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SDGs14 海の豊かさを守ろう

お疲れ様です。たくみです。

このような目標が掲げられるのは海洋環境の現状が芳しくないためです。

海洋環境は悪化の一途をたどり、いずれは持続的な開発が不可能であると考えられていることから、目標を掲げ、ターゲットをつくり取り組まなければいけない状況なのです。

では海洋環境はどのような状況となっているのか、ご紹介していきます。

(海洋汚染)
海洋汚染はかなり深刻な状況となっています。

その原因は様々ですが、8割は陸地からの影響であると言われ、二酸化炭素や農業及び工業排水、未処理の下水や油、栄養塩類、堆積物、海洋ごみなどが陸地から海に流れ込み、悪影響を与えています。

他にも漁業や養殖業、製造業、沿岸の観光業、港湾開発など多種多様な活動が海洋汚染に影響しているのです。
その海洋汚染は「海洋温暖化」「海洋の酸素欠乏」「海洋の酸性化」といった状態が見られます。

・海洋温暖化
地球では温暖化が進んでいますが、それは地表の温度だけでなく、海水の温度も上昇しています。

温室効果ガスが増えた影響で空気中の温度が上がりますが、海水も熱を吸収することになります。
そうなると海水温が上昇し、海流の変化を起こして海洋中の生態系に直接影響をおよぼしてしまいます。

また海水温の上昇によりサンゴを白化させてしまうため、後述の酸素欠乏や酸性化を助長することにもなりかねません。

・海洋の酸素欠乏
温室効果ガスによる海水温上昇は海流の変化だけでなく、水中に溶ける酸素の量が減少するために海洋の酸素欠乏も引き起こします。

また水生生物の代謝が活発化するため、より多くの酸素を消費することになります。
さらに、暖かい海水は上に冷たい海水は下に動きやすいため、表層と深層の水の循環が起こりにくくなり、深層に酸素が行き届かない現象も起こります。

そして、温室効果ガスだけでなく、海洋の富栄養化もこの要因となっています。
農薬などを含んだ土壌の流出などにより、海水内の肥料分や栄養塩類の濃度が上昇することで、植物プランクトンや藻が大量に発生
これにより日中は光合成により一時的に酸素は過飽和状態になりますが、夜間は生物の呼吸が増えるため酸素を大量に消費し、酸欠状態に陥ります。

これで死滅したプランクトンが大量に沈降すると腐敗や分解が進み、海底の酸素を余計に消費してしまうため、酸素欠乏を加速させることになるのです。

・海洋の酸性化
そして、酸性化も海洋汚染の中では深刻です。

海には熱だけでなく二酸化炭素も吸収されますが、この気体は海洋の酸性度を高めてしまいます。

酸性化の影響を受けるのはサンゴなどの石灰化生物であり、殻や骨格の生成能力は水の酸性度に左右されるため、酸性化が進めばそれらの能力が正常に動作しない可能性もあります。

2030年には世界のサンゴ礁の9割、2050年にはほぼ全てがこのような脅威にさらされると予測され、サンゴだけでなく、プランクトンや甲殻類などの生命、繁殖力、成長にも影響や被害がおよぶと考えられています。

食物連鎖が乱れれば、他の生物への影響も懸念されるため早急な対策が求められますが、二酸化炭素の排出量の削減には時間がかかっており、また削減できたとしても海洋中の酸性度が正常に戻るには多くの時間を必要とするために、容易ではないと言われています。

(出典:国際開発センター公式サイト)

・プラスチックごみ
プラスチックごみも海洋に大きな影響を与えています。
陸地でのポイ捨てや不法投棄などされたプラスチックを原料とする製品は川から海へと流れ込みます。

そして海洋ごみとして漂い、環境や生態系に大きな影響を与えてしまうのです。
例えばレジ袋などは海洋生物が餌と間違えて誤飲し、体内で詰まってしまうことがあります。
また釣り糸は生物に絡まることもあります。どちらも海洋生物を傷つけ死に至らしめることもあるのです。
さらに海に流れ着いたプラスチックは波などの影響を受け破砕されることで細かい粒子になることがあります。
他にも歯磨き粉や洗顔料に含まれるスクラブは5mm以下の細かいプラスチックであり、これが海洋に流れ込むことでマイクロプラスチックとして海中を漂います

マイクロプラスチックは北極から南極まで幅広く分布しており、環境や生物への影響が懸念されています。

(出典:国際開発センター公式サイト)
(出典:WWFジャパン公式サイト)

・海洋資源の減少
現在は水産物の需要が世界的に高まっており、加工や保存、輸送技術の発達によってより多くの魚介類が消費されるようになったことから、過剰な資源消費に陥っているのです。

また違法漁業や乱獲なども水産資源に被害を与えています。
これらの過剰な資源の利用が続けば、海洋資源は減少の一途を辿り、やがて安定的な供給どころか海洋資源が利用できないといった状況も生み出されてしまいます。

そのため国際社会による協調した資源管理は必須であり、現在の課題にもなっています。

解決策

SDGs達成のための一つの施策として、青いラベルにMSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)認証と書かれた「海のエコラベル」が貼られた水産物が売られています。

これらは海洋の自然環境及び水産資源の保全のもと取られた水産物であることを示すマークです。

海洋資源は適切な量を超えなければ、持続的に資源が得られ、かつ海洋環境や生態系を壊す可能性は低くなります。

そのため現在は漁獲量の時期や漁獲していい魚の大きさ、その際に使用する漁具の厳格化など、厳しい規定を設けることで環境や生態系を守っています。
そのような取り組みで厳正に漁獲し、水産資源や海洋環境を守って獲られた水産物という証なのです。

このような海のエコラベルが貼られている水産物を私たちが購入するようになれば、需要の拡大に伴い、より多くの漁業者がルールを守り、環境や生態系を守る漁業を続けていくことにもつながります。

水産物を購入する際は、この海のエコラベルが貼られたものを積極的に購入していくことも、私たちにできる海洋保全活動の一つです。

ターゲット

(14.1 )2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
(14.2) 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
(14.3) あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。
(14.4) 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
(14.5) 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
(14.6) 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。
**現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。
(14.7) 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
(14.a) 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
(14.b) 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
(14.c )「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

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