アインシュタイン全国ツアー「漫才シュタイン」
今年もアインシュタイン全国ツアーで舞台監督をさせていただきました。4月22日の大阪公演を皮切りに11月17日まで半年以上の期間を掛けてツアーを完遂しました。
例年とは違い今回は初めてオープニングVにプロジェクションマッピングを取り入れました。
動き出したのは、なんと昨年12月でした。
河井くんとのLINE
NGKで専門の業者さんに来てもらい本格的なプロジェクションマッピングをやる公演があったので、資料として河井くんに送ったらなんとタイムリーな!!
参考に送った予定が、そのまま実行!!
というのが去年の12月。
正直、専門の業者さんに来て貰うのはとても予算が掛かります。
なんとかそれを身近なスタッフで実現出来ないかと思案して、パソコン1台、プロジェクター1台、NGK以外の劇場でも出来るように仕組みを考えて、映像担当者に説明して、実験してデータをとって実現させました。
セットのタペストリー(幕)ですが、映像デザイナーさんには映像を射つから今回は淡い色でお願いしたり、初めての試みなので各都市でどんなトラブルがあるかわからないし、何かしらの理由でプロジェクションが出来ない場合のリスクも減らしておきたいので、センターのスクリーンと両サイドのタペストリーの映像は切り離して映像デザインをして欲しいとお願いしました。
要はタペストリーに映像射たずにセンターのスクリーンにだけ映像を射っても動画の意味が解るようにしておいて欲しいというお願いです。
映像デザイナーさんの凄いとこですが、全体でカッコいいけど、ちゃんとセンタースクリーンだけで必要な情報が完結しています。動画見て痺れました✨
しかし映像の完全一致という作り方なので
投射が少しのズレただけで不成立になります。
東京公演は約44mの投射距離があります。
44m先からミリ単位で映像調整を行いました。
映像デザイナーさんも凄いけど、現場で映像を送出したり微調整される映像さんの精度も凄かった!!
起こりうることや条件など自分では全部把握したつもりですが、読み漏れの可能性もあるし、劇場からもらっているデータにもしかしたら誤差があるかもしれません。
映像デザイナーさんとのやりとりもミリ単位になり、かなり詳細でした。
北海道の共済ホールはかなり投射角度が高い割に、舞台の間口が低いので映像がどの高さまで当たるかを知る必要がありました。
こんな風に劇場の機構(断面図)を1/100サイズで書き出し、舞台のどこに幕を吊れば何センチまで映像が当たるかを手書きで検証してタペストリーの発注サイズなどを事前に考えていました。
なんのこっちゃわからない図解だとは思いますが…これが出来たら現場での検証が大きく省かれます。
タペストリーの色が淡いので、これは逆に照明さんの腕の見せ所にもなります。ゲストシュタインの袖パネルの様にカラフルなデザインなら照明はシンプルで良いですが、今回はその逆でした。
音響さんや進行さんたちも文章ではピックアップしていませんが、本当にすごくて毎回毎回とても素晴らしいお仕事ぶりでした。
どの劇場でもそうだったんですけど、昨日の東京国際フォーラムでは河井くん自ら3階席の隅々まで行って、音を聞いたり、映像を見たり最後列の人にも出来る限りの最善を提供する為に彼らは努力を惜しみません。
それに我々スタッフ一同も呼応して刺激を貰っています。僕が一番苦心したのが暑がり王子の為に空調をいつも強くするのですが
空調を強めたら
タペストリーめっちゃ揺れるやん問題😭
数センチの誤差調整が吹き飛ぶ…。
幕で空気の流れ変えたり、ガードしたり、開演時数分だけ止めたり、あの手この手でタペストリーを揺らさない努力しました(笑)
昨日、11月17日でツアーは全て終わりました。
実はちょうど100年前の
1922年11月17日は
かの天才物理学者A.アインシュタインが初来日した日でもあります。東京での相対性理論の講演は大盛況だったそうです。
100年という長い歳月を越え、同じアインシュタインが東京公演を行ったのはとても運命的なものを感じます。
全国各地にご来場下さったみなさまありがとうございました!!
余談ですが、福岡公演で稲田くんがハンディタイプのマッサージ機を携帯していて、それめっちゃええやん!!って言ったら3日後、同じマッサージ機を大阪に送ってくれてました。
ナイスガイが過ぎる!!