記憶 - Architecture
「人間は建築がなくても、生活したり、礼拝することはできた。しかし建築なしに過去の記憶を蘇らせることはできない。」ー John Ruskin
私が最も大好きな言葉である。私が建築という媒体にこめる想いは人間が生きた証である記憶をいかに受け止めるかということである。
そして、受け止めた記憶が建築のあるエレメントによって、プルースト的な「無意識的想起」される。その時、人間は至高の体験が出来ると考える。
私がそのような体験をしたのは、安藤忠雄設計「夢舞台」である。
「彼(安藤忠雄)は心や感覚、体に響き、無意識のうちに記憶に作用し得る、根底にある秩序を捜し求める。」ー William J. Curtis
歴史家カーティスの言う「根底にある秩序」を獲得すれば、建築内部に記憶を蓄積する力を得る。
この「根底にある秩序」を考えていきたい。