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アルカン、アルケン、アルキンについて! 勉強シリーズ その12

 こんにちは、サァモンです。よろしくお願いします。

 先日、脂肪族炭化水素について勉強したので、今回はそのアウトプットも兼ねて解説していこうかなと思います。

 では、早速やっていきましょう!

脂肪族ってなに?

 脂肪? 贅肉のこと? どういうこと?

 有機化学を学んだことがある人なら、一度はこんな風に疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。

 かくいう私がそうです。

 そこで色々と調べましたので、ここで解説しようかなと思います。

 まず、有機化学を分類する上で、有名な分類が2つあります。

 それが脂肪族芳香族なんですね。

 なぜ脂肪なんていう名前になったのかというと、脂肪族というカテゴリに分けた物質の中で脂肪や脂肪酸が初めによく知られたかららしいです。

 つまり、有機化学の物質をいくつかの箱に分け、その一つの箱の中身に脂肪があったから、その箱の名前を脂肪族としたんですよ。

 そして肝心の脂肪族とは何か、ですが……これは鎖状の化合物のことです。

 つまり環状になっていない化合物のことですね。

 そして環状になっている化合物のことを芳香族といいます。

 今回はそんな脂肪族の中で、アルカン、アルケン、アルキンと呼ばれる分類の話をしたいと思います。

アルカンとは

解説と一般式

 アルカンとは、簡潔に言うと鎖式の飽和炭化水素のことです。

 飽和炭化水素とは、二重結合や三重結合を持たない化合物のことですね。

 そして一般式が CnH2n+2 として表されます。

 まずは代表的なアルカンから見ていきましょう。

代表的なアルカン

 有名なアルカンは上の一般式の n に 1 を代入することによって出来る物質です。

 CH4 で表されるメタンですね。

 よく聞くメタンガスの成分がこれになります。

 構造は正四面体構造です。

 ピラミッド型と言えば分かりやすいかと思います。

置換反応

 置換反応とはアルカンの分子中の原子が、他の原子や原子団と置き換わる反応のことです。

 メタンで例を上げると、塩素と反応するごとに……

 メタン→クロロメタン(塩化メチル)→ジクロロメタン(塩化メチレン)→トリクロロメタン(クロロホルム)→テトラクロロメタン(四塩化炭素)

 と言った風に置換反応を起こします。

 塩化メチルと塩化メチレンがごっちゃになりそうですが、ご心配なく。

 メチルとメチレンの文字数が少(3文字)→多(4文字)となっていますね。

 つまり文字数が少ないほうが先にくると覚えておけば良いんです。

 私はこれで覚えました。

例外的なシクロアルカン

 先程脂肪族は環状ではない化合物といいましたね? 

 ですがここに例外のようなヤツがいます。

 それがシクロアルカンです。

 シクロアルカンは環式飽和炭化水素といって、CnH2n (n>=3)で表されます。

 アルカンのくせして一般式も違うし、環状だし、異端児のようなヤツです。

 注意してください。

アルケンとは

解説と一般式

 アルケンとは2つの C 原子の間に二重結合を一つ持つ鎖式炭化水素です。

 二重結合を持っているので、飽和炭化水素ではありません。

 ご注意ください。

 そして一般式はCnH2n(n>=2)で表されます。

 奇しくも上で記したシクロアルカンと同じ一般式ですね。

 代表的なアルケン

 代表的なアルケンは一般式の n に2を入れた C2H4 で表されるエチレンです。

 普段あまり聞き慣れないですが、意外とよく聞く物から作られるんですよ?

エチレンの製法

 エチレンはエタノールを脱水することによって生成します。

 新型コロナウイルスが広がったことにより需要が一気に高まった消毒液、その成分で有名なあのエタノールです。

 とても身近なものからエチレンは作られているんですね。

構造

エチレンの場合

 まずはエチレンの構造について見ていきましょう。

 なんと驚いたことに、メタンの構造は立体的だったのに対して、エチレンは平面的な構造をしているんです。

 エチレンを構成する全ての原子が同一平面上に存在しています。


CHR=CHR'の場合

 Rは原子、原子団の総称だと思ってください。

 こちらは特にコメントはありません。

 しかし構造という観点において注意してほしいことが一つ。

 それは幾何異性体をもつ、ということです。

 幾何異性体とはなんぞや? という方は、以下の記事にその説明があります。

 よければご覧ください。

付加反応

 付加反応とは、二重結合の部分に他の原子、原子団が結合する反応のことです。

 後で記すアルキンの三重結合部分にも同じ現象が起こります。

付加重合

 付加重合とは、多数の分子が付加反応によって次々と結合する反応のことです。

 特徴としては、付加重合によってできた物質は「ポリ」という名がつくことでしょうか。

 ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなど、聞いたことありますよね?

 そういったものは全て付加重合によってできた物質です。

アルキンとは

解説と一般式

 アルキンとは2つの C 原子の間に三重結合が1つ存在する化合物のことです。

 一般式は CnH2n-2 (n>=2) として表すことができます。

代表的なアルキン

 代表的なアルキンは一般式の n に2を入れた C2H2 で表されるアセチレンです。

 エチンとも言いますが、アセチレンという名前の方が一般的に使われるようです。

アセチレンの構造

 アセチレンの構造は直線構造です。

 アセチレンを構成する全ての原子が一直線に並びます。

アセチレンの製法

 アセチレンは炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)に水を反応させることで、水酸化カルシウムと一緒に生成されます。

 炭化カルシウムの化学式は CaC2 です。

 そして水酸化カルシウムは消石灰とも言う点に注意してください。

アセチレンの付加反応

 付加反応の説明は既に行っているので、ここではアセチレンの付加反応の例をいくつかあげようと思います。

 アセチレンと酢酸で酢酸ビニル
 アセチレンと水でアセトアルデヒド
 アセチレンと塩化水素で塩化ビニル
 3つのアセチレンの付加反応でベンゼン





 以上で纏めは終わりです。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 もし分かりにくいところがあれば、コメントで教えて下さい。

 では、またどこかでお会いしましょう。

 ありがとうございました。

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