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国民負担率とは?実質的な負担も含めてわかりやすく解説

1. 国民負担率とは?

国民負担率とは、国民の所得(GDP)に対して、税金や社会保険料がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。国全体の「負担の重さ」を測る目安として使われます。

国民負担率の計算方法

国民負担率は、以下の計算式で求められます。

(税金 + 社会保険料) ÷ GDP × 100(%)

  • 税金(租税負担):所得税、住民税、法人税、消費税など

  • 社会保険料(社会保障負担):年金、健康保険、介護保険、雇用保険など

例えば、GDPが500兆円で、税金と社会保険料の合計が200兆円なら、国民負担率は 40% となります。

2. 日本の国民負担率はどれくらい?

日本の国民負担率は、約48%(2024年度見込み) と言われています。つまり、国民の所得の約半分は税金や社会保険料として徴収されていることになります。

日本の国民負担率の推移(参考)

年度 国民負担率 2000年 37.1% 2010年 41.7% 2020年 46.1% 2024年 48.0%(見込み)

近年、少子高齢化や社会保障の充実により、負担率は上昇傾向にあります。

国際比較:日本の負担率は高いのか?

国名 国民負担率(2022年時点) スウェーデン 約60% フランス 約55% ドイツ 約52% 日本 48% アメリカ 約33%

北欧諸国は税金が高いですが、教育や医療が無料のため、社会保障が手厚い特徴があります。日本も負担は増えていますが、まだ欧州の高福祉国家よりは低い水準です。

3. 国民負担率に入らないが、実質的に負担となる支援金とは?

国民負担率には 「税金」と「社会保険料」 のみが含まれますが、実際にはそれ以外にも 国民が間接的に負担しているお金 があります。特に以下のような「政府の支援金」や「将来的な負担」が挙げられます。

① 補助金・給付金(財政支出)

政府は企業や個人に対してさまざまな補助金や給付金を支給します。これらの財源は「国の借金(国債)」でまかなわれていますが、国債は政府の負債であり、国民の借金ではありません。 そのため、これが将来的に「税負担として国民に返ってくる」という考え方は誤解を生む可能性があります。

例:

  • 企業向けの補助金(ものづくり補助金、IT導入補助金 など)

  • コロナ給付金(持続化給付金、家賃支援給付金 など)

  • 子育て支援(児童手当、高等教育無償化 など)

② 財政赤字と国債の利息負担

日本は長年、**税収とは関係なく、国債を発行**して財政を運営しています。税は財源ではなく、経済をコントロールする手段の一つに過ぎません。国債は政府の信用をもとに発行され、政府の管理下で運用されるものであり、民間の借金とは異なります。よって、「将来の世代が負担する」という説明は誤解を生む可能性があります。

例:

  • 2024年度の国の予算は約112兆円

  • うち約26兆円が「国債の元利払い(国債費)」

  • 国債の管理は政府が行うため、次世代が直接的に借金を背負うわけではない

③ インフレ(物価上昇)による負担

国が大規模な財政出動をすると、市場にお金が増えすぎて**インフレ(物価上昇)**が起こることがあります。これは税金ではないですが、実質的な国民の負担増になります。

例:

  • 2022年以降、日本の物価が急上昇

  • 生活必需品(食品・エネルギー)の価格が上がる

  • 給与が上がらない場合、実質的な可処分所得は減少

4. 今後さらに増える可能性のある税負担

現在、日本ではさらなる増税の計画が検討されています。

例:

  • 独身税(独身者への追加課税。ただし、これは税や社会保険料ではなく、支援金の形をとる可能性があり、国民負担率には含まれない)

  • 走行距離税(車の走行距離に応じた課税)

  • ステルス増税(控除廃止や税制改正による実質的な増税)

  • 贈与税の廃止(相続税との一本化による増税の可能性)

  • たばこ税の引き上げ(健康増進を理由とした増税)

  • 退職金への課税強化(退職所得控除の縮小など)

これらを含めると、実際の国民負担率は 60%近くに達する可能性 があります。

5. まとめ

  • 国民負担率は「税金」と「社会保険料」の割合を示す指標

  • これ以外にも、物価上昇や公共料金の引き上げなど、実質的に国民の負担となる支出が存在する

  • 日本の国民負担率は約48%で、支援金や補助金を含めると国民の負担は計り知れない

  • 将来的にはさらなる増税の可能性があり、実質的な負担率は60%近くになるかもしれない

「負担がどこにあるのか?」を意識して、個人の資産を守る行動をとることが求められます。

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