中学受験vs高校受験!結局どっちを選んだらいいの?
こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。
最近よく、中学受験と高校受験、どちらを選んだらいいのかと言うご質問を頂きます。
そんな悩みを抱えたことはありませんか?
私はこれまで中学受験と高校受験、両方の指導をずっと続けてきましたので、今日はそのことについて書いてみたいと思います。
中学受験 vs 高校受験 の2つの悩み
中学受験と高校受験の選択に迷う人の多くは、大きく分けて2つの理由(悩み)をお持ちなのではないかなと思っています。
そこで本日は、以上の2つの悩みについてどのように考えていけば良いのかについて、一緒に考えてみましょう。
毎度のことながらお断りしますが、こうした質問に対して正解など存在しません。
したがって今日私がお話しする内容ももちろん、1つの考え方に過ぎません。
最終的にどのような選択をするのかについては、各ご家庭によって事情も異なりますし、価値観も異なるわけですから、保護者自身が責任を持って決断するしかありません。
その意味で私は、今回のこのブログが1つのヒントになればいいなと言う程度の思いで書いています。
その部分をしっかりご理解の上、読み進めてもらえたら嬉しく思います。
私立中なら6年間のびのび過ごせていい?
まず一つ目の、受験がなく6年間のびのびと暮らせる環境を与えたいと言う点では、確かにそのメリットは確実に存在します。
また中高一貫校であれば、大学入試の対策をしっかり行っている学校もありますから、そういう点では親としては安心でしょう。
ただし、この安定した環境と言うのは、別の側面から見ると、子供の大きな変化には対応できないと言う意外な弱点があることもわかると思います。
言うまでもありませんが、子供と言うのはその成長の過程で、たくさんの変化を見せるものです。
したがって子育てをしているときには、その子供の変化にうまく対応した環境を与えるということが1つのポイントになるのではないかと私は考えています。
この点私立中学は往々にして、一定の明確な方針(校風)のもとに運営されているのが普通です。
逆に、そうしたものがない学校は、私立中学としてはあまり魅力がないように映ることでしょう。
入学した当時、子供にとってぴったりな環境だと思っていたとしても、学園生活を送るうちに、子供が変化していって、学校の校風に合わなくなるということはよく起こります。
その時中高一貫校の場合、方向転換をするのも難しくなると言うデメリットがあると言うことです。
この点をどう考えるのかというのが、安定した環境を与えるということの選択には隠されているのではないかと思います。
私個人としては、6年間同じ環境で育てるということは、実はあまりメリットを感じません。
これはもちろん私個人の考え方ではありますが、このような変化に対応できなくなると言うデメリットに加えて、中学受験のために莫大な時間とお金を費やさなければいけないと言うデメリットも、計算に入れると、全体として私はメリットがデメリットを上回るとはなかなか思えないのです。
そしてそのような時間とお金を中学受験に費やすぐらいなら、私であれば未来を見据えて、子供の習い事や留学に回すかなと思います。
だからこそ、私自身は、我が子に中学受験と言う選択がない環境を与えたいと思ったのですが…。
もちろんお金も時間も無限にあるような方であれば、受験に十分な投資を1つ、私立に入ってからも、習い事や家庭教師、そして必要に応じて、長期の留学など何でもありな選択ができると思いますので、このような心配は無用だと思いますが(笑)。
公立中の教育は質が低い?
さて、2つ目の「公立中の教育の質が心配」について考えてみたいと思います。
この公立中学の教育の質が心配と言う考えをお持ちの保護者の方は、基本的に大学受験を一般入試で検討されていると言うケースがほとんどだと思います。
確かに一般入試だけを見据えるって考えるのであれば、大学入試から逆算した教育システム(悪く言うと、予備校のような教育システム)を取り入れている私立中高の方が合理的だと言うのは間違いありません。
ただ現在の大学入試の数字を見ると、一般入試で入学する生徒の割合はどんどん減少してきており、変わって、総合型選抜や学校型選抜といった推薦入試で入学する生徒の割合が増えてきています。
このような状況下にあって、一般入試を最優先に考えると言うのも、私個人としては少し疑問に思います。
私自身、一般入試はもちろん、総合型選抜の指導もさせていただいているのですが、総合型選抜で大学に行った生徒の方が、大学入学後の成績も良く、卒業後の進路も自分の意思や希望に基づいて、しっかりと選択できているように思います。
これもまた別の機会にお話しできればと思いますが、一般入試で合格した生徒の多くは、大学入試時点でも燃え尽き症候群になっている生徒が多く、大学入学後は受験勉強の反動から学習意欲が大幅に減退し、4年間遊びまくってしまうと言う学生が相変わらず少なくありません。
また一般入試で合格した生徒は目標がないことが多く、就職活動においても、相変わらず昭和的な「会社の安定性や福利厚生等を重視」といった後ろ向きな理由で、企業を選択する傾向が高いように感じます。
一方で総合型選抜で入学した生徒は、学力的には一般入試の生徒に劣るかもしれませんが、目的を持って大学に入学するため、入学後の学習意欲も高く、進路決定への意識も高いと感じています。
つまり、大学入学時点で将来の進路を考えた上で学部や大学の選択をしていますので、その目的に応じて4年間学習し、望んでいた進路に進むと言う生徒が少なくないということです。
この視点から考えると、総合型選抜入試で大学に進学していく方が、将来に向けては有利な点が多いのではないかというのが私個人の感想です。
そもそも日本の一般入試スタイルは、世界の大学の選抜方法としては、特殊な部類に入り、むしろ総合型選抜の方が欧米型大学の選考方法と合致する点が多いものです。
ここは意見が分かれるところだと思いますが、私個人としては一般入試型と言うのは、次第に枠を減らしていって、最終的には欧米大学の入試スタイルと同じ総合型選抜が大学入試の主流になっていってほしいと願っています。
さて、私の願いはさておき、日本でもこの総合型選抜等の推薦入試が増えていっていると言う観点から考えると、もはや一般入試で有利だからと行った理由で私立中学を選ぶと言うのは、あまりメリットのないことではないかと思っています。
小学校の多感な時期に中学受験のために好きなこと取り上げるのではなく、逆に好きなことに好きなだけ没頭させて、それを将来の進路につなげていけるような活動をサポートする方がずっと、未来の役に立つと思うのです。
またこの総合型選抜等は、こうした自分独自の活動を続けていくこと以外に、英語等の各種資格取得や、学校の内申もとても重要な選考基準となります。
その点でもライバルの多いレベルの高い私立中学に行くよりも、公立中学や自分のレベルに合った公立高校に行った方が無理なく通え、自分の好きな活動も続けていけますし、資格取得の時間も十分にあり、さらに余力を持って高い内申を取得することもできるのではないかと思います。
まとめ
以上のような内容を全て考慮すると、私は多くの方には、中学受験よりも高校受験の方が向いているのではないかと個人的には思っています。
子供の成長を親自身がじっくりと見守ることができますし、何よりも無理なく、自分の好きなことに没頭することができるということが大きなメリットです。
もちろん中学受験に向いている生徒さんもいますので、一概にすべての生徒に当てはまるとは思っていません。
または私個人の意見ですので、異なった意見があるのももちろん良いことですよね。
今回の私のお話が、少しでも中学受験と高校受験の選択のヒントになったら嬉しく思います。
なお回答できる内容のご質問に対してのみ、このNote上でお答えしていくつもりです。
全てのご質問にお答えできるわけでないので、あらかじめご承知おき下さいね。
たくさんのご質問、お待ちしています!