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ホンダ・GM 自動運転タクシー頓挫  提携解消へ 

ホンダは11日、米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)との自動運転タクシー事業の提携を解消する方針を表明した。GMの同事業からの撤退を受けて対応を迫られた形になる。これに伴いホンダなどが東京都内で計画していた自動運転タクシーの運用も中止となる。ホンダはGMと協力し、2026年から自動運転車両を使ったタクシー事業の開始を予定していた。一定の条件下で運転手が不要になる「レベル4」を目指していた。ホンダは自動運転タクシー事業を担うGM傘下の企業GMクルーズに出資(投資額:約1300億円)しているが、今回の解消により所有していた株式をGMに売却する。
両社間の計画中止と提携解消の理由の一つとして、数兆円規模にも上る膨大な開発費が挙げられ、GMは投資回収が困難と判断し撤退へと踏み切った。また、23年にGMクルーズが起こした人身事故によって事業再開の目途が立たずにいたことにも起因している。GMと自動運転車両「クルーズオリジン」を共同開発していたホンダは今後、新たに連携を結ぶパートナー候補探しなど戦略の見直しが求められる。しかしウェイモとの連携が難航している状況などを鑑みると前途多難と言わざるを得ない。
今回の両社の撤退により、既に自動運転の商業化において成功を収めている米テスラや中国企業のシェア寡占の動きが今後加速恐れがある。また日本の旅客運送事業おいては、安全性確保の厳しさや規制の壁が立ちはだかることに加え、タクシー会社やその出資先である配車アプリ企業の既得権益を守ろうとする勢力が跋扈しており、今回の事業頓挫についても全く無関係とは言い切れないだろう。
残念ながら日本国内で自動運転タクシーが近い将来に日の目を見る可能性は極めて低いと言わざるを得ない。ホンダには強力な連携先を早期に見つけて技術革新と市場投入の戦略を再構築し、日本の旅客運送サービス市場を独占せんとする外資系企業の勢いを食い止めていただきたい。

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