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iPad Pro 12.9 に乗り換えた理由6つと感想6つ

普通の人は買わない、デカいほうのiPadこと、iPad Pro 12.9インチ 2018年モデル(第3世代)を購入しました。

これまで、iPad2(9.7)→iPad3(9.7)→iPad Air (9.7)→iPad Pro (9.7)→iPad Pro(10.5)と、12.9インチには見向きもしなかった平均的iPadユーザーの私が、なぜ今になって12.9インチを買ったのか?

以下、
・理由
・感想
・結局12.9インチは買いなのか

に分けて、振り返ってみたいと思います。

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理由1:「手帳」ではなく「ノート」が必要になった

10.5インチのiPad Proは、モバイル端末でやりたいことのほとんどを満たしてくれる端末です。特に、ペンシルを使った手書き性能が上がったことで、iPhoneが持つインターネット端末としての基本機能に加えて、手書き可能な「システム手帳」としての機能まで包含し、ビジネスに欠かせない存在となりました。

しかし、情報を大量に収集し・整理し・分析するリサーチや勉強のツールとしては、やはり「面」が狭かった。作業場としての「ノート」が必要になったのです。

どんなに機能性に優れた「手帳」でも、「ノート」は代替できません。ノートがノートであるためには、絶対的な面積が必要です。

このことを以前から力説している人物に、西村もとい氏がいます。以下は10.5インチ(第2世代)と12.9インチ(第1世代)の比較動画ですが、医学系予備校教師の視点から、「勉強や仕事をプロとしてこなすためのデジタルツールとしては、iPad Pro 12.9インチしかあり得ない」と語っています。

確かに、リサーチや勉強でiPad Proを使う際には、左に参考書、右にノートと画面を分割して使うsplit viewが欠かせないのですが、このモードの時に右画面のノートの広さが確保できることが、12.9インチモデルのポイントであると説いています。

もちろん、10.5インチモデルでも、iPadならではのスムーズなピンチイン・アウトでキャンバスの拡大縮小をすることで、これをカバーすることはできます。しかし、何かを書いたり操作するたびにピンチ操作をしていて生産性を落としていては、何のためにiPad Proを使っているのか、本末転倒です。

「ひと手間かければできないことはない」のと、「そのままできてやりやすい」ということとの間には、大きな隔たりがあります。

理由2:LiquidTextをフル活用したかった

私は、先代のiPad Proの時代から、ノートアプリとしてNotabilityを愛用しています。本日現在も、自信を持ってオススメできるアプリです。

しかし、それを超えるポテンシャルを持った、iPad Pro12.9ならではのキラーアプリが存在します。それがこのLiquidTextです。

LiquidTextは、複数のPDFドキュメント・ウェブサイト・Word・Powerpoint・画像を1つのファイルに集約しながら、その右側のノート(ワークスペース)部分にドラッグ&ドロップで引用抜き書き(excerpt)し、その抜き書き同士をLiquid=液体のようにくっつけながら知識をまとめていくというコンセプト。

メモも手書きでもちろん書けますし、マーカーを本文に引いてマーカー部だけを圧縮表示することなんかもできます。テキストデータはファイルをまたいでグローバル検索も可能です。

学生さんはもちろん、およそ職業人であればなんらかの文献をもとに研究や仕事をしているはず。私は業務上リーガルリサーチをする時間が長いという事情もありますが、そこまでの専門的な分野でなくとも、必ず役に立つ唯一無二のアプリと自信を持って言えます。

LiquidTextの機能を細かく紹介しているブログ。

iPad12.9 × LiquidTextを使った具体的な学習・業務活用については、こちらのブログも参考になります。

現実のノートを超えた理想のノートを、iPadの力をフルに引き出して実現させてくれるツールです。研究・リサーチ用の文献は、(紙を自炊して)PDF化したものをiPad Pro 12.9とこのアプリ上に集約することに決めました。

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理由3:文献をもっと効率的に読めるようにしたかった

私は書籍や雑誌をよく買いよく読む人間です。

画面が大きければ、電子書籍の読みやすさも向上します。Kindleの場合、実は10.5インチ版と12.9インチ版では選択可能な最小フォントサイズに差がつけられており、同じKindleアプリでも同じ本を見開きで表示した時の情報量がまったく違います。

原著版『Factfullness』の同じページを見開きで開くと、こんな感じ。

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単に画面が大きくなるだけではないのです。

このサイズと文字密度で見開き表示ができるなら、紙の本を読んでいる感覚と遜色ありません。実際、10.5インチよりも読むスピードが明らかに上がります。

ちなみに、雑誌は楽天マガジンで、ニュースは日経の紙面ビューアーで、いずれも見開きで読むことができます。

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理由4:蔵書のデジタル化に振り切りたかった

自宅にはmax500冊ぐらいの本が置けるのですが、週に5〜7冊本を買っているので、本棚には常に隙間がありません。隙間を意識して作っておかないと、新しい本、新しい分野の知識が入らなくなってしまいます。これは良くないことです。

購入した書籍は、基本的には、アクセス頻度が減った本から捨てるかBOOKSCANさんでPDF化するかしていて、BOOKSCANのクラウド上には1300冊ほどが保存されています。

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では、リアル本棚の500冊を占める主なものは何かというと、分厚い法律書籍がメインです。なぜ法律書籍について電子化を躊躇してきたかといえば、文献を何冊か同時に広げながら論稿を執筆することがしにくくなるためです。

とはいえ、家のキャパシティにも限界があります。どうせ死んだら墓にはもっていけないものですし、いつかは処分しなければなりません。

かつ、法律書籍のように辞書的な本ほど、必要なときにアクセスできないことのストレスもあります。限りある保管スペースを維持し、いつでもどこでも必要な情報にアクセスを実現するには、やはりデジタル化が必要です。

そこで、iPad Pro 12.9インチに投資して、これまで躊躇していた法律書籍も含めての「デジタル本棚」化に振り切ることにしたのです。

論稿を書くときに見開きで何冊か広げながらメモもとりたいという課題にも、12.9インチというサイズと先述のLiquidTextがあれば、ほとんど解決できるという見込みがありました。

理由5:Apple認定整備済み品で第2世代セルラーモデルが入手できなかった

日に日に「ノート」と「デジタル本棚」が必要になってきて、どうしようかと悩みはじめた年末年始。割安かつ1年保証付購入できる第2世代モデルにしようかと、一週間に一回在庫がリリースされるAppleの認定整備済み(リファービッシュ)品も漁ってはいました。

しかし、整備済み品として出品される第2世代の12.9インチシリーズは、Wi-Fi64GBモデルばかりで、セルラーモデルかつ256GB以上のモデルはめったに出現しません。

旧モデルは重たかったこともあり、自宅用Wi-Fi派が多く、セルラーモデルの流通量が少なかったことも影響しているのでしょう。

理由6:白ブチiPad Proはないが、白いSmart Folioならあった

ダメ押しは、白いSmart Folioの存在を知ったこと。

私はこれまで、iPhone/iPadのデザイン面に関しては、Silverモデルの白いフチのデザインにこだわってきました。iPhone/iPadの白ブチにあわせて、白ブチの度入り本気メガネも買ったほどです(笑)。

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それだけに、新しい iPad Proを買うにしても、白ブチ版が出てからにしよう、と考えていました。

ところが、iPhoneXS→XRシリーズの黒ブチ化に加え、MacBook Airまでが黒ブチ化した様子を見ていると、Appleは、ベゼルは全く無くすか、あるにしても黒色にしてできるだけ意識させない方向に振り切った様子。これを見るに今後しばらく白ブチiPad Proは出なそうだなと。そんな折に、Smart Folioにはグレーだけでなく、白いFolioもあることに気づいてしまったのです。

しかもこのFolio、キーボードがない分170gと軽い。グレーのFolioは手汗が目立って使いものにならないらしいですが、白ならそんなこともありません。デザイン面の欲求については、これを使うことで自分を納得させることができました。

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これはこれで良しとして、やはりApple純正のレザースリーブも出して欲しいなと思ってますが。


さて、それでは続いて購入後の感想戦に移ります。

感想1:元に戻れなくなった

見なければ、使わなければ10.5インチで満足していたはずが、一度これを使ってしまうと、もうこのサイズが当たり前になります。

目に入る情報量が増えるのはもちろん期待通りでしたし、アプリのビューが使いやすく変わったものもいくつか。split viewで画面を2分割しても、字の大きさに気を使うことなく、広々と手書きで書き殴ることができます。

この辺の画面の大きさ比較については、こちらのブログをご参照ください。

買って数日は、12.9インチ、さすがに画面デカすぎるかな〜笑と思っていたものの、こうして12.9インチの画面に慣れてしまうと、もう10.5インチが小さ過ぎて戻れない身体になってしまいました

今あらためて9.7/10.5インチモデルを見ると、まるでおもちゃか、でかいiPhoneを見ているかのよう。もちろん錯覚なのですが。

感想2:意外に軽くてGood

もっとも恐れていたことは、重くてやはり持ち運びに不便なのではないか、ということでした。

これに関しては、もちろん10.5インチモデルと比較すれば重いのはまちがいありません。ただ、使っている分にはそんなに重さを負担に感じることはありませんでした。

12.9インチモデルのSmart Keyboardをくっつけてしまうと、これだけで400gを超えるので、キーボードをあきらめるのもポイントでしょう。

ただし、たったままメモを取るときは、手で掴んで持ったままはきついので、腕で抱きかかえて支える感じにはなります。

感想3:外形寸法も意外にコンパクトでGood

旧式iPad Pro12.9インチのユーザーみなさんがおっしゃっていたのは、外形寸法が大きすぎて、カバンを選ぶから気をつけろ、ということでした。

しかし、第3世代に関しては、MacBook Air13インチと外形寸法(フットプリント)をくらべると、画面サイズは同じ13インチであるにもかかわらず、iPad Proには縁が無い分ちょうどふた回りコンパクトな感じ。

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つまり、一般的なノートパソコンが入るカバンならまったく問題ない、ということです。

感想4:FaceIDは反応しない場面多くBad

FaceIDよりも、むしろ指紋認証のほうが使いやすいのではないか?

想像していたことですが、実際1週間使ってみて、FaceIDはiPadには不向きであると感じました。これを便利だと言っている皆さんは、横向きでは認証されなかったiPhone Xとの比較でおっしゃっている方、常にSmart keyboard Folioを装着していてスペースキーで解錠できることに喜んでいる方が多いようです。

机に置いて使う際には、手前に傾けない限りカメラが顔を捉えない真上を向いており、したがってFaceIDを反応させるためには、意識してカメラに近づくか、手で持ち上げて確度をつける必要があります。

しかも、iPad Proのベゼルを掴むとカメラが隠れてしまうこともしばしば。「カメラが覆われています」というメッセージとカメラの位置を指し示す矢印(←)が出るんですが、なんの解決にもなっていない。

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iPad Pro12.9については、これが一番の弱点でしょう。

解決策として、Apple Watchユーザーに関しては、Mac同様Watchで近接すれば鍵が開くような処理をしてほしいです(技術的にはできるはずなので)。

感想5:バッテリーの持ちはほぼ同じかやや悪いのでBad

本体が大きくなった分、バッテリーの持ちが良いのではと期待していました。

しかしながら、画面も大きいためか消費電力も高く、1日使い終わると残り30-40%で、さすがに2日は持たない感じです。同じ使い方をしたときのバッテリーの持ちは、10.5インチの方がやや良いように思います。

こちらの記事によれば9.7型よりはかなりバッテリーの持ちはよい、ということではあるのですが、11インチProよりは少し短いという結果。

ただし、USB-Cになったおかげで充電はライトニングよりも早くなり、実用上の支障はでていません。

感想6:やっぱり高いよね

仕事道具なのでケチりたくないですが、フルセット税込20万円越えというのはガジェットとしては高い。10.5インチiPad Proのコストパフォーマンスが良すぎただけに、価格面では非常に高く感じられてしまいます

しかしながら、12.9インチモデルに関しては、プロ向けのハイエンド商品であることから、今後の値下げはあまり期待できないでしょう。

結論  12.9インチは究極の満足が得られるが、普通の人は10.5インチでいいと思う

結論です。手帳ではなく、勉強や仕事でノートを広げて頭の中や情報を整理したい方、高いお金を払っても広い画面で効率化を追求したい方、紙の書籍をデジタルに移行したい方、買いましょう。値段以外の部分では、絶対に満足できるはずです。

しかし、動画・漫画・ネットを見たり、メールをしたりメモできるタブレットを気軽に持ち歩きたい普通の人にとっては、(11インチではなくコストパフォーマンスの良い)10.5インチで十分です。

特に、今までiPad Proを買ったことのない方がいきなり12.9インチに飛びつくことだけは、絶対に避けたほうが良いです。 iPad Pro 12.9インチモデルは、 9.7/10.5インチモデルに物足りなさを感じてから購入する、マニア向けの商品だと思います。

そして、9.7/10.5インチや11インチモデルを買ったばかりなのに、ちょっとした気の迷いでこんな記事を最後まで読んでくださったあなた。iPad Pro 12.9インチが気になるからといってAppleStoreに触りに行ったり、友達が使っている実機を何度も見てしまうと、そのうち買うことになってしまうと思いますので、近づかないようにするのが吉です。なにせ、リサーチや勉強をこれで本格的にやろうと思わない限り、9.7/10.5インチ、11インチで十分なのですから。




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