3277サンセイランディック
高配当であるサンセイランディックをガチホするための銘柄分析。
事業内容
まずは事業内容。以下の5つがあります。
1. 不動産再生
2. 借地権・底地の取り扱い
3. アセットマネイジメント
4. 不動産仲介
5. 不動産コンサルティング
詳細は以下の通り。
1. 不動産再生
古くなったり使われなくなった建物や土地を買い取り、それを新しく整備して価値を高めたうえで売ったり、貸したりします。使われていない場所をもう一度活用することを目的としています。たとえば、古いビルをリフォームして、新しいオフィスやマンションにすることが含まれます。
メモ:不動産再生と活用事業の2つの分野が売上高の7割以上を占めている
2. 借地権・底地(しゃくちけん・そこち)の取り扱い
借地権というのは、土地を借りて使う権利のことです。一方、底地はその土地自体を所有することです。サンセイランディックは、土地を借りている人(借地権者)や、土地を貸している人(地主)の間で発生する問題を解決する業務を行っています。たとえば、借地権を持っている人が自分の家を売りたいとき、土地の所有者との契約を調整する手助けをします。
3. アセットマネジメント
資産運用の一種です。サンセイランディックは、投資家が不動産にお金を投資し、その資産を効果的に運用するために、不動産の価値を高める方法を考えたり、管理したりします。たとえば、オフィスビルを持っている投資家のために、そのビルの管理を手伝い、収益を最大化する方法を提案します。
4. 不動産仲介
売りたい人と買いたい人、借りたい人と貸したい人をつなげる仕事です。サンセイランディックは、個人や企業が不動産を売買したり、賃貸契約を結ぶ際に、間に立って手続きをスムーズに進める役割を果たします。
5. 不動産コンサルティング
不動産を持っている人や、これから不動産を買おうとしている人に対して、最適な方法をアドバイスします。たとえば、持っている土地をどのように使ったら一番利益が出るか、どんな不動産に投資すべきかなどを助言します。
このように、サンセイランディックは不動産の再生や投資、不動産に関連する権利の調整など、幅広い業務を通じて、不動産の価値を高める会社です。
では、不動産の再生を手掛ける同業他社を見てみます。もちろん上場企業の中から主なものをピックアップ。
不動産の再生・活用を手掛けるその他の上場企業
1. 大和ハウス工業株式会社 (Daiwa House Industry Co., Ltd.)
大和ハウスは、日本最大級の建設会社であり、不動産の開発、再生、運営に広く関与しています。特に、住宅や商業施設の再生や開発プロジェクトに積極的に取り組んでいます。
2. 東急不動産ホールディングス株式会社 (Tokyu Fudosan Holdings Corporation)
東急不動産ホールディングスは、オフィスビルや商業施設、リゾート施設などの開発・再生を行っています。老朽化した不動産を再開発し、新しい価値を創出する事業を展開しています。
3. 住友不動産株式会社 (Sumitomo Realty & Development Co., Ltd.)
住友不動産は、東京を中心に、オフィスビルや住宅の再開発を手掛けており、特にオフィスビルのリノベーションに強みを持っています。老朽化した物件の再生を通じて、資産価値の向上を図っています。
4. 三井不動産株式会社 (Mitsui Fudosan Co., Ltd.)
三井不動産は、大規模な都市開発プロジェクトや再開発に注力している企業です。特に、商業施設やオフィスビルの再生事業に積極的に取り組み、地域の活性化を目指しています。
5. 野村不動産ホールディングス株式会社 (Nomura Real Estate Holdings, Inc.)
野村不動産は、住宅やオフィスビルの再開発・再生に力を入れています。特に、都市部の空き地や老朽化した建物を再利用し、新しい施設として生まれ変わらせるプロジェクトが多いです。
これらの企業は、サンセイランディック同様、既存の不動産を再生・再利用することで、資産価値を高めることに取り組んでいます。それぞれの企業は、規模や得意分野が異なりますが、再生事業において重要な役割を果たしています。
サンセイランディックと同業他社の違い
1. 事業規模とフォーカス
サンセイランディックは、比較的規模の小さい企業で、特に「借地権・底地」や老朽化した不動産の再生に強みがあります。都市部の小規模な物件や問題解決に焦点を当てており、特定の市場ニッチに特化しています。
一方、大和ハウスや三井不動産のような企業は、全国的および国際的に事業を展開しており、再生だけでなく、住宅、商業施設、オフィス、リゾート施設など大規模なプロジェクトを多数手掛けています。これらの企業はサンセイランディックよりも資本力があり、より多岐にわたる開発プロジェクトを実施しています。
2. 不動産の再生規模
サンセイランディックは、古い建物や土地、特に使われていない物件を再利用し、価値を引き出す「再生」事業が中心です。その一環として、借地権・底地の取り扱いが特徴的で、この分野では他社と差別化を図っています。
一方、住友不動産や野村不動産は、都市再開発や大規模な複合施設の開発に注力しており、建物全体を再生するというよりは、地域全体を新たな形で再構築する「大規模再開発」が中心です。
3. 資産運用とコンサルティング
サンセイランディックは、主に物件自体の再生と取引に注力し、不動産の「管理」や「資産運用」に対する直接的なコンサルティングはそれほど大きな割合を占めていません。
一方、三井不動産や東急不動産は、再生事業に加えて、資産運用や不動産コンサルティングも重要な業務として取り組んでおり、投資家向けに効率的な資産管理や運用の提案を行っています。
4. 再生対象の不動産の種類
サンセイランディックは、特に住宅や小規模な商業物件など、比較的個人向けの物件にフォーカスしています。特に空き家や使われていない土地の再生に力を入れています。
対照的に、大和ハウスや住友不動産は、オフィスビル、商業施設、リゾート施設などの大規模な物件の再生を得意としています。これらの企業は、都市のランドマークとなるような大規模プロジェクトに関わることが多いです。
5. 地域的な活動範囲
サンセイランディックは、主に日本国内、特に都市部の限られた市場で事業を展開しています。
東急不動産や三井不動産などの大手企業は、日本国内にとどまらず、海外にも積極的に進出しており、グローバル規模で不動産再生や開発事業を行っています。
サンセイランディックは、特定のニッチ市場に特化した不動産再生企業であり、特に借地権や底地に関連する物件や、使われていない不動産の再生に強みを持っています。一方、大手企業は、規模や資本力を活かし、より多様な分野や国際的なプロジェクトに取り組んでおり、広範囲にわたる不動産開発や管理を行っています。
強み「ニッチ市場」
サンセイランディックが特化している「ニッチ市場」とは、一般的な不動産市場とは異なる特定のセグメントで、特に以下のような特徴を持っています。
1. 借地権と底地の市場
サンセイランディックは、借地権と底地に関する問題解決に強みを持っています。借地権とは、他人の土地に建物を建てたり、利用するための権利ですが、これが絡むと複雑な法律関係や価値の問題が発生します。サンセイランディックは、こうした権利関係の調整や再生を手掛けることで、特定の市場ニーズに応えています。
2. 空き家・土地の再生
特に都市部においては、空き家や使われていない土地が増加しています。サンセイランディックは、これらの物件を再利用することに特化しており、地域の活性化や不動産価値の向上を図っています。このような取り組みは、一般的な不動産開発とは異なる視点で市場にアプローチしています。
3. 小規模物件の再生
サンセイランディックは、比較的小規模な物件にフォーカスしています。これには、住宅や小規模な商業施設が含まれ、地域コミュニティに密着した形で事業を展開しています。大手不動産企業が大規模プロジェクトを中心に行うのに対し、ニッチ市場での特化型ビジネスモデルを採用しています。
4. 地域密着型のアプローチ
ニッチ市場に特化することで、地域のニーズに応じたサービスを提供できます。サンセイランディックは、地域の特性や課題に応じた再生プランを提案することで、地域住民や自治体との関係構築を重視しています。
これらのニッチ市場は、一般的な不動産業界に比べて競争が少なく、特定の専門知識や経験を持った企業が存在することで、より高い付加価値を提供できる環境が整っています。サンセイランディックのような企業は、こうしたニッチ市場をターゲットにすることで、競争優位性を確保し、安定した収益を上げることができるのです。
これらのニッチ市場は、一般的な不動産業界に比べて競争が少なく、特定の専門知識や経験を持った企業が存在することで、より高い付加価値を提供できる環境が整っています。サンセイランディックのような企業は、こうしたニッチ市場をターゲットにすることで、競争優位性を確保し、安定した収益を上げることができるのです。
ということで、サンセイランディックの事業は不動産の専門知識がないとできない、また大手不動産会社の範囲外をビジネスにしていることから参入障壁や競争優位性がありそうです。それでは、今度は指標面をみていきます。
バリュエーション
値は全て2024年10月9日時点
株価 961円
時価総額 79億円
PER 6.9倍
PBR 0.6倍
ROE 9.5%
ROA 3.9%
自己資本比率 40.6%
配当利回り4.3%
配当 41円
配当性向 23%
市場 スタンダード
業種 不動産
決算 12月
その他 12月にちょっと多めの配当/地方創生(新中計資料より)/資本コストや株価を意識した経営(配当性向30%以上(2023年22.9%)、配当下限40円、下限を段階的に引上げ、自己株取得)
コロナでEPSは下げたものの、また順調に上がってきています。配当は順調。配当性向23%はすばらしい。
キャッシュフローは弱い。
2022.12期より有利子負債増加。
新中計より
地域活性化推進事業は八幡平、平戸市、伊豆地方。八幡平市ではペンション・別荘。平戸市では空き家活用事業の実施検討。伊豆地方ライダーハウス。
八幡平活性化事業が地方創生のテーマにあたるが、これは成功するのか!?八幡平は個人的にはいいところだと思うが、果たして人は集まるのか。安比高原、八幡平アスピーテライン、閉山などがあるが。ここは後程深ぼってみたい。
PBR1倍割れに対応するため、資本コストや株価を意識した経営を本格化させる。ROEとPERの改善からPBRの向上を目指す。M&Aは外部借入金も活用して機動的に対応。2025-2027年度配当性向30%以上目安。自己株取得または資本コストを上回る期待リターンの投資案件が出てきた場合には成長投資。
2024/10/10株価 960円
2024年10月10日現在、8月5日の暴落前の水準(1000円)をまだ回復していない。
2023年5月15日「株主優待の廃止ならびに配当予想の修正(特別配当の実施)に関するお知らせ」発表あたりから株価上昇。
2024年2月15日に配当利回り急上昇。2月14日に中間配当の実施の発表を受けて配当金が上がり、株価が下落し、配当利回り3%から4%へ急上昇。その後、配当利回り4%・株価1000円ラインにはりついていた。が、8/5の暴落で水準がひとつ下がった感じ。2024年10月現在は1000円をきる水準、配当利回り4.2%前後で推移。
年間配当金推移と株価反応
・2024/2/14 40円 1090円(2/14)→1000円(2/15)へ下落【8.26%下落】
・2024/8/7 41円 904円(8/7)→922円(9/8)へ上昇【2%上昇】
まとめ
ポジティブ:
現在の配当利回りは4.2%と高配当。増配傾向。ROE9.5%と稼ぐ力もすごい。配当性向23%(今後30%へ)と低く増配余地大あり。配当下限40円を段階的に引き上げる。自己株取得も期待リターンの高い投資案件がなければ実施。石破テーマの地方創生銘柄。代表取締役社長松崎隆司氏が株式を15.67%所有。
ネガティブ:
不動産銘柄であるため金利上昇局面では弱いか。
ということで、買いと判断。12月に向けて上がっていくと期待して400株保有。