秋田ノーザンハピネッツ戦。ホームでリベンジ
ホーム17連勝はB1リーグ同一シーズンホーム連勝の新記録なんだそうです。3/15ホーム駒沢公園体育館で行われたアルバルク対秋田戦でアルバルクが達成しました。
アルバルクはホームゲームでは19勝2敗とめちゃくちゃ強いのですが、アウェイではそれでも18勝6敗です。その6敗の内のひとつが11/30の秋田戦でした。
アウェイでの得点は69-83。図らずも前節はそのリベンジを83-52で果たしました。
この違いが何だったのか?今回はその検証をしてみます。
スリーポイントとリバウンドが前とは違う
前回対戦時とスタッツを見比べると明らかに違っていたのがスリーポイントとリバウンドです。
11/30はアルバルクの3Pは5/18(27.8%)、秋田は9/22(40.9%)翻って先日の3/15はアルバルク6/24(25%)、秋田は4/26(15.4%)です。アルバルクの3P確率とメイク数は低めであまり変わり映えしませんが秋田は急落です。
リバウンドに至ってはものすごい逆転現象が起こっています。
11/30アルバルクのリバウンドはOR10本、DR20本合わせてリバウンド30本です。秋田はOR15本、DR 28本、合計43本です。
一方、3/15は、アルバルクOR23本、DR35本、合計なんと58本。秋田はOR13本、DR24本で合計37本となりました。
アルバルクのOR23本もTR58本もなかなか見ない数字です。アルバルクも秋田も今シーズンの平均リバウンド獲得数が39本なので、秋田は若干本数を落としてはいますが平均前後です。しかし、この日のアルバルクのリバウンド獲得数は驚異的です。
ORシチュエーション時のOR獲得率は秋田の27%に対してアルバルクは約49%にもなっていました。
つまり、敵陣でリバウンドを半分近く奪ることができたので、それだけ得点の可能性の高い攻撃回数が増えたということになります。
何故そんなに真逆のスタッツになったのでしょう?
まず、急落した秋田の3P確率についてですが、その理由のひとつに前回対戦時に絶好調だった田口が負傷で不在であった事が挙げられます。
前回、田口はFG8/16、3Pを4/8の20得点でした。田口の負傷は秋田にとって痛手であることは間違いありません。田口のスリーがあるからディフェンスを惹きつけスペースを作ることができていました。
他にもアルバルク戦には目覚ましい活躍をする保岡や古川の不発もその理由の一つであったように思います。
もうひとつのアルバルクのリバウンド獲得が急伸した理由を考えると、リバウンドのポジショニングにあったと推測します。
と言いますは、前回対戦時に秋田はビッグマンのザック、キッドが高い位置どりをして5アウト戦術を取りました。このためロシター、サイズが外に釣り出されてリバウンドポジションを取ることに遅れていたのではないかと思うからです。
しかし秋田の3Pの怖さを感じなかった今回は、ロシター、カークがインサイドにしっかり飛び込んでリバウンドポジションを確保していました。
さらには、アルバルクのリバウンドに対する意識の高さがこの結果をもたらしたとも思うのです。
何故ならリバウンドはロシター14本、カーク12本とビッグマンの活躍はいつも通りかそれ以上でしたが、その他アルバルクの出場選手全員がリバウンドを獲得していたことも見逃せません。
古川のバックカットに翻弄されなかった。
11/30のアウェイのゲームでアルバルクがやられた感が半端なかったのがトップのザックとコーナーの古川がドリブルハンドオフに来ると思わせて古川がバックドアカットに走る得点です。これは私の記録を見る限り5回もありました。
バックドアでフリーで得点されるときの「してやられた感」は同じ2点には思えないメンタルショックがあるのはファンの私だけではなく、選手の皆さんも同じなのではないでしょうか?
前回は1Qに2回、2Qに2回、3Qにこの変形を決められています。11月30日、秋田はこのプレーと田口のフレアやピンダウンからの3Pでペースを掴んでいきました。
今回も同じバックカットを見せています。ただし成功したのは1本だけだったと思います。
第2クォーター残り2分17秒(秋田のタイムアウト明け)
中山が右トップ、左トップにキッド、左スロットにザック、左コーナーに古川の配置です。
中山→キッドにパス。
ザックは左ウィングに上がります。
トップのキッド→左ウィングのザックにパス
ザックは左コーナーの古川に向かってドリブルします。(ハンドオフに行くように見えます)
古川はフェイントからベースラインラン。
ザック→古川、レイアップが決まります。36-27
このセットは点差が10点開いてからのプレーメイクでしたので秋田からすれば少し遅かったかもしれません。第1Qにも同じプレーをしていましたが、この時は古川のシュートが落ちています。決まっていれば秋田は良いペースに乗れたかもしれません。
アグレッシブ!ガッツマン岡本飛竜
前回に無くて今節アルバルクにあったものは、もうひとつ。ガッツ溢れるプレーでチームを盛り立てる岡本飛竜の存在です。
前節の仙台戦で小酒部が右足ハムストリング筋を損傷して全治未定の怪我をしてしまいました。その穴埋めを岡本はしっかり務めました。
岡本も1月に右手の怪我から古巣の広島戦、島根戦を欠場してバイウィーク明けの仙台戦からプレータイムを得て、今節は怪我明け2戦目でした。
そんな岡本は昨シーズンで新潟を自由契約となり、新しい所属先が決まらない中、アメリカでワークアウトしたり練習を続けるうちアルバルクの練習生として参加して12月に契約を勝ち得た苦労人だそうです。
こうしたバックグラウンドがある岡本がコートに立って自らブロックされ失ったルーズボールを諦めずに取り戻すアグレッシブなプレーやガムシャラに喰らいつくディフェンスを見せてくれることで、アリーナのブースターは盛り上がり、ベンチやコート上の選手にも勇気を与えているように感じます。
170センチの身長ながらそのガッツでOR3本DR1本取る姿は全員に伝わり、それが全員出場全員リバウンド奪取に導いたのではないかと思います。
圧巻!スペインPnRからサイズのスラムダンク
今節のゲームで最も印象に残る強烈なプレーが3Q残り4分のサイズの上から投げ入れる強烈なスラムダンクと続く残り3分22秒カークのリバウンドから叩き込んだ連続ダンクのシーンで間違い無いでしょう。
2発ともピック&ロールからのプレーですが、サイズの1発はアルバルクがこの日何度か使っていた左サイドからのスペインPnRのセットです。
この日オフェンスで大活躍のサイズ(この日30点)のポストプレーやロシターのオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスと同等に重要な局面で使われているセットなので紹介したいと思います。
第3Q残り4分
エントリーは右トップに藤永
ホーンズのフリースローラインより高い位置右にカーク、左にサイズ。左ウィングに吉井、左コーナーに安藤です。
藤永がカークのピックを使ってドリブル2つほど左に行ってポップしたサイズにパス。藤永は右コーナーに移動します。同時にウィングの吉井は左スロットに移動、安藤が左ウィングに上がります。
サイズ→安藤パス、パスの後すぐに安藤にダウンスクリーンをセットします。吉井はサイズのマーク、カンターにスクリーンセットします。
ここからスペインPnRです。
安藤はサイズのスクリーンを使って右にカールドライブします。安藤のマーク伊藤駿はサイズにかかります。サイズは左からダイブします。カンターは吉井に当たります。
中央からペイントタッチした安藤に吉井のマーカーの多田がヘルプに入ります。
安藤→サイズパス
右エルボーにいたカークのマーカーザックがゴール下にサイズを止めに向かいます。
サイズはザックの上からワンハンドでダンクを叩き込みました。51-32
この左サイドからのスペインは第1Q残り2分57秒
コブス、ロシター、ザックで使われて右エルボーのカークにキックアウトしてペリメーターを決めています。(11-10)
さらには第3Q残り2分21秒からは左サイドで
安藤、サイズ、ザックのスペインから右エルボーのカークに展開→左ウィングにポップしたザックにパス、ザックは3Pシュート成功させています。(56-38)
嬉しい妄想
我々ブースターがチーム、選手の力になれていると間近で感じることが出来るのはどこかと言えば、ホームコートで勝利を見届けるのが一番です。
そこで、今シーズンホームで無類の強さを発揮するアルバルクは推しているファンとってはとても推しやすいチームのひとつなのではないかと思います。
そんなチームに感謝を表現するのであるならば、もっともっと相手チーム、相手ブースターにも届く圧のある応援をできたら嬉しいと思うのです。
人それぞれ観戦の楽しみ方はありますが、新しく来ているブースターさんのクラップが1発ずつでも増えたらいいなと思っています。
さて、4月のアウェイ秋田戦、本拠地でこのままやられるハピネッツではありません。アルバルクも怪我人が入れ替わり立ち替わりでなかなか戦力が揃いませんがアルバルクには「言い訳なしで」全力を尽くす姿勢を変わらず届けてほしいと思います。
今節の秋田戦で見せてくれたキャプテン大貴の姿は嬉しくありました。嬉しいついでに「彼がCSでコートに立てていれば」と妄想が始まってしまいました。
photos by ともみん
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