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Negative Lab Proの基礎:色調整の軸となるカラーモデルとプリサチュレーション

前回の記事でも書いたNegative Lab Pro(以下、NLP)ですが、使い始めてから一ヶ月ほど経過しました。ネガフィルムを手軽に雰囲気良く変換できて、「もはやこれがないとデジタルデュープできないな」と思うくらいにはハマっています笑。

これまではネットで調べたオススメ設定を真似して、明るさ調整を少し行う程度でした。そろそろ、NLPのパラメータへの理解を深めたいと思ったため、今回は、NLPの「カラーモデル」と「プリサチュレーション」の2つのパラメータによる変化を確認してみます。

カラーモデルの違い

この記事を書いている時点で、NLP v3.0.2には5つのカラーモデルがあります。
後述のマニュアルにもありますが、色合い調整のパラメータですね。

実際の画面ではこんな感じで表示されます。
詳細は以下のマニュアルからの引用をご覧ください。

カラーモデル (Color Models)
カラーモデルは、プロのラボスキャナーでのみ得られるクラシックな色合いに、スキャンを近づけるのに役立ちます。

Basic:このカラーモデルは、より中立的な色再現を提供します(ラボスキャナーを模倣したくない人や、色の正確さに興味がある人に適しています)。

Frontier:富士フロンティアスキャナーに基づいたカラーモデルです。このモデルは、美しいティールブルー、ゴールデンイエロー、およびフィルムに広く関連する暖かい色合いを生成します。

Noritsu:このカラーモデルは、富士ノーリツスキャナーに基づいています。フロンティアスキャナーの多くの特性を共有していますが、一般的にそれほど暖かくはありません。

B+W:白黒スキャンを行う場合(またはカラーネガを白黒に変換したい場合)には、このモードを使用します。

None:これは、カラーモデルセクションによって影響を受けるすべての設定をオフにし、Negative Lab Proを開く前のプロファイルに戻します。これにより、自分のプロファイル、キャリブレーション、カラー設定を使用したい場合に便利で、NLPが既存の設定を上書きしないようにします。

https://www.negativelabpro.com/guide/basics/#convert

なるほど…と言いたいところですが、言葉だけではイメージしにくいので、実際にNLPで変換してみます。

各カラーモデルを適用してみる

左上から、Basic→Frontier→Noritsu→B+W→None

モノクロはいったん置いとくとして、割と違った印象になることがわかってきたので、各カラーモデルごとに見てみます。

・Basic

少し赤が強い印象。
マニュアルでは「中立的」という言葉だったので、
デュープ設定か、カメラ特性か、フィルム特性などいずれかの(もしくは複合)要因で、
赤みが強く出ているのかも?

・Frontier

Basicより赤が少なく、
マニュアルに記載があったように温かみを感じられる色合いで、
個人的には一番好みの雰囲気です。

・Noritsu

FRONTIERより青が強めで、
マニュアルにあったように温かみというよりは、涼しげな雰囲気。
水辺や森などはこっちの方が合いそうかも?

・B+W

あえてモノクロにしてみたら思ったより好みの雰囲気に。
でも、やっぱりこのカラーモードはモノクロフィルムで使いたいですね。

・None

Basic以上に赤が強めに。
マニュアルにあったように「自分で調整したい人向け」なので、
僕はもう少し慣れてから使おうかなという印象です。

個人的にはFrontier と Noritsuが好みでした。色味が少ない写真での比較のため、人肌やカラフルな写真での印象は確認できていませんが、傾向はなんとなく掴めたと思います。これからデジタルデュープする写真の仕上げたい雰囲気によって、使い分けてみたいと思います。
BasicとNoneで赤みが強く出るのがどういった要素なのか掴めてないので、こちらもいずれ検証してみたいと思います。

プリサチュレーションの違い

続いてプリサチュレーションですが、こちらは彩度を調整するパラメータで1〜5までの強度で設定できます。マニュアルには以下のように書かれています。

プリサチュレーション
プリサチュレーションとは、変換前の元のネガの彩度レベルを変更することを指します。これは変換後の彩度レベルに影響を与えるだけでなく、色分離や色相にも影響を与えます。

デフォルト設定(3)から始めるのが良いでしょう。他のすべての調整を行った後、画像が少し過剰または低い彩度になっていると感じた場合は、変換を解除し、設定を変更して再度変換してください。

低いプリサチュレーションの効果は以下の通りです:
• 色分離が少なくなり、見える色相が減少
• やや暖かい色相
• 鮮やかさが低下

高いプリサチュレーションの効果は以下の通りです:
• 色分離が増え、色相の区別が明確になる
• やや冷たい色相
• 鮮やかさが増加

https://www.negativelabpro.com/guide/basics/#convert

こちらの検証は先ほどの写真で試したところ変化がわかりづらかったので、別の写真で変換しています。なお、カラーモデルは「Frontier」を利用しています。

各プリサチュレーション(強度)を適用してみる

左上から1→5の順番になってます。

彩度の変化なので、当たり前ですがだいぶ印象が変わりますね。こちらも強度ごとに変化を見ていきます。

・プリサチュレーション設定「1」

彩度と色相の感じなのか、普段カメラ屋さんでデータ化してもらった雰囲気のような印象。

・プリサチュレーション設定「2」

この写真に関しては、全体の雰囲気が一番好みの雰囲気に。

・プリサチュレーション設定「3」

こちらがデフォルト設定の状態。
この写真では少し彩度が高く感じました。

・プリサチュレーション設定「4」

なぜか、ビルと花がきっちり分かれて奥行きが出たように感じられて、
印象が変わったような気がします。

・プリサチュレーション設定「5」

さすがに彩度が高いですね。
ただ、こちらも不思議といい雰囲気に。

どの設定もいい感じになった気がします笑。
僕の好みとしては「2」の雰囲気が好きですが、「4」や「5」の彩度もパッと目を引く仕上がりなので、これはこれでありだなーという印象です。

検証する前は「なんだかんだデフォルト設定(3)でいいだろう」と思って、使っていたので意外な発見でした。

次回も引き続きNegative Lab Proの深掘りをしていきます

次回は、NLPのEditタブ(Tone Control関連)の設定に関して深掘りしていきます。

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