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NCS&A(9709)の割安割高判定。現在投資できるかどうかを指標からチェック。【2025年1月】

6. 財務

自己資本比率は上昇傾向。2024年3月期は自己資本比率63.78%でした。

自己資本比率の推移

7. キャッシュフロー

フリーキャッシュフローは2018年3月期以降全てプラス。コロナ禍でもなんとかプラスとなっています。

キャッシュフローの推移

8. ネットキャッシュ

2024年9月30日時点の中間連結貸借対照表によると、以下の数値が確認できます:

2025年3月期第2四半期バランスシート資産の部(2024年10月31日発表)
2025年3月期第2四半期バランスシート負債純資産の部(2024年10月31日発表)
  1. 現金及び預金: 9,043,300千円

  2. 短期借入金: 記載なし(0円と仮定)

  3. 長期借入金: 記載なし(0円と仮定)

  4. リース債務(流動負債): 26,004千円

  5. リース債務(固定負債): 18,637千円[1]

ネットキャッシュの計算式:
ネットキャッシュ = 現金及び預金 - (短期借入金 + 長期借入金 + リース債務)

計算:
9,043,300千円 - (0円 + 0円 + 26,004千円 + 18,637千円) = 8,998,659千円

ネットキャッシュ比率の計算式:
ネットキャッシュ比率 = ネットキャッシュ / 総資産 * 100

計算:
8,998,659千円 / 18,513,581千円 * 100 ≈ 48.6%

分析:

  1. 潤沢な手元資金:
    NCS&A株式会社は約90億円近いネットキャッシュを保有しており、これは総資産185億13百万円の約48.6%を占めています。この比率は非常に高く、会社の財務的な安定性を示しています。

  2. 低い負債水準:
    借入金の記載がなく、リース債務も比較的少額です。これは会社が健全な財務管理を行っていることを示唆しています。

  3. 投資余力:
    潤沢なネットキャッシュは、将来の事業拡大や研究開発、M&Aなどの戦略的投資に活用できる余力があることを意味します。

  4. 株主還元の可能性:
    2025年3月期の年間配当金予想は38円となっています。高いネットキャッシュ水準を考慮すると、将来的に更なる株主還元の余地があると考えられます。

  5. 効率性の検討:
    一方で、過度に高い現金保有は資本効率の観点から課題となる可能性があります。ROE(自己資本利益率)の向上のためには、この資金の有効活用が重要になるでしょう

結論として、NCS&A株式会社は非常に健全な財務状態にあり、将来の成長投資や不測の事態に対する十分な備えを持っていると言えます。ただし、この豊富な現金をいかに効率的に活用し、企業価値の向上につなげていくかが今後の課題となるでしょう

9. 株主還元

ここでは株主還元政策を時系列で確認していきます。

配当金は2021年3月期より毎年増配しています。

配当金の推移

ここ3年の配当利回りは5%あたりが上限といったところでしょうか。

配当利回りの3年推移

ここ最近の配当性向は35%程度となっています。
ヘムさんの増配が期待できる基準「配当利回り≧配当性向÷10」を利用すれば、
2025年1月30日現在
配当利回り 4.6%
配当性向 31.4%
なので、
31.4÷10=3.14≦4.16
となっているので十分に増配期待がある数値となっています。

配当利回りと配当性向の推移
配当金総額と純資産配当率の推移

2024年3月期は前年比自己株取得が減りましたが配当金支払総額は増えています。総還元額は前年比減少していますが。

自社株買いと総還元額の推移

2022年3月期以降配当金支払額は増加傾向です。2025年3月期はどうなるのか。期待したいところです。また、減少した自社株買いが今期はどの程度の規模になるのか。

10. 各種指標をチェック


2025年1月30日終値での数値

株価 826円
時価総額 134億円
PER 10.1倍
PBR 1.1倍
MIX係数 11.11
ROE 12.3%
ROA 8.3%
自己資本比率 67.2%
配当利回り 4.6%
配当金 38円
配当性向 31.4%

株価 826円

株価の3年推移

PER 10.1 【レンジ:7.88~11.91】 

PERの3年推移

現在は中央値の9.9に近い水準なので、PER的には割安でも割高でもないかんじです。

PBR 1.1 【レンジ:0.78~1.22】

PBRの3年推移

現在は中央値の1に近い水準なので、PBR的には割安でも割高でもないかんじです。

時価総額 134億円

時価総額の3年推移

株価が徐々に上昇しているのに合わせて時価総額も順調にふえています。

配当利回り 4.6% 【レンジ:3.44~5.18】

配当利回りの3年推移

配当利回りは中央値の4.31%より若干上の4.6%です。まだまだ株価下落余地(期待!?)はありそうです。

11. まとめ

キャッシュは潤沢。【+】
ヘムさんの増配期待基準を満たしている。【+】
総還元額はここ3年まちまち。【±】
2021年3月より増配しているが配当性向はヨコヨコ。【+】
PERやPBRの指標的には割安でも割高でもない。【±】
配当利回り的にはまだ株価下落余地があるが割安水準にはある。【±】
3月一括銘柄だから3月権利日に向けてこれから株価はあがるか。【+】
去年は2月中旬頃から上昇していった。【+】
配当利回り4.6%は現在他の銘柄のそれと比較しても十分魅力的な水準。【+】

こうしてみると【+】が多い。キャッシュが潤沢にあれば投資したいが、私は今キャッシュがあまりないのでこのリスクをとるかどうかもうちょっと検討してみたい。

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