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#23 たとえ忘れてしまっても

私はかなり忘れっぽい。昔読んだ小説やドラマの内容も、すっかり忘れてしまっている。夫や友達と話していても、内容も俳優さんの名前も全然出てこないことも少なくなくて、あんなに好きだったのにな、と思うことがよくある。覚えていたら、もっと盛り上がれるのに。
これ読みたい、と思って本を買って読んで、最後の最後に「あれ?読んだことあるかも」と気づくこともある。そうすると、その本はやっぱり家の本棚に並んでいて、1冊目にも2冊目にも何だか申し訳ない気持ちになる。

そんな私にとって、昨日のさとゆみさんの『今日もコレカラ』のエッセイは、希望に思えた。一部引用させていただく。

自分の身体が、これまで出会ったたくさんの人、たくさんの本、映画、漫画……、それらから降ってきた言葉や思想で濡れてきたのだと想像してみる。潤ったり乾いたりして、その結果経年変化した自分がいると想像してみる。化粧品や乳液以上に、お酒やプロテイン以上に、私の身体に染みているのは、そういうものなのかもしれない。
いやそれは、ちょっとロマンティックすぎるか。

すべて忘れてしまうのに
【さとゆみの今日もコレカラ/第207回】



そういえば、わたしは子供の頃に読んでもらった絵本の内容もすっかり忘れていて。有名なはらぺこあおむしもスイミーも、大人になって読み直してこんな話だったっけか……と思ったくらいなのです。
わたしの父が、たまに絵本のキャラクターのLINEスタンプを送ってきて、そのときには返信前にどんな絵本だったか調べてから返信をしていました。(覚えていないというのは忍びなく……ごめんよ父。)

でも、いま絵本を読む立場になって思うのは、たとえ子どもは忘れてしまっても、親は覚えているのだろうなということです。(同じ絵本をトータルで何回読んでるかわからないですよね。笑)そして、そこもまた絵本の魅力なのだろうなと思うのです。子どものために読んでいるようで、実は読む大人にも残るものがたくさんある。


最初に書こうと思っていたことから、全然違う話になって宙ぶらりんです……。
おやすみなさい!

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