櫻坂46東京ドーム公演に感動したケヤカスの考察
櫻坂 46の「4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?」東京ドーム公演本当に素晴らしいライブでしたね。
欅坂結成時から推し続けているライトファンですが、長年ライブを見続け来た中でも屈指の素晴らしいライブだったと思います。
全員がMVP
ライブをいつも観に行く連れとライブ後に「今日のMVP は?」とお互い聞き合うのが定番になっています。いつもは大体そのライブの中で印象に残っているパフォーマンスがいくつか出てきて、メンバーの名前が何人か出てくるのですが、今回は良い意味で違いました。
オープニングからエンディングまで一貫して素晴らしい クオリティで、「好みの」パフォーマンスはありますが「抜けて素晴らしかった」パフォーマンスが無く、全てが素晴らしかったのです。
メンバーの顔もアー写を見ているかの如く、様々なメンバーのパフォーマンス時の顔が思い出され、とても一人を、数人ですら選ぶこともできない状況というのは、過去欅坂のライブから数えきれないほどライブ参戦している中で初めての経験でした。
掛け値なく「全員がMVP」と言って差し支えない素晴らしいライブでした。
全体のレベルアップ
こう言えるようになったのはグループ全体のレベルが大きく上昇しているからで、特に三期生による効果が計り知れません。
三期生が加入したのは 1年半前の東京ドーム公演の前のタイミングで、本格的に活動を始めてから1年半ほどしかたっていない中で、今回の公演のような クオリティでパフォーマンスができるのは、坂道の過去を振り返っても相当に早い部類ではないかと思います。特に世代交代のSlowさが課題と勝手に感じている坂道Gの中で最も成功している例に感じます。
言葉を選ばずに言えば、新加入メンバーのライブ参加は「フレッシュさ」を打ち出す演出に使うか、「アイドル性」を全面に押し出すか、プラス何名かの限られたメンバーが「元々のメンバーの中に入る」というような形が一般的と言えますが、そんなものをすっかり通り越して、完全にライブの重要な一部として機能していました。アイドル加入後1年半で「静寂の暴力」のパフォーマンスが披露できるのはちょっと信じられません。
「新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za」を観た限りではライブパフォーマンスでは山下瞳月が三期生の中では一歩抜きん出ている印象でしたが、山下瞳月の凄さが際立つ、という変な目立ち方は全く無く、三期生全体としてのレベルが上がっていて、ライブを見た人の記憶に刻まれる伝説的なパフォーマンスでした(何度LOVE SONGの歌詞を読み返しただろうも良かったですよ!)
そして先輩メンバーも明らかに三期生から刺激を受けていると思うし、いい意味での競争意識がうまれていて全体の向上心が半端なく上がっていると思う。典型的なのは幸阪茉里乃の「脱・地蔵」宣言だけど、今回の公演のパフォーマンス・表情、MCでハキハキ喋る姿が見れてとても嬉しかった。
次のBacks LiveでBacks Memberがどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか楽しみでしょうがない。
エンタメとコンセプトとアイドル性
今回のライブは東京ドームという会場に沿った選曲で、コンセプトはどちらかといえばカッコいい系に(ユニットを除いて)ほぼ統一されていて、さながらロックコンサートのような音響だった。
会場を虜にしたオープニングの天様降臨からのゴージャスな演出(櫻坂のオープニングでは過去イチ良かった)、階段を降りてくる王子様衣装を身に纏ったメンバー(宝塚感いや共和国オマージュなのか)、「何歳の頃に戻りたいのか?」から「摩擦係数」まで息つかせぬカッコ良さを披露し、 Dead Endのオープニングで森田ひかるがオタクを虜にしてきて、、、と一曲毎の感想は別の機会で書くとして、客の盛り上がりと首尾一貫したカッコ良さと「パフォーマンスで魅せる」という強い信念があるコンセプト性が完璧に両立していた。
欅坂のライブは平手演出が強いライブでは特に「コンセプト」に強く寄るところが大きく、一つの「作品」を観ているという意識が強かった。個人的にはそういったライブが好きであることもあり、純度の高いケヤカスに見事になって成仏しそうでしない状態なのだが、基本的には「作品」に寄り過ぎると、ライブの「盛り上がり」を削る傾向にあってともすれば「芸術」方向にいってしまう、逆にするとライブは盛り上がるけど、特に面白みのないファンとオタクが喜ぶだけのライブが出来上がる。
目指すべき方向はその両立なのだが、これは言うは易し行うは難しの典型で、ぶっちゃけアイドルのライブであれば後者をやる方が圧倒的に楽だと思う。アイドルが「表題曲盛り上がりナンバー→可愛いアイドルソング→オタクが喜ぶ「わかる人にはわかるよね」演出やユニット→ちょっとcool系も挟んで→表題連打でクライマックスへ」みたいなライブやればファンとオタクはなんの不満もないし、別に自分も不満もない。
欅坂から櫻坂にかけて(一部例外を除き)一貫しているのは、この両立を常に試行錯誤しながら目指していることで、そこが好きなところでもある。やはり櫻坂結成してしばらくは曲のラインナップも少なかったこともあり、非常に苦労していた印象がある。でもここで諦めずに両立を志向し続けていたのが、ケヤカスの心をつなぎとめてくれて、2022年「2nd TOUR 2022 “As you know?”」はそれが一つの成果になって現れたライブだったと思う。
摩擦係数という(若干欅成分高めな)良い曲を基軸にレパートリーが増えたことでやれることが広がり、客入りのことがとかく話題になりがちな2022東京ドーム公演であるが、ライブの内容そのものが大きな期待感を与えてくれた、とても良いライブであったと思う。
三期生のドキュメンタリー動画でTAKAHIRO先生が「櫻坂のAs You know?のコンサートを見に来てくれた人はいるのかい?」「あのコンサートを超えるものをみんな目指して」と最初に語りかけているシーンがあり「そうそう」と一人うなずいてたことを思い出す。
https://www.youtube.com/watch?v=c-wfMmYnaHk&t=120s
曲の再評価・再解釈
2022年「2nd TOUR 2022 “As you know?”」ツアーの後の櫻坂ライブで特筆すべき点は、曲が再評価されたり、新しい解釈が提示され、過去の様々な曲の色彩を鮮やかにし続けている点があげられる。
Nobody’s Faultも(個人的には)なかなか位置付けが難しい曲だったと思うが、3rd Tourで(だったと思うが3rdアニバだったかもしれない)再評価した人が多かったと思うし、なにより個人的に衝撃で且つ強く懺悔したのは「桜月」だった。
小林由依卒業コンサートで小林由依が提示した「桜月」の演出は個人的には櫻坂史上最高の一つに入る演出で、これほどまでに美しい曲であることを初めて認識して、突如櫻坂マイベストソング上位に食い込んできた(ナスカさん守屋麗奈さん本当にすいません)。今回の東京ドームの桜月も美しい演出で鮮やかに彩られ、守屋麗奈の表現力もどんどん上がっていると思う。
挙げればキリがないが「マンホールの蓋の上」ってそんなイケてるライブナンバーだったの!?とか毎回新鮮な驚きがあるのが楽しくて仕方ない。
アイドル性との三本並列
今後の櫻坂には期待しか無いわけであるが、見たことがないという意味では、やはり「アイドル性」「エンタメ性」「コンセプト」の三本を同時に成立させて欲しい。
単に夏の近道とかブルームーンキスとか確信的クロワッサンとかのアイドルソングゾーンを間に挟むとかいうわけではなくて、前後のつながり、全体のコンセプトの中に入り込むような形のライブが観たいなと高望みしてしまう。
今の櫻坂なら次のアニバーサリーライブで簡単にやってのけるのではと期待してしまう。
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