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精密採点Aiについて雑記 ~導入編~

はじめに

こんにちは、あるいははじめまして。「こじがみさま」というアカウント名で主に精密採点シリーズの攻略をしている者です(諸事情でtwitterでは「しおた。」と名乗っています)。
この一連の記事が最初で最後になるかもわかりませんが、数回に分けて精密採点シリーズの最新作「精密採点Ai」についての知識や攻略情報などを共有していこうと思います。今回のテーマは「精密採点Aiの前作からの変更点」です。前作「精密採点DX-G」に精通していた方は今回と次回の記事を読むだけでも結構精密採点Aiを理解できるんじゃないかなと思います。


筆者について

どんな人間がこれを書いているのかも場合によっては情報の信ぴょう性に関わるかもしれないので、一応自己紹介をしておきます。
カラオケ採点におけるスコアアタック(点数を競う営みのこと、以降「スコアタ」と略します)自体は2018年の夏頃にJOUYSOUNDの分析採点マスターにハマったのがきっかけでスタートしました。翌年6月頭頃にLIVE DAMの精密採点DX-Gにのめり込み、同月17日に総合100点、7月4日に素点100点、同年10月22日にチャート495、2020年6月3日にチャート498、飛んで2023年9月25日にチャート499を達成しています。
精密採点AiにハマったのはLIVE DAM Aiのリリースから少し経った2020年1月頃で、同月30日に集計サイト「fistia」上で19番目の100点達成者になりました。その後1年半ほどAiから離れてDX-Gの方に集中しておりましたが、2022年1月にAiに復帰し、同年3月28日にfistia上16番目の素点100点達成者になりました。2023年1月22日現在では、総合100点が162曲(fistia上20位)、素点100点が57曲(fistia上2位)と順調に100点を出し続けています。fistiaが閉鎖してしまったため、実際の持ち曲数は分かりませんが、2024年4月11日現在では、集計アプリ「Octaria」上では総合100点が251曲で18位、素点100点が141曲で1位となっています。


ちょっとした注意点など

教科書や公式の攻略本があるわけでもなく、リザルト画面(歌った後に表示されるアレ)や各種集計サイト・アプリから見られる数値をもとにあれこれ推測しながら攻略していくしかないゲームなので、ここに書いた内容が必ずしも正確であることは保証できません。ですが、ほぼ間違いないと確信している内容が大部分ではあるので、540°真逆のことは書いてないと思っていただいて大丈夫です。逆にこれは間違いなのでは?という点があったら見つけ次第指摘してくれるとありがたいです。こちらの理解も深まりますので。
また、文章力の欠如とそもそもの情報量の関係で、どうしても長くなってしまいがちなので、できるだけ各項目の最後にまとめを書くようにします。忙しい人は💯の絵文字を目印にしてください。
ちなみにこの採点が収録されている機種とその読み方は「LIVE DAM Ai(ライブダムアイ)」ですが、採点自体は「せいみつさいてんエーアイ」と読むらしいです。紛らわしいですね。


この採点の基礎知識

さっそく精密採点Aiについて説明していこうと思うのですが、大きな視点で見ると前作「精密採点DX-G」やそのさらにひとつ前の「精密採点DX」との共通点が多いので、都合により結構省略させてもらいます。上記二つの採点の攻略は調べれば無数にヒットすると思うので、必要に応じてそちらもお読みください。


前作・前々作との共通点

リザルト画面や各種集計サイト・アプリから見ることができるパラメータは一部を除きほぼ同じです。また、得点がそれらの値に基づいて計算されているという点も同じです。

左が精密採点DX-Gのリザルト画面1ページ目、右が精密採点Aiのリザルト画面1ページ目

具体的には、リザルト画面1ページ目の右半分に表示されるチャート(五角形のやつ)の5つの値が総合得点(リザルト画面1ページ目の左半分に大きく表示される数字)の大部分を決定します。上から時計回りに「音程」「安定性」「表現力」「リズム」「ビブラート&ロングトーン」(以降略して「VL」と書きます)ですね。
この5つのうち「表現力」についてはかなり大きな変更がありますが(後述)、他の4つについては100点を目指す段階で気にするほどの差はないと思われます。


前作・前々作からの変更点

まず上述した「表現力」の項目の仕様が大きく変わったのですが、その前にもっと大きな変更点から説明していきます。

①ボーナス点の仕様変更について
まず、前作では一旦得点が表示された後にボーナス点が追加されて最終的な総合得点が決まっていたのは知っている人が多いと思います。また、そのボーナス点には得点が高くなりやすい順に「表現力ボーナス」「ビブラートボーナス」「音程ボーナス」の3種類がありました。またこのボーナス点はチャートの各値(特に音程正確率)が低いほど高くなりやすい傾向があり、表現力ボーナスなら最大で3点台つくこともありました。

上段2つが表現力ボーナス、左下がビブラートボーナス、右下が音程ボーナスのとき
音程正確率は順に79%、87%、93%、100%で、上段2つだけでも音程との負の相関が分かる

実際に音程との相関をグラフにしてみたものが下の図になります。総合点がカンストしてしまうと本来よりもボーナス点が低く表示されてしまうだろうと判断し、100点以外のデータのみをなんとかかき集めました(もちろんすべて自分のものです)が、負の相関があるのは間違いなさそうですね。

音程とボーナス点の相関図
「君が代」のリザルトデータのうち総合点がカンストしていないもののみ使用

(追記)どうやら前作のボーナス点の仕様は自分が想定していたものと違ったようで、厳密には加算式ボーナスではないようです。ここの認識が正確でなくても攻略には影響しないと思うので、一旦このままにしておきます。詳しく知りたい人は開発者のインタビュー記事を探して読んでみてください。(追記終わり)

しかし、今作では「Ai感性ボーナス」の1種類のみになりました。また詳しいことは後述しますが、音程正確率との正の相関はおそらくほぼなくなり、値の幅も大きく場合によっては最大で7点近くつくようになりました。

写真が残っていた自分のリザルトのうち最もボーナス点が高いものと低いもの

「じゃあ高得点、なんなら100点も狙いやすくなったんじゃない?」と思う人がいるかもしれませんが、残念ながら現実はそうではありません。ここめっちゃ大事です(勘違いしている人をかなりの数見かけます)。
これはおそらく前作もそうですが、まずボーナス加算前に表示される得点(以降「素点」と書きます)と総合得点がチャート5値などから計算されます。その差分をボーナス点とし、素点表示→ボーナス点表示→加算演出→総合得点の表示の順に画面が切り替わります。
(補足)内部でもこの順に計算されているかは分かりませんが、攻略する上では内部でもそうなっているものと認識して問題ないでしょう。(補足終わり)
簡単に言うと最終的な得点は表示前にすでに決まっていて、ボーナス点の加算はただの演出です。出来レースです。マッチポンプです。また素点成分の値について、前作のような分かりやすい法則は見られません。ですから、前作と違いボーナス点の値も素点の値も単に100点を狙う段階では気にしなくてよく、最終的に表示される総合得点だけを気にすればOKです。
💯まとめると、ボーナス点は3種類から1種類になり高い値が出やすくなりましたが、演出でしかないのでこだわりがなければ気にする必要はありません。同様に素点成分の値も特に気にしなくて大丈夫です。

②所謂「裏加点」の仕様変更について
前作・前々作には「裏加点」と呼ばれている隠しパラメータがあり、具体的には声の倍音成分の量に応じて下駄を履かされていました。そのため、使うマイクによって点数が大きく変わることもあり、声質によっては店のマイクでは100点を出すことがかなり厳しいことさえありました。
下に参考までに現実的に発生しうる加点および減点の例を載せます。裏加点の計算式自体が非公式で決して正確なものではないため、大きく欠けた項目があるとだんだん不正確な値になっていくと考えられる点には注意してください。

集計アプリ「集計分析」のスクリーンショット
左は安定性が大きく欠けたが裏加点に救われて100点を取れた回(マイマイクのCM2000)
右はチャートは実質完全に埋まったが裏減点が酷く総合100点すら取れなかった回(店マイク)

今作では(おそらく)マイクによる差をできるだけなくすことを目的として、そのような加点の仕方はしないようになりました。仮に存在しても意図的に操作することはかなり難しいと思うので、前作のように意識しながら歌う必要はなさそうです。
(追記)
大昔は「四倍音の量によって点数に差が出る」という噂が広まっており、「三森」などと呼ばれていました。しかしこれはおそらくというよりほぼ間違いなく誤りです。現在有力な説は、「倍音は総合得点には影響しないが素点成分には影響する」というものです。素点が高い状態を美徳とする思想の方以外は倍音に意識を向ける必要はないと思います。マイクも店においてあるもので全く問題ありません。(追記終わり)
💯まとめると、マイクを変えることで点数が大きく変わることはなくなり、声質によって結果への影響があるとしても総合100点を狙う上での有利不利を生むものではない、と考えて良いです。

③表現力の仕様変更について
お待たせしました、この見出しの最初で触れた「表現力」の項目の変更についてです。2019年10月1日に正式にリリースしたLIVE DAM Aiですが、実はその少し前に先行試遊会のようなものがあり、参加者はリリース前に今作を体験できていました。自分は参加しなかったので流れてくる参加者のツイートを見ていたのですが、DX-Gで余裕で100点を出すような人たちですら点数が最大96点くらいで、チャートを見ると表現力の項目が大きく欠けているものばかりでした。つまり、前作・前々作をどれだけやりこんでいた人でも、今作の新仕様を理解していなければ表現力の項目で高評価を得ることはできないと言っていいでしょう。
前作までの復習をしておくと、表現力の項目は大きく分けて「抑揚」と「表現技法」の2つからなり、表現技法には「しゃくり」「こぶし」「フォール」の3種類がありました。ウエイトとしては抑揚が大部分を占めており、表現技法を全く入れなくても抑揚さえ付けられれば高得点が狙えていました。また、「抑揚100点」「しゃくり30回以上」「こぶし5回以上」の3つを満たせば、どこで何回どの技法を入れたかの内訳に関わらず表現力の項目が100点になる仕様でした。また、この3つのうちどれかが欠けても他の2つがしっかりしていれば表現力が100点になることもありました(詳しいことはわかりませんがボーナスの種類が「表現力ボーナス」になっていることが必要条件であるのは間違いなさそうです)。

画面中段が精密採点DX-Gにおける表現力の項目
抑揚、しゃくり、こぶし、フォールの4つが確認できる

今作では、大きく分けて「抑揚」と「表現技法」の2つからなっている点は変わらないのですが、直接見られる上記3種類の表現技法(以降「オモテ技法」と書きます)に加えて、「アクセント」「ハンマリング・オン」「ヒーカップ」「エッジボイス」などの隠れた技法(以降「ウラ技法」と書きます)が多数登場し、表現技法のウエイト自体もかなり重くなりました(抑揚の値にもよるそうですが66~75%程度とみてよさそうです)。さらには、表現技法の中でもオモテ技法よりもウラ技法の方が影響が大きいというのが通説で、これらを無視することはできません。

集計分析のスクリーンショット
当時「裏4値」と呼ばれていたウラ技法の検知数が確認できた時代のもの

これは次回も触れますが、表現技法の仕様変更にともなって大きく戦略が変わったと言えそうなのが、「オク下だと不利」「短い曲だと不利」であるという点です。ウエイトの大きい新技法の一部がオク下(譜面より1オクターブ低いピッチで歌うこと)だとほぼ検知されなくなってしまうので、等オク(譜面通りのピッチで歌うこと)で歌うことがかなり有利になってきます。そのため、キーを下限(-7)まで下げて等オクで歌う人が多いです。また求められる表現技法の検知数が前作とは桁違いなので、短い曲だと十分に表現技法が検知されないまま曲が終わってしまいます。そのため前作とは真逆で、初心者向きの曲あるいは100点を取りやすい曲として挙げられるもののほとんどがかなり長い曲です。
抑揚についても仕様が変わっており、前作では「高頻度で一定以上の抑揚をつける」ことが条件でしたが、今作では「声量差と大小の割合を適正ラインにする」ことの2つが条件であると考えられています。つまり抑揚のタイミングが自由になりサビ強め方式や後半盛り上げ方式などの大まかなつけ方での攻略が可能になりましたが、一方である程度の声量差は必要でも逆に激しすぎるのもダメになり前作に慣れていると思わぬ減点が発生するようになりました。
💯まとめると、表現力の項目が大きく分けて抑揚と表現技法の2項目からなる点自体は前作と変わりません。抑揚は大小の割合さえ良ければタイミングは自由になった一方で、声量差が大きすぎても減点されるようになりました。また、表現技法のウエイトがかなり大きくなりさらにその中でもウラ技法の重みが大きいので、前作で余裕で100点を取れていた人でも新たな技法を習得する必要が出てきました。また、この表現技法の仕様変更に伴い、オク下で歌うことや短い曲を選曲することが不利になりました。

④「間奏ビブ」の廃止について
全スコアラーブチギレ案件ですよこれは。「間奏ビブ」というのは間奏中(バーがないところ)にビブラートをかけることで、ビブラート評価を引き上げるのに有効な手だったのですが、これができなくなったのでバーがあるところだけで勝負しなくてはならなくなりました。まあ本来間奏中にビブラートかけてるヤツの方が変だと言われたら返す言葉もないですが。

⑤「Ai感性」の登場について
採点の仕様がよくわからないままこのページにたどり着いた人の多くはこれが気になっているのではないでしょうか。前作のどの項目にも対応していない完全新規の項目です。
これが結構わかりにくく説明する側としても厄介なのですが、とりあえず一旦、Ai感性にはリザルト1ページ目右半分に表示されるピンクと青のゲージと、2ページ目中段に表示される最大24本の棒グラフの2種類があると思ってください。

左側の画像がリザルト画面1ページ目、中段右側にピンクと青のゲージが見える
右側の画像がリザルト画面2ページ目、中段にピンクと青の棒グラフが見える

前者についてはAi+ (右半分のピンクのやつ) とAi- (左半分の青いやつ) の2つからなっています。この2つは独立していて、たとえばAi+が90でAi-が30だったとして、それらが相殺されて+60になったりすることはありません。
後者については曲中の各区間(歌ってるときに右上に表示されている123456みたいなやつ)でAI(大嘘)が好むポイントと嫌うポイントがどのくらいあったかを表しています。歌っているときにピンクや青の線が飛んでいって右側のメーターがたまるのを見たことがあると思いますが、それが蓄積したものがこのグラフです。このグラフのピンクと青の棒が先ほどの1ページ目のゲージのピンクと青の値を決めるという仕様になっています(具体的なことは後の記事で触れます)。
💯まとめると、曲中で飛んでいるピンクや青の線が蓄積したものがAi感性で、それぞれAI(大嘘)が好むポイントと嫌うポイントに対応しています。


おわり

以上、ご精読ありがとうございました。次回は総合100点を取るために必要な知識について触れようと思います。


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