パーキンソン病の方へのフィッティング
先日、パーキンソン病の方への靴とオーダーインソールのフィッティングをしました。
ご要望は、
よく歩くから、今履いている靴だと足裏がタコだらけなので、少しでもタコが予防できるようにするウォーキング用の靴が欲しいとのことでした。
クッション性と骨格のサポート性を兼ね備えた靴とインソールが必要になるので、靴もご購入いただくことにしました。
パーキンソン病とは?
簡単に言えば、この黒質ドパミン神経細胞を減らさないようにすることが予防策と言えます。基本的に進行性なので、一度発症すると元には戻らないとされています。
私は医師ではないので、お薬の処方箋は出せませんが、運動療法のところでサポートができます。
実際の対処法は?
普段からよく歩いているということでしたので、すでに習慣がある方でした。
しかし、足元は不安定なので、歩隔が広く(肩幅よりも広く)、歩幅は狭い(ストライドが狭い)歩き方をしていたので、上体は円背(猫背)になっていました。
この上体だと、呼吸が浅くなりやすいので、酸素摂取量は低下します。結果的に脳への酸素供給量も少なくなります。
細胞は新陳代謝するため、常に生まれ変わりをします。そのため、栄養面では細胞を作るための設計図と大工さんの役割を果たす”核酸”と、材料である”タンパク質”は必須です。
↓
食事やサプリメントで対処可能。
あとは細胞を活性化するため、酸素とブドウ糖が必須です。
↓
ブドウ糖は食事から摂取可能。
酸素は運動が必須。
私は、サプリメントでの対応もできますが、この方はすでに施設に入っている方でしたので、余計なことは言わず、足のみの対応をさせていただきました。
足からサポートできることは?
脳への栄養面は、食事やサプリメント、医療であれば薬物療法がございます。(個人的には薬物療法はあまりオススメしませんが、症状によりけりです。個人の判断で止めたりしないようにしてください。。)
私ができることは、姿勢をサポートし、酸素摂取量を無意識に増加するようにさせてあげることです。
今回のお客様からのご要望は、足裏のタコの改善です。これは足底にかかる圧の集中と皮膚の水分量低下がもたらすことなので、圧の分散と水分保持ができれば完了です。あとは新陳代謝で新しい細胞がキレイに出てくるのを待ちます。
足底にかかる圧を分散することが意外と難しいです。インソールを製作する上で、型をちゃんと採ることができなければ、足底にフィットしないからです。
水分保持に関しては、お風呂での足の洗い方とお風呂上がりの保湿ケアをすること。
新陳代謝ですが、こちらは口に入れるものの質によって細胞の生まれ変わりの速度が変わります。新陳代謝に必要な主成分は核酸とタンパク質です。もちろん代謝に必要なビタミンやミネラルもございます。あとは酸素摂取量です。
パーキンソン病は筋の強直も特徴の一つです。
そこで問題となるのが、
①”自力で靴を履けるのか?”というところです。
②履けたとしても、筋が固まっているので、姿勢を大きく変えるような調整はできないというところです。
①”自力で靴を履けるのか?”
これは無事にクリアしました。靴紐も結べました。これなら紐が解けても履き直せます。
②履けたとしても、筋が固まっているので、姿勢を大きく変えるような調整はできない
①ができれば、②は大丈夫でしょう。足の骨格が変な方向に倒れないようにするだけで十分だからです。
歩いているうちに、だんだん歩隔は狭まり、歩幅は広がっていきました。これにより、円背が徐々に伸びていくのが目に見えてきました。
注意事項
①靴のアッパー(特にヒールカウンター:踵の部分)は踏んではいけない。
②歩くやすくなるため、いつもと同じ歩数や時間を歩いたとしても運動量が大幅に上がります。筋肉痛のような痛みが出ることもあります。
③靴底はとても大事です。車でいうタイヤなので、摩耗したらちゃんと修理に出してください。
①靴のアッパー(特にヒールカウンター:踵の部分)は踏んではいけない。
足をキレイに包み込んでくれる革なので、シワが多いと、足に食い込んだりすることがあります。
特にヒールカウンターは踵のサポートになるので、重要な部位です。踵は骨盤のサポートにもなります。
骨盤は姿勢保持にとても重要な部位です。
②歩くやすくなるため、いつもと同じ歩数や時間を歩いたとしても運動量が大幅に上がります。筋肉痛のような痛みが出ることもあります。
①を考慮すると、歩容(歩く姿)が変わります。そのため、普段使わない筋肉が使うようになったりします。
それに伴い、筋肉痛を起こす方もいらっしゃいます。しかしそれは一時的なものですので、心配はいりません。
③靴底はとても大事です。車でいうタイヤなので、摩耗したらちゃんと修理に出してください。
特に靴が傾くくらいすり減ったら、姿勢が大きく変わるため、注意が必要です。早急に修理が必要です。
溝が減ったくらいでも、滑りやすくなりますので、転倒率が上がってしまいます。パーキンソン病であれば、早めの修理が必要になります。
実際のフィッティングはこんな感じでした。
パーキンソン病の特徴なのでしょうか。片方の下肢だけ浮腫で脚がパンパンに
膨れ上がってましたので、靴が履けるか心配でした。
計測の時よりも腫れていました。それを考慮して、靴の中の空間を広めに保って作りましたので、結果的に大丈夫でした。
私ができることは、これ以上神経細胞を減らさないようにするために、せっかくの運動習慣をちゃんと”運動させる”ようにすることです。
酸素摂取量を増やし、脳への酸欠を防ぐこと。
元々スポーツトレーナーとして、人体の全身の構造を学び、足の可能性を見出して、インソールの製作技術者へと転身した私だからできることを惜しみなく出していきます。
お客様のご要望を伺いつつ、さらにできることがあれば、全力でサポートさせていただきます!
今回の靴のご紹介
世界に誇るコンフォートシューズであるドイツの靴メーカーFinn ConfortのFinnamicシリーズ。
2917 HAKODATE。
Finnamic(フィンナミック)は緩やかなローリングソールが特徴であり、踵の接地から蹴り出しまでを流れるように足を運んでくれます。
そして、足の横ブレを抑える構造をしているため、捻挫の予防にも役立ちます。
インソールも分厚いものが入っているので、オーダーインソールの性能を最大限に発揮させてくれるシリーズです。
◆お問い合わせ◆
↓
https://www.fit-salon.com/contact
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