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療法士の次世代キャリア構築 -個人の価値を高める時代- (講義動画付き)

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【はじめに】
 昨今、療法士の働き方は劇的な変化を迎えている.従来の作業療法士、理学療法士の働き方としては,『臨床』,『研究』,『教育』の3本柱が言われ,キャリアデザインとしては,臨床現場から入り,そこで技術や知識を研鑽し,その中でできたコネクションなどを活かし,『教育』現場の教員,大学教授になることが成功例だったかもしれない.
それらの働き方を療法士1.0とするならば,そこから時代は進み,これら3本柱に『起業』と言うものが加わった.介護保険領域において,『訪問看護事業』からの看護・リハサービスを提供するものである.これらは臨床・研究・教育に関わる施設の中で働いていた療法士の所得を大幅に押し上げ,社会的な活動の幅をも広げた.それらと併設する形で,療法士向けの自己研鑽を補助する目的でセミナー事業を立ち上げ,運営する法人などそのバリエーションは大幅に広がった.このように,介護保険領域および,対象者を療法士に絞ったサービスを展開している形態,これらが療法士2.0に当たるかもしれない.
では,昨今の働き方はこれらにどのようなものが加わってきているのであろうか.筆者が考える働き方のバリエーションとしては,従来からある『臨床』,『研究』,『教育』,『起業』に加え,『企業』,『行政』,『政治』にまで働き方が増えている印象がある.ただし,本項では範囲が広すぎることもあり,『行政』,『政治』については据え置く.さて,近年の『起業』に関しても,従来の介護保険領域,や療法士を対象としたセミナー事業以外に,昨今の医療経済の情勢を鑑みて,国も推奨の姿勢を見せている『自費リハビリテーション事業』や保育園,幼稚園,小学校の現婆で学校教員の教育に対し,専門知識を活かしサポートする学校訪問支援事業,障害者および高齢者の自動車運転をサポートする自動車運転支援事業,就労や地域生活,街づくり,行政活動をサポートする障害福祉事業など,原資を医療保険に頼らない形の業種の起業が相次いでいる.さらに,療法士が立ち上げたヘルスケア系ベンチャーの躍進もめざましい,ビックデータの解析やアプリケーションのプロダクト開発などを通し,療法士の知識を活かした疾患マネジメント等の事業も推進されている.
 一方,既存の『企業』におけるキャリアついては,国公立大学,特に上位校の学生が,臨床に一度も出ずに一般企業に就職するケースもあり,その中でも療法士の知識を活かしながら,医療機器の営業などに関わる者も増えている.また,筆者も自身の臨床・研究スキル,そして,今まで培った研究データをベースに一部上場企業とのプロダクト開発にコンサルタントとして関わっている. 本稿では,筆者のキャリア構築を通して,近年の新しい療法士の働き方である療法士3.0について,キャリアアップのための戦略も踏まえて論じていきたいと考えている.

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