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【サポーター】引退しよう。

試合を見ながら、一瞬魔が差したように思うことがあります。

僕、アビスパ福岡の何を見てるんだろうか。

自宅のPCモニターに試合が映ります。もちろんチャントは分かっているし、選手も全員把握してます。このクラブの歴史だって理解しているつもりです。「アビスパ福岡」を名乗るようになってからはいつも共にしてきたんだし。
それなのに。生涯かけて応援したいチームが目の前で試合をしているのに、どうやって応援したらいいかわからない。愛が冷めたわけじゃなくて、どう接したらいいかわからない。それが最適な表現。

いや、回りくどい言い方は辞めましょう。

Jリーグを見るのが嫌になってきた気がするのです。

アビスパ福岡はここ5年間最高の軌跡を辿ってきました。J1に昇格し、3年連続でJ1残留。昨年はクラブ史上初のタイトルを手にしました。

今年も早く残留を決めたい。今のアビスパ福岡サポーターの心情はまずこの言葉で始まるでしょう。僕らはいつだってJ1サバイバーですから。強豪チームになるのはちょっと先の話になりそうですし。

この記事のタイトルや冒頭の気持ちは、長谷部監督が退任を発表したから書こうと思ったわけではありません。実は数年前から思っていたことで、イマイチ言葉にできないものでした。昨年のルヴァンカップの優勝で少し薄まった気になっていた。というのが正直な気持ちです。

Jリーグは長年新規サポーターを取り入れるために必死になっています。いつだって新規顧客は大切なので、たぶん30年くらいずっと必死になっていますね。上手くいってるか否か、それはちょっとわかりません。ただ世代を重ねたことで、土台は堅いものになってきたなと思います。

世界に誇れる安心安全なスタジアムづくりをしよう。という言葉が、確かJリーグにはありました。

「老若男女問わず誰でも楽しめる空間を提供しよう!」最近はそんな目的のプロモーションをインスタのリールで見ます。この夏の試合では、通算で台東区民(20万人)くらい招待していますし、とにかく新規の足掛かりをこれでもか!と仕掛けています。いいことです。いいことなんですが。

ここから先で書いたことが、これまでJリーグを見ながら僕が感じてきたことです。趣旨、実態が異なっているかもしれませんがご了承ください。

誰でも安全に楽しめる。

この大目標のために、Jリーグはいつからか観戦者に対し、いくつか規則が設けるようになった気がします。事の発端はおそらく「JAPANESE ONLY」の件だったと記憶していて、ここからスタジアム内でのサポーターの扱い方が不文律→法体系として明文化されていきます。(おそらく元々明文化されていたが、浮き上がってこなかった。というのが正しいでしょう)

ゴール裏は無法地帯ではないと示すだけで済まなくなりました。もちろんゴール裏は昔から無法地帯ではありません。節度あるサポーターが大半を占めています。ただ蓄積した課題に対して細かいルールが設けられるようになり、中指を立てたサポーターは今や出禁になる始末です。もちろんこれで守られるものがあるわけですから必要なルールなんだと思います。

今のゴール裏は、はみ出た部分を削がれて形を整えられ、試合中にどのように振る舞うのが正しいのかを叩き込まれている、いうなれば精鋭たちのような印象です。大正義です。

ルールを守るのは大切です。僕も子を持つ大人なのでわかります。ただ日常を忘れたくてサッカーに没入していった身としては、楽しみ方を強制されるようで、徐々に楽しさを失いつつあるなぁと思っています。今はスタジアムという空間を華やかにするためのマスゲームの部品をやらされているのに近く、サポーターという役割をやらされている、といった感覚を覚えてしまうのです。

それでも盛り上がるゴール裏を見ると、きっとこれが老害化というんだろうな、と自覚しています

自覚があるのでそのルールに従わねば!という気持ちが人一倍強くなっていて、それがストレスになっている。悲しいかなこれが現実です。

最近知り合った人、親しくなった人に「趣味はJリーグ観戦です」というと、「じゃあユニフォーム着て立って応援してんだ!すごいね!」と言われます。対して僕は、「昔はそうでしたけどねー。今はテレビと同じ画角のほうが見やすくて笑」と答えるようになりました。

当然、「あそうなんだ!熱狂的なタイプじゃないのね」と言われます。

少し寂しい気持ちになります。誰よりも熱狂していたから、今こうなっているんだよと、必要のない訂正をしたい気持ちをぐっとこらえています。

誰も悪くないのです。ただ全体の正解像に対して自分の価値観が外れてきている感覚があります。Jリーグという唯一の宝を手放すのは辛いなとも思いますが、心が疎遠になっている感覚が確かにあって、それを認めたくない自分がいます。この葛藤そのものが老害化(老いですかね笑)というべきなのかもしれません。

元々は学校や周辺のコミュニティになじめず、逃げ込む形で愛することにしたJリーグから、逆に出ていく日が来るかもしれない。そう思うと時に恐怖心すら感じます。

僕にとってのJリーグ、サポーターはとても素敵なものでした。今度は誰かにとって素敵なものになればいいかなと、強がりを含めて思うようにします。

僕は【サポーター】を引退します。別の役割を探して、変わらずJリーグやサッカーを好きでいたいのです。もちろんアビスパ福岡も。

着てもないユニフォームを脱いで、部屋着に着替える時が来ました。

#サッカー
#Jリーグ
#アビスパ福岡
#football

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