冷蔵庫の無い歌
今は夏休み。
家族4人(息子3歳、娘1歳)揃って、東京から実家に車で帰る。
夕方になり、日も暮れてきた頃、
新東名で岡崎に入りかけた
トンネルの中で
車のメーター画面に
「電気系統異常」の点滅が出る。
助手席にいた妻と顔を見合わせる。
「えっ!」
やばい。。
トンネルを出て路肩に車を止める。
車は動かなくなり、ハザードランプも徐々に消えていく。
外は真っ暗になり後続車が怖すぎる。
ひとまず、息子と娘を車の外に出して、
ガードレールの中へ。
(たまたまガードレールがある場所だったのが幸運)
息子も娘も何が起きているか
わかってるようで
わかるはずもなく、
外は真っ暗で、少し不安気味。
パパとママはかなりの不安と焦りに
襲われてる。
パパはすぐに保険会社に電話し、
ママは、車の中にあったバスタオルで娘を巻き、抱っこしながら授乳。
パパとママが冷静さを失っている中、
息子がふと一言。
「ママ、冷蔵庫の無い歌をうたおう!」
この当時よく歌っていた
「冷蔵庫の無い歌」。
(今ではもう思い出せないけど、
当時息子が作詞作曲した歌である)
息子につられて、
高速道路の路肩で
パパとママも笑顔で歌う。
ここで笑顔を作り出す
息子に感謝で、笑いがこみ上げる。
こんな経験も、まっ、いっか。
そう思えてくる。
息子が
パパとママに冷静さを
取り戻してくれたのだ。
それから30分後、
大きなレッカー車が来ると
息子は大喜び。
家族みんなでレッカー車に乗り、
修理工場へ直行。
その後、タクシーに乗って2時間、
実家へと向かう。
そのタクシーの中で息子が一言。
「パパ、
(実家にいる)おばあちゃんが
心配して泣いちゃうから
着いたら起こして」
と言って、すぐ寝てしまった。
パパとママは顔を見合わせ、
息子の寝顔を見る。
心がほんわか暖かくなった
夏の日の夜だった。
〜2014年8月23日(3歳9ヶ月)〜