃないか…とやめてしまう。
じゃあ、今いる環境が悪いんじゃないか?環境を変えたら僕はきっとイキイキするはずだ!と移住してみたり、仕事を変えてみたり。でも結局何をしても心は満たされず、たくま少年の心で生きるジャーニー、完全ギブアップ状態。その上、頭はいつもこう言います。お前は何をやっても中途半端だ、もっと動いてお金を稼がないと大変だぞ、努力してないからそうなるんだ、すぐにやめて情けないなぁ。
うるさーい!!そう思っても、こんな時に限って自動的にフル回転してどんどん不安を煽ってくる頭の声。散歩していても、本を読んでみても、ずーっと声は消えません。どうしたらいいんだろう?見えない自分と自分の戦いは一日中続き、とうとうたくま少年は疲れ果てて寝てしまいました。
むにゃむにゃzzz…zzz……
夢の中
たくまくん、たくまくん、おきて!
優しくてあたたかい声がどこからともなく聞こえてきました。たくま少年が目を開けるとそこには、眩い光を放つ、可愛らしい姫が立っていました。えみ姫という彼女はニコニコしてこちらを見ていました。
え) 私はえみ姫。たくまくんが苦しそうだったから、夢の中にやってきたよ。たくまくんはどうしてそんなに苦しんでるの??
た)そっか、僕は、眠っちゃってたのか。
えみ姫、あのね、僕は心で生きるって決めたんだけど、どうやって心の声を聞いたらいいのかわからないんだ。何をしても途中で、本当にこれはやりたいことなのかなって不安になってやめちゃうし、ずっと頭がうるさくて、それで苦しかったんだ。
え)でも、やり始めた最初は楽しいんでしょう?
た)うん、でも、途中で不安になるんだ。
え)それは、頭で何か余計なことを考えてない?
例えば、このやりたいことやっててお金に結びつくのかな、とか。
た)え!確かに、考えてた…。これでお金が稼げるか、これをやってなんの意味があるんだろうとか。人のためになってるのかなとも思ってた。
え)それは苦しいね。
た)お金は人に価値を与えた分入ってくるんでしょ。それに、人のためにって考えるのはいいことなんじゃ…。
え)人に価値を与えたいというのは、すごくいい人そうだよね。でも今のたくまくんの場合は、人という外側に意識がいってエネルギーが分散してる。それが苦しい原因じゃないかな?
た)そうか!人のために、とか、人に何か価値を与えたい、というのは確かにきいた感じはキレイだしいい人そう。でも、裏を返したらただの僕の承認欲求を美化してただけだったのか…。
それとお金が混ざって、何かをするときに、多くの人に認められて、お金をたくさん稼がなきゃと思ってた。
え)やりたいことをするのに、人から承認される必要ってある?心に聞いてみて。本当は自分にもっと見てほしいんじゃない?もっと認めて、褒めてほしいんじゃない?
た)本当だ。それに氣づいて心がホッとする感じがある。
え)私はね、私を生きているの。だから人にも愛されるし、お金にも愛されてる。もし私が万人受けを狙って、相手に合わせて言ってほしいことを言って人の顔色伺ってへこへこしてたらどう?
たくまくんには、”人に嫌われる怖さ”があるみたいね。たくまくんは愛そのものの存在なの。だから、好かれるということを考える必要すらない。ただ、たくまくんを生きるのよ。
た)人に嫌われる怖さ…たしかに、みんなにいい顔して自分の言いたいことを言えてなかった。
えみ姫、そもそも、お金ってなんなの?
え)お金はね、信用のエネルギーなの。信用、とは人間力のことよ。
た)お金は信用のエネルギー。人間力、、、ってことはやっぱり人のために価値を与えたりなにかしたりってことなんじゃ!?
え)うんうん、じゃあ、たくまくんがこうありたいなって理想の人はどんな人?
た)僕は、人に流されず自分の意志をハッキリもって自分を生きている人が好きだし、そうありたい!!!
え)それなら、
自信があってブレない軸を持ち、自分を生きている人、それがたくまくんにとっての人間力なの。
た)そうか、僕は、お金は人に価値を与えた分返ってくると思っていたから、人に価値を与えてないお金を持っていない自分はダメなやつなんだ、と無意識で思ってたんだ。
え)自分の操縦席はね、自分で乗るの。お金や人に大切な操縦席を取られちゃダメ。じゃあ例えば、たくまくんに百万円と高級な腕時計と車と家なんかを毎月毎月プレゼントし続けるえみ姫と、こうやってたくまくんの心に寄り添ってあげて愛で包み込んでる今のえみ姫、どっちがいい?
た)もちろん今の心に寄り添ってくれるえみ姫!!!(即答)多分、僕の心に寄り添ってくれずにものやお金だけたくさんもらっても、虚しくなっちゃうよ。
え)そうだよね。でも、たくまくんは今自分にそうしてるんじゃないかな?やりたいことをやり始めても、お金をたくさん稼げないとダメだと思ったり、心に寄り添うんじゃなくて自分に外側のものやお金をプレゼントして満たそうとしてたでしょ?
お金の価値で自分の価値を測ってると、それは、辛いよね。たくまくんは愛そのものの存在なのに。
た)そっかぁ。人のことなら即答できるのに、自分のことになるとわからないものなんだなぁ。自分の操縦席に人やお金を乗せちゃっていたんだね。思考が邪魔してたんだ。
た)思考がダメなんじゃないのよ。本来、思考っていうものは王子様なの。心という姫をサポートする王子様。それなのに思考で自分なんてダメだとDVしたり、論破したり、もっとお金を稼げって自分をいじめたり。
DV男だったり、論破男、モラハラ男が思考を支配して心の姫を攻撃したら、姫は心を閉じたくなるでしょ?ずっと無視され続けたら拗ねちゃうよね。
DV男が実際に現れたらわかるのに、自分の頭の中にいる彼らには氣づけない。でもね、もともとは頭の中のDV男もモラハラ男も、みんな王子様なの。でも、これまで生きてきた経験が重なってDV男になってしまってる。だから、頭の中のDV男を心のお姫様をサポートする、王子様に育てていかなきゃいけない。それが、心を育むことだし、思考と心を一致させるということなの。そうすれば、心が心地いいことを思考がサポートできる状態になる。
これが本来の思考の王子様と心のお姫様の関係。これが、男性性と女性性の統合なの。今は多くの人が思考と心が離れているから苦しんでいるのよ。
た)そうだったんだね。
僕の中にもDV男がいたのか〜。
え)でもね、焦らなくていいの。
今こうやって氣づけたことが、とても素晴らしいこと。だからまずは氣づけた自分と、ちゃんと素直に苦しいと伝えることができた自分を褒めてあげてね。自分を褒めてあげて、ありがとうって言ってあげてね。心のたくま姫は褒められたがってるし、ありがとうって言われたがってるよ。
た)うん、そうするよ。えみ姫、ありがとう!
え)うん!たくまくん、またね。
むにゃむにゃ…
たくま少年が目覚めると、ちょうど朝日が昇るところだった。
た)あー、なんだか、あったかい夢だったなぁ。
心が軽くなってる。
たくま、氣づけてえらいね、よかったね。今まで無視して傷つけてごめんね。君は本当に素晴らしいよ。これからはずっとそばにいるからね。いつもありがとう。
そう声をかけてあげると、心の中のたくま姫がニコッと、微笑んだ感じがした。
たくま