難しく考え過ぎないように~Think Simple を読んで~
Think Simple アップルを生み出す熱狂的哲学
ケン・シーガル
2012年5月発行
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が始まってからかれこれ4週間。
仕事はIT系の営業をしているが、幸いなことに慌てふためく必要のない状況にあるため、これまでの振り返りや、今後の見通しなどが落ち付いて考えられている。
そんな中、会社の師より推薦図書として紹介されたのが本書
題名を見て師が言いたいことはよくわかった。
「お前は物事を色々と考えるあまり、事象を複雑化し過ぎている」と。
ちょっとかっこよく解釈しすぎだけど、要はもっとシンプルに考えてみてもいいんじゃないの?って言いたかったんだと思う。
著者は広告のクリエイティブ・ディレクターとして数々の賞を総なめにしたケン・シーガル。
本書は、その著者がスティーブ・ジョブスと十年以上に渡って共に仕事をした経験から、いかにしてアップルは躍進したのか。
そしてその躍進のキーワードである「シンプル」という哲学について10の要素に分けて実際のエピソードを交えながら紹介されている。
マーケティングの観点での話が多いのは確かであるが、
マーケティング以外の仕事をしている人にも「シンプル」という考え方はより良い仕事をより効率的に行っていくために大きなヒントとなる。
また、私生活においてもこの考え方は大きく役立つのではとも思った。
思ってたより読むのに時間がかかったけど、その分感じることも多かった今回は以下の3項目に分けて書いていきたいと思う。
1. 読書後、雑感
2. 仕事に、私生活に活そうと思うところ
3. 本書をおススメしたい人
それでは今回もお付き合いください。
1. 読書後、雑感
強く感じたのは、シンプルに考えるって簡単そうに思えて一番難しいということ。そしてそれを突き詰めることこそが最も大切であること。
冒頭に明白な事実としてこのような記述がある。
人間はシンプルさを好む=「選択肢を与えらえれたときに、正常な人は複雑な道よりもシンプルな道を選ぶ」
たしかにそうだし、多くの人が同意すると思う。
ただ実際に日々生活していると、多くの人が自分から事象を難しくしていたりするシーンをよく目にするし、自分にも心当たりがある。
例えば、最初に結論を言ってしまえば相手に簡単に自分の言いたいことが伝わるのに、
先に背景や原因をダラダラと話してしまうばかりに結局何が言いたいの君は?状態になってしまうとか。(例えが微妙かな)
じゃあなんでどの企業も人々もシンプルさを真似しないのか。
それは簡単でなはいし、真似られないから。
本書に記載されている「シンプル」の10の要素は下記となる。
1.Think Brutal -容赦なく伝える-
2.Think Small -少人数で取り組む-
3.Think Minimal -ミニマルに徹する-
4.Think Motion -動かし続ける-
5.Think Iconic -イメージを利用する-
6.Think Phrasal -フレーズを決める-
7.Think Casual -カジュアルに話し合う-
8.Think Human -人間を中心にする-
9.Think Skeptic -不可能を疑う-
10.Think War -戦いを挑む-
この文章で上記10項目について説明するつもりはない。なぜなら、説明すればするほど文章が複雑になるし、興味がある方にはぜひ読んでほしいので。
おそらく、本書が一番伝えたいのは、Appleの有名なCMにも使われたフレーズで本書の最後にも言及がある、
「Think Different -物事をまるで違う目で見る-」ようになるべきであること。
シンプルさを突き詰めればThink Differentにたどり着くことができる。
そうしてアップルは世界一のテクノロジー企業となったと。
シンプルさを突き詰めれば物事を違う目で見られるようになるというのは面白い発想だなと思った。
大抵、周りと違うことを考えたり実践しようとすることは、複雑で難しいことをする必要があると思いがち。
ただ、前々回雑感を書いた「10年後の仕事図鑑」を読んだときに堀江貴文と落合陽一に共通して感じた、
「ひたすらに自分が好きなこと・周りの人のためになりそうなことを愚直に信念を持ってやり続けている。」
これってつまりはシンプルさを突き詰めた証だし、
同じように同著に記載されていた
「イチローは誰でもできることを誰にもできないほどの量を継続したから結果を出せた」
これもシンプルなことを突き詰めた結果、イチローは物事をまるで違う目で見られるようになったということ。
周りと違う視点や成果を求めるのあればシンプルなことを突き詰める。
シンプルを突き詰めるより先に周りと違う方法や視点を得ようとすると複雑になり、迷走してしまう。
これに尽きるのかなと、そんなことを感じた一冊でした。
シンプルに物事を考える方法はぜひ本書を読んで確認してみてください。
2. 仕事に、私生活に活そうと思うところ
僕自身は物事について色々と考えることがとても好き。(ついでに、頭はよくないことも付け加えておきます。)
どうすれば上手くいくのだろうとか、どうして失敗してしまったのだろうとか。
ただ、考えすぎるあまり、多くを付け足し過ぎてしまうことも事実。
そのため必要以上に難しいことに取り組んでしまったなと感じることもいくつもある。
特に仕事においてはこれがよく当てはまる。
もっとシンプルに考えるにあたって取り組みたいのはこれ。
-目標に対してのプロセスの簡素化-
一つの期だったり半期だったり、はたまた一年・三年の目標に対して、
それを達成するためのプロセスを考えすぎて増やし過ぎてしまうのでその項目が逆に自分の負荷になることが暫し発生する。
その度に方向転換を行うけど、そもそも最初の時点で無駄なものを排除しシンプルにしておけばこのようなことは最小限に抑えられる。
これはゴルフでもそうかな。
まあ、目標から逆算したプロセスをあれこれ考えるのが楽しかったりもするんだけどね。
3. 本書をおススメしたい人
それでは最後に本書をオススメしたい人。
-人とは違う成果を出したい人-
これに尽きます。
別に仕事に限った話ではありません、趣味でもいいし、かわいい彼女を作りたいでもなんでもいいと思います。
ただ、これ(周りと違う成果を出したい)を考えている人ってそれが当たり前だと思いがちだけど、実際はそんなことないです。
周りと同じようにそこそこの成果を出せれば良いやって思っている人も大勢います。
決してこれが悪いことだとは思いません。それぞれの価値観だし、周りと違う成果を出さなければいけないルールなんてどこにもないですから。
それでも周りより違う成果を出したい、抜け出したいと思う人は読んでみてください。
きっと、今行き詰っている物事がシンプルに見えてきます。
今回はここまでです。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
また次回もぜひお楽しみに!
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