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精密採点Aiについて雑記 ~ソテカン導入編~

はじめに

今回はいよいよソテカンについて踏み込んでいきます。
復習ですが、精密採点Aiでは最初に点数が表示された後にその右上に「Ai感性ボーナス〇〇点」という表示が出て、その分が加算された得点が最終的な総合得点としてもう一度画面に表示されます。ソテカンというのは「素点カンスト」の略で、ボーナス点が加算されて初めて100点になるのではなく、最初から100点と表示されることを指します。


ソテカンするためには

ではそのソテカンはどうすれば可能なのでしょうか。精密採点DX-Gとは異なり、ひたすら高水準のチャートにしていけば素点が上がっていくわけではなく、チャートに関しては通常のカンストと同レベルでソテカンできます。今回の採点では(厳密にいえばDX-Gもそうですが)素点とボーナス点を算出して合計したものを総合点としているわけではなく、素点はボーナス点周りの補正を経てあとあと計算されるものなので、そこだけをピンポイントで上げて100.000にすることはできません。一応素点を引き上げる(ボーナス点を下げる)ことはできますが、現在の通説では素点99.650点ボーナス0.350点のカンストが限界です。
念のため確認しておきますが、ソテカンを達成する条件は2つです。
・総合得点が100.000点であること
・ボーナス点が0.000点であること
この2つを同時に満たせば理論上はソテカンになることが分かると思います。実はやること自体はこの2つだけなんです。一つ目については知識と技術を身につけてもらいひたすら経験を積んでもらえれば、そのうちできるようになると思います。問題は2つ目のボーナス点を0にする作業の方です。
上記の通り普通にやっていても0.350点までしかボーナス点を削ることはできないので、ボーナス点を0.000点にするには新たな知識が必要になってきます。


総合得点を100点にするには

以前の記事に書いた内容ですしTwitter等でいくらでも学べるとは思いますが、軽く復習をしましょう。
まず基本的には総合得点はチャートの5つの値(音程、安定性、表現力、リズム、VL)によって大まかに決まります。小数点以下がどうなっているかにもよりますが、チャートの見えている部分については音程4%で計490あたりを目安にするといいかなと思います。
音程正確率が高すぎると減点される仕様になっているため、どんなに高くても96~97%には抑えるようにしましょう。
表現力に関しては、抑揚と表現技法の大きく分けて2つの項目で高評価を得ることが重要なのは同じですが、DX-G以前から大きく仕様が変わっています。抑揚については大小差が激しすぎる場合に目立った減点を喰らうようになりました。表現技法については従来の「しゃくり」「こぶし」「フォール」に加えてたくさんの技法が追加されており、しゃくり亜種系、アクセント系、中央系、ヒーカップ系、エッジ系、その他歌いまわし系に大別されるという認識でいいと思います。中でも重要度が高いと思われるのはアクセント系と中央系で、多くの人によく使われてはいますがヒーカップ系はおまけ程度の認識で良いでしょう。エッジ系はそもそも検知が難しいので無理に狙う必要はないです。歌いまわし系はよく分かりません。ただし多くの種類の技法を検知させた方が高評価になりやすいのは間違いないので、使える技法を増やすのは大切です。
リズム、ビブラート&ロングトーン(VL)、安定性に関してはほぼ前作の知識を活かせます。VLについては秒数の合格基準値が共に上がっているのでその点には注意が必要です。また安定性については、旧作では減点されるような歌い方でも上記多数の技法のいずれかが検知されると減点されなくなる、という仕様であると考えられており、実際に前作よりもかなり評価値100を取りやすくなっています。
前作で「裏加点」と呼ばれていた倍音成分の評価については今作では一切無視して大丈夫です。有志の検証によって、総合点には影響がなく素点成分のみ1点程度引き上がることが判明しています。余談ですが、このことから今作の素点成分には旧作の採点ロジックが関わっているという説も有力です。
「Ai感性」なる新項目も、単に100点を取るだけの段階では無視して大丈夫です。


ボーナス点を0点にするには

次にボーナス点の方です。ボーナス点を0にすればいいと言われてもどないせぇっちゅうねんという話ですよね。ここで関係してくるのが、総合得点には関係していなかった「Ai感性」になります。よくできていますね。結論としては、「Ai感性+の値(ピンクのゲージの長さ)がAi感性-の値(青のゲージの長さ)よりも小さければ必ずAi感性ボーナスが0.000点になる」という仕様になっています。0.000点になるとは書きましたが、実際には何も表示されません。前作と異なり特殊な仕様になったため、「総合100点の条件は満たさなかったがボーナス0点の条件は満たした」場合、ソテカンした場合と同様に、素点が表示された後何の演出もなくその値がそっくりそのまま総合得点になります。前作でソテカンに必要なチャートに届きつつも解禁切りに失敗したケースとイメージとしては近いですね。

総合100点の条件は満たさずボーナス0点の条件は満たしたケース
非カンストであるにも拘らず総合得点の右上にボーナス点の表示がないのが分かる
見づらいが(Ai+の値)<(Ai-の値)の条件をギリギリ満たしている

ちなみにソテカンとは両立しえないためあまり関係ない話ではありますが、上記の条件を満たさなくても「総合得点が50.000点未満である」ことを満たせばAi感性ボーナスが0.000点になるという仕様もあるようです。意図的に低くしないと出ない点数ではありますけどね。
また、解析勢によるとさらにもう一つソテカンする方法があるとのことですが、詳しいことは分かっていません。
💯再度書くと、Ai感性のゲージを(ピンク)<(青)にすればボーナス点を消すことができます。総合得点とは独立の値なので、総合100点の条件は満たさずボーナス0点の条件は満たしたような場合には、素点が表示された後何の演出も起こりません。


ソテカンへの道

さて、ここまで読むとそこまで難しくなさそうに感じる人もいると思います。そんな人に優しく地獄を見せてくるのが現実というものです。
まずAi-(青い方)のゲージをかなり伸ばす必要があり、現実的には満タンにするのが必須だと言っても過言ではありません。青が満タンでなくてもその分ピンクも削ることでソテカンをしている人もいないわけではないですが、少なくとも自分の117曲128回のソテカンデータを見ると、Ai-99のものとAi-96のものの2回を除いた119回でAi-100になっています。青ゲージを満タン付近にすることが求められ、そのためには歌唱中に青線を多数飛ばす必要が出てきます。
また、同時にAi+(ピンクの方)のゲージを削る必要があります。ある程度カンストに慣れてきた、あるいはカンスト圏内に入ってきた人なら、よほど短い曲でもない限り普通に歌うだけでもAi+100になってしまいます。これではAi+がAi-を下回ることができず、ソテカンすることはできません。そのため、できるだけピンクゲージを抑える必要があり、そのためには歌唱中に飛ぶピンクの線を減らす必要が出てきてしまうのです。
一旦ここでその詳細に触れます。先に断っておくと、以降表記揺れするかもしれませんが、「Aiピンク」や「Ai青」はリザルト画面2ページ目の棒グラフの高さに当たる数値の方で、「Ai+」や「Ai-」はリザルト画面1ページ目のゲージの長さに当たる数値の方だと思ってください。混ざっていることがあったらすみません、見つけ次第直していきます。


ピンクと青の調整の仕方

以下具体例として6*4=24の小区間全てでAi感性が判定されている曲を想定して話します。精密採点Aiの定番曲だと「さとうきび畑」「story」などが該当します。
まずピンクはできるだけ抑えられるのならそれに越したことはありませんが、青は多ければ多いほど良いというのは正確ではありません。Ai-を100付近にするのに必要な分だけAi青を入れれば十分です。「この曲はどのくらい青があれば足りますか?」などと聞いていただければ個別にも答えられますが、一応Ai-の計算方法を載せておくと
(Ai青グラフの長さの合計)*3/(Ai感性の判定対象となる小区間の数)
で求められることが分かっています。上記該当曲であればAi青の合計が800以上でAi-100になります(800*3/24=100)。冬のうたであれば、通常と生音はフル歌唱で小区間数が21なので700、名演Pはフル歌唱で小区間数が22なので733.333…あればAi-100になります。
また、前提として「Aiピンクのバーを伸ばす小区間とAi青のバーを伸ばす小区間を分けた方がAi+の値が低くなり有利である」というのが通説で、ピンクと青を切り離すことを「分離」と呼んでいるのですが、これについては正しいとみて間違いないと思います。実際に解析勢が計算方法を特定しており、同様の結論を出しています。逆に「共存」と言われるピンクと青が同じ小区間に多数入ってしまう状態になると、その分のAi+が本来の約1.3~1.5倍くらいにカウントされてしまうのです。


Aiピンクの削り方

前の項目を読んでいて違和感があった人もいるかもしれませんが、「最大24の全小区間で表現技法の加点を狙っていると、ほぼ必ずAi+100になってしまう」ことがこの採点でソテカンを狙う上で立ちはだかる最大の壁になります。総合カンストがソテカンの条件の1つではありますが、そのために表現力の値を上げようとして表現技法をずっと狙っているとAiピンクが蓄積してAi+100になり、ボーナス点を0にすることが不可能になってしまいます。そのためAiピンクを抑える必要があるのですが、かと言ってあまり技法を検知させないようにしすぎると今度は表現力がカンスト圏外の値になってしまいます。
パラドキシカルな状況ですが一つだけ打開策があります。それは「Aiピンクを詰め込む区間と0に近づける区間に分ける」ことです。Ai-の方とは異なり、前述の「共存」が邪魔する影響で計算式は簡単ではないのですが(詳しいことは解析勢が出した書物の中に書いてあります)、概ね「最大24の小区間それぞれでのAiピンクの値からトータルのAi+の値が算出される」という認識で大丈夫だと思います。そして各小区間で加算されるAiピンクの値には上限があるようです。この2つの情報から、たとえば「Aiピンクがちょうど100になるような小区間を2つ用意するよりも、そのうちの片方だけに200詰め込んで見かけ上100と0にした方がAi+の数値を下げられる」という結論が得られます。「分離」が求められるもう一つの理由がこれです。後述する通り実際には0にするのは難しいですが大まかな考え方はこんな感じです。
具体的な目安を書いておきます。想定するのは24の小区間全てでAi感性が判定されている楽曲・譜面です。ピンクを抑える区間でしっかり抑えられていれば、詰め込む区間を10~14くらい用意してもAi+100にならずに済みます。現実的には多少の共存はあるでしょうから目安は11~13です。一曲を通しての約半分にありったけの表現技法を詰め込んで表現力の項目を高評価にする必要があるということです。そのため、通常のカンストを狙う時と比べるとかなり忙しくなります。毎ページピンクのメーターが余裕をもって満タンになっているくらいが目安です(ところどころ欠けても大丈夫です)。このときのコツなどの詳細は別の記事に回します。

ソテカン時のリザルト
ピンクの棒グラフが大きく伸びている区間が13区間あり、これだとAi+にあまり余裕がない
ソテカン狙い時のピンク地帯の様子
かなりの数(おそらく10本)のピンク線が飛んでいるのが見える

💯まとめると、表現力の評価を高水準に維持しつつAi+の値を100未満に抑えるためにはAiピンクを曲の約半分にまとめなくてはならず、そのためには「表現技法を検知させまくる区間」と「表現技法を検知させないようにする区間」に分ける必要があります。


Ai青の増やし方(青線の飛ばし方)

仮にAi+を100未満にできても、Ai-が不十分で(Ai+の値)<(Ai-の値)を満たさない場合にはボーナス点がついてしまいます。そのためには歌唱中に青線を多数飛ばしてAi青を相当な量(今回の例だと計800以上)蓄積しなくてはなりません。これについては正直なところ、「こうすれば必ず青線が飛ぶ」というレベルの理解が自分にはまだできていません。ソテカン熟練者の間でも細かいところの認識が結構異なっていそうなくらいにまだ攻略の余地がある分野だと言ってもいいと思います。とりあえずは普段自分が青線を飛ばすためにやっていることを書こうと思います。

①抑揚をつける
こう書くと「100点を取っている時点で抑揚はある程度十分についているのではないか」と思われるかもしれません。青線を出すためには、ある程度激しい抑揚が必要になります。普段から抑揚の項目が十分な人なら分かると思いますが、大小を切り替えたタイミングで青線が何本か飛ぶことがあると思いますが、あれをもっと多くの区間で飛ばす必要があるということです。抑揚はついていてもあまり青線が飛ばないタイプの人であれば、抑揚のつけ方自体を変える必要が出てきます。入力音量差が必要なので、マイクを近づけたり遠ざけたり(マイクコントロールと呼ばれており、以降「マイコン」と略します)、近づけた際にマイクを手で覆ったり(「モコモコ」と呼ばれています)することで抑揚をつけるのが一番安定しやすいです。

②ぶつ切りする
これはDX-Gで安定性を削られないようにやっている人が多いと思います。やり方は同じで大丈夫です。ビブラートを入れるバー以外では最後まで発声するのではなく、途中で切ってしまいましょう。するとそこそこの頻度で青線が飛ぶのを確認できると思います。①と辻褄が合う理屈としては、入力音量が突然0になるため、あるいはマイクスイッチを切る際に一瞬入るノイズが影響するため、などが考えられます。自分は「機械側が『今不自然な切り方をしたな』と判定すると青線が飛ぶ」かのようなイメージでやっています。

③オク変をする
DX-Gではほぼ必須とされるテクニックですが、Aiでは等オク有利の仕様もありあまり使っていなかった人が多いんじゃないかなと思います。おそらくオクターブ単位でピッチがズレること自体に青線を出す効果があるわけではないのですが、高音域と低音域とで声量が変わりがちなのが①で触れた声量差に繋がって青線が飛んでいるのだと考えられます。例えば筆者の場合だと、低音域が弱く裏声を使う音域だとかなり声量が大きくなるので、これをマイコンやモコモコとうまく組み合わせることで青線を出しています。入力される声量差が十分であれば必要のない技なので、①②に比べると優先度は低めです。

以上の①と②(と③)を同時に行うと結構な数の青線が飛んでいくと思います。ただし抑揚をつけてから青線が飛ぶまでには多少のラグがあり、未だ法則は見いだせていません。ただし繰り返し同じ曲で試していると毎度同じ場所では同程度のラグがあるので、ラグが長すぎる場合は少し早めにマイコンすることである程度うまく調節できます。青線が飛び終わるタイミングはある程度決まっていて、大体「小区間が切り替わるタイミング」になっていることが多いです(極端に長い曲だとそうでないことも多々あります)。そのため、「青線が1本だけ次の小区間にはみ出しちゃったせいで調整に失敗した」みたいなケースはあまり起こりえないと思われます。

青線が飛んでいく様子
ピンク線とは異なり、3~4本飛ぶだけでもメーターが満タンになることが多い

💯まとめると、(Ai+の値)<(Ai-の値)を満たすためにはAi-を極力100にもっていかなくてはならないので、曲中で青線をたくさん飛ばす必要があります。そのためにやるべきこととしては、マイコンやオク変で激しめの抑揚をつけつつ、その直後しばらくぶつ切りをし続けるというのが個人的な最適解になります。


おわり

ご精読ありがとうございました。今回触れなかった部分の詳細は別の記事で書いていくことになるかもしれません。また長くなりすぎたらいくつかに分けると思います。そのときはご容赦くださいませ。

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