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英語教材の選択肢生成にChatGPTを導入した話



はじめに

初めまして。株式会社mikanの新垣です。
現在コンテンツチームに所属しており、英語教材制作の効率化・仕組み化や分析、教材管理画面の構築・運用などを担当しております。
4日目は ikkunによる Androiderとして久々のアプリ開発に感じた楽しさと挑戦 でした!
こちらの記事ではikkunがAndroidチームにジョインして1年で取り組んだことについて書いてくれています。mikanのAndroid開発に興味ある方はぜひ読んでみてください!
この記事は mikan Advent Calendar 2024 5日目の記事です。
この記事では、英語教材の選択肢の生成にChatGPTを導入したことについてお話ししたいと思います。


mikanの教材コンテンツについて

mikanでは、現在400冊以上の英語教材を学習することができます。
コンテンツチームでは出版社と提携した教材をmikanで学習できるようにデータに落とし込んで、データベースに入稿する作業を主に行っています。
基本的には出版社から提供していただいた教材を元に制作を行うのですが、データに落とし込むにあたって、mikanで学習できるように入稿データを揃える必要があります。
mikanでは単語教材の四択テスト学習が可能ですが、通常の書籍では選択肢はありません。
コンテンツチームの制作ディレクターは、音声の制作や誤答選択肢の生成も含めて、制作教材にミスがなく、ユーザーがより良い学習体験ができるように制作を行っています。


ChatGPTを導入した経緯

mikanでは英単語と例文に対して4択テスト形式で学習が可能です。
出版社から提供された単語教材には通常選択肢はないため、これまでは自社で作成した選択肢生成のプログラムを使ってました。
しかし、自社で作成した選択肢生成プログラムにいくつかの課題があり、別方法での選択肢生成を検討していました。

単語誤答選択肢生成の場合

その選択肢生成のプログラムでは、ざっくりと言うと、ある単語に対して同教材内で同様の品詞の単語が誤答選択肢として生成されます。具体的には、run(走る)という英単語に対して、同教材内の動詞の英単語が選択肢として生成されるイメージです。
このようにみると単純に見えますが、さまざまな英単語、英語表現に対して適切な選択肢を用意するのはとても大変なことです。
例えば以下の英単語(attribute A B)に対しては、誤答選択肢にA Bを含むようなものを含める必要があります。このような特殊記号を含む英語表現の場合は、その記号を使って誤答選択肢を作らないと、誤答選択肢を見ただけで答えではないとわかってしまいます。
教材によって特殊記号の表記は変わるため、全てのパターンを考慮して、ロジックに落とすことは不可能に近く、多くは手動での修正を必要としていました。

例文誤答選択肢生成の場合

例文の誤答選択肢はさらに大変です。
例文の選択肢となると、文章の前後によって、語形が変化してしまいます。
これまでは自社で例文に対応する選択肢生成方法がなく、実際に生成した英単語選択肢を人の手で例文に合わせて語形変化をさせていて、かなりの制作工数がかかっていました。
以下の例文(Why are you ——?)に対する選択肢を生成する場合、答えである make a fuss という表現に対して、誤答選択肢の生成(make a wish, make an effort, make an excuse)を行い、その後、例文に合うように語形を変化させるイメージです。

ChatGPTでは選択肢生成においてロジックにしづらい部分であっても、ざっくりとした大まかな指示をするだけで、文法のルールなどを補って選択肢生成してくれることができると思い、試してみることになりました。


ChatGPTを導入してどうだったか

教材をデータ化する際にGoogle スプレッドシートを使用しているため、プログラム言語はGASを利用しました。
プロンプトの作成だけ色々と調整が必要ではありましたが、システム自体はGASを通して、発行したChat GPT のAPIに対して、プロンプトとともにリクエストを送るシンプルな構成です。

最初は選択肢の質に関して不安がありましたが、ChatGPTの新しいモデルの登場、プロンプトの改良につれて、実際にアプリの選択肢として使用できるまでになりました。
もちろん生成された選択肢には所々ミスはありますが、そこに関しては人の目による検収の工程を挟み、修正が行われます。

ChatGPTを通したシステムを導入することで、選択肢の語形変化の作業がなくなり、1冊あたり全体制作工程の25~30%ほどの制作工数の削減をすることができました。また人の手での語形変化の編集作業が減ったことによって、修正対応が必要な箇所が少なくなり、選択肢の質の向上が見られました。

おわりに

いかがだったでしょうか。
今回は教材選択肢の生成にChatGPTを導入したことについてのお話しをさせていただきました。
コンテンツチームではユーザーに早くより良い学習体験を届けられるように、新たなツールであっても積極的に取り入れながら制作を行なっています。
今回の記事で少しでもコンテンツチームの取り組みやmikanの魅力が伝わっていたら嬉しいです。
さいごに、mikanでは一緒に英語学習をより良いものにしていくべくサービスを作っていく仲間を募集しています。ご興味のある方は、以下のHPよりぜひご応募ください。


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Kakki
最後まで読んで頂きありがとうございます。