美人姉妹の弟の苦労4
「めっちゃ美人じゃない?」
「モデルさんかな?」
周りからジロジロ見られ小声で噂をされる
菜緒(いやだな、目立ちたくないのに)
学校に行っても同じ注目される
昔は元気っ子で輪の中の中心にいた、歳を重ねるにつれ友達も成長し話題についていけなくなって輪から外れてしまった
それからどれだけ目立たない様に生きるかを意識するようになった
学校に着きクラスに入ると
美玖「やっほー」
ひより「おっはー」
昔からの友人で陽の金村美玖と濱岸ひより
菜緒「おはよう」
美玖「見てみてこの前撮った写真」
菜緒「わぁ綺麗」
ひより「ね!めっちゃ綺麗」
美玖「休みの日に行った湖がめっちゃ良くてさ〜」
ひより「いいなぁひよたんも癒されたい」
美玖「そういえばこの前サッカー部のキャプテンに告白されてたじゃん!」
菜緒「そうなの?」
ひより「え、なんで知ってるの?」
美玖「吹部の部室から体育館裏は丸見えなんだよ」
サッカー部のキャプテン、ただでさえ陽キャの部活でキャプテンなんて陽キャの中心的人物に告白されたひより
付き合う事に問題はないがここで振ったとしたら結構な問題になる
美玖「で、返答は?」
ひより「好きじゃないから無理って断った」
菜緒美玖「え!?」
菜緒「その振り方大丈夫?」
ひより「何が?」
美玖「何にもされてない?」
ひより「うん、帰り際泣いてたけど」
衝撃的な振り方をしたひより
問題が起きない事を願う菜緒美玖
ーーーーー
放課後授業が終わりクラスメイトが部活や帰宅でどんどんと教室から居なくなっていく
菜緒「ふぅ」
ひよりに特に問題がなく良かったと安堵していた
美玖「じゃあね、菜緒」
菜緒「うん、吹部がんば」
美玖「ありがと!バイバイ」
菜緒「バイバーイ」
バレー部の菜緒は美玖がいなくなってから教室を出る
体育館に入り女子更衣室で着替えを終えると
ひより「ですから、先輩の事知らないのでって断ったじゃないですか!」
キャプ「あんな振られ方初めてでビックリしたけど諦めきれないんだよ、絶対ひよりちゃんの事幸せにするからさ、ね?」
体育館裏で悪い予想の出来事が起きていた
するとすぐに美玖から連絡が入った
美玖L「ひよりヤバくない?大丈夫かな?」
菜緒L「結構しつこく付き纏われてる感じ」
美玖L「先生に言った方がいいよね?」
どうしたらひよりを助けれるか考えていると
ひより「きゃっ、ちょっと離して下さい!」
キャプ「なんで!なんでなんだ!俺は一軍なんだぞ!サッカー部のキャプテンで周りからチヤホヤされてる俺に何の不満があるんだ!」
サッカー部のキャプテンの暴走が始まった
菜緒(どうしよう、ひよりを助けたいけど)
菜緒「先輩!やめて下さい!」
何も考えずに咄嗟に出てしまった
菜緒「全部動画撮ってあるので先生に報告します!ひよりから離れて下さい!」
キャプ「あ?そんな脅し聞くかよ!消せば問題ないんだよ!」
ひより「菜緒!」
ひよりから離れたと思ったら菜緒を突き飛ばしスマホを取られる
菜緒「きゃっ返して下さい!」
キャプ「ちっパスワードかけやがって」
スマホを地面に叩きつけ踏み潰され壊される
菜緒「あ…」
ひより「なんてことを!」
キャプ「これで証拠隠滅完了」
??「まだできてませんよ〜」
キャプ「あ?」
3人の後ろには〇〇が堂々と立っていた
菜緒「〇〇…」
〇〇「動画しっかり撮ってまーす!拡散拡散っと」
キャプ「なんだてめー1年が出てくんじゃねえ!」
〇〇「暴力ですか?すぐ、暴力ですか!?」
〇〇に向かって突進して胸ぐらを掴む
キャプ「どいつもこいつもうぜーんだよ!」
〇〇「姉ちゃんを傷つける奴は許さねえよ?」
煽っていた顔から一気に殺気に満ちた顔に変わる
キャプ「は?」
その瞬間、顔面が崩れる程の衝撃が走る
キャプ「痛い!!イタタタ…はぁはぁ」
〇〇「何が痛いだ?腑抜けた事言ってんじゃねえぞ?」
キャプ「ひ…誰か、誰か助けて」
それから馬乗りになり何度も何度も顔を殴り続ける
衝撃的な場面にただ見ている事しかできない2人
菜緒「…〇〇…〇〇!」
ひより「も、もうやめて」
2人の声が聞こえない程夢中で殴り続けてる
誰も止められないでいると
史帆「おらあ!!!〇〇!!!!!」
〇〇「あ?」
史帆「お前殺す気かああああ!!!」
〇〇の背中に向かってドロップキックで蹴り飛ばす
〇〇「いってーな!こいつ菜緒姉ちゃんの事傷つけたんだぞ!」
史帆「だからってここまでする必要ないでしょ!シッコ漏れてるじゃん!」
菜緒(それは言わないであげて)
〇〇「漏らそうが関係ねえよ!こいつは許さん!」
史帆「馬乗りになってたって事はシッコが…」
〇〇「あ?ま、まさか…」
恐る恐る尻に手を当てると湿っていた
〇〇「てめえ!!制服についたやろがあぁ!」
史帆「あはは、お漏らし〇〇〜」
〇〇「俺は漏らしてねえ!!」
あれだけ殺気立っていた雰囲気が長女の助けによって和む
史帆「よし!キャプテン!先生の所行こうか!」
〇〇「ダメだ!」
史帆「〇〇は菜緒とひよりちゃんをちゃんと家に送りな、あと動画送っといて」
〇〇「ったく、良い所取りやがって、今送ったよ」
史帆「素直でよろしい〜お漏らし坊主」
〇〇「俺は漏らしてねえっ!!」
意識が戻ったキャプテンを立たせ職員室に向かう史帆
〇〇「大丈夫か?姉ちゃん」
菜緒に駆け寄り安否を心配する
菜緒「ありがと」
〇〇「ひよりさんも…っと」
振り返りひよりの安否も確認しようとすると
振り返り様に抱きつくひより
ひより「ありがとう…ありがとう」
菜緒「怖かったな、よく1人で頑張ったね」
ひより「菜緒も本当にありがとう!」
涙目の笑顔で2人にお礼をするひより
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そしてサッカー部のキャプテンはというと動画が証拠となり退学となった
〇〇はというと
史帆「判決を言い渡す」
〇〇「いいよ、どうせ退学だろ」
史帆「被告人は私語を慎みなさい」
〇〇「菜緒姉ちゃん、こんなふざけて聞く事じゃないって」
菜緒「まあ、聞いてあげて」
史帆「被告人〇〇は5日間の停学とする」
菜緒「な?」
〇〇「退学じゃないの?」
史帆「暴行は酷かったけど人を助けたって事で停学にしてもらった〜」
菜緒「史帆ちゃんが直談判して頑張ってくれたんだよ」
〇〇「マジで、ありがとう!史帆姉ちゃん!」
史帆に抱き付く〇〇
史帆「よくやった!〇〇!」
〇〇「もう人生終わったと思った〜」
史帆「まあ当分は周りから変な目で見られるでしょ」
〇〇「だよね〜」
菜緒「菜緒がおるから大丈夫よ」
〇〇「ありがとう!菜緒姉ちゃん!」
史帆「ししもおるけど〜」
3人仲良く戯れ合いながら笑うのであった