ニコニコ動画における音MADの再生数・マイリス数について
この記事は音MAD Advent Calender 2023の8日目の記事です。
動機
やっぱり動画のマイリス率は気にしちゃう方なのですが、マイリス率って再生数が伸びると下がっていくじゃないですか。そのため、再生数とマイリス数がどのような関係にあるのかを調べたくなりました。
以下、logは常用対数とします(すなわち、底=10です)。
集計について
集計方法
ニコニコ動画 『スナップショット検索API v2』を使用。
https://site.nicovideo.jp/search-api-docs/snapshot
集計対象
2021/11/1~2023/10/31に投稿された、「音MAD」が含まれるタグのついた動画。
37039件。
参照時間
2023/11/29 21時くらい。APIの性質上、その日の朝5:00のデータが集計されています。
動画の長さの分布
本筋とは関係ないですが、データが集まったので、せっかくなので。動画の秒数の分布を書いてみます。
とりあえずヒストグラムを書くか~
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
おい!!!!!!!!!
おい!!!!!!!!!!!!!!!
となるので、以下ヒストグラムを書く際は外れ値をカットしているか対数をとっているかしています。
30分以下の動画に絞ってみます。こう見ると(当たり前ですが、それにしても)10分越えの動画ってかなり少ないですね。
600付近で増えているのは、週刊音MADランキングです。
ちなみに360付近でも増えているのですが、確認したところほぼ柴又でした。納得ですが、柴又はやはり強い。
さらに5分以下、3分以下の動画に絞ってみます。傾向として一番多いのは30秒前後ですね。また90秒の動画が突出して多いです。絞ってみましたが、特に目立ったシリーズはなく、様々な曲で作られていました。
再生数、マイリス数、いいね数の分布
これも気になるので出力しました。
きれいな分布になっていますね。再生数は300~600が一番多いようです。
log(0)が定義されてないので、普通のヒストグラムで、マイリス数といいね数の分布を0から50までに限定してみます。
マイリス数の最頻値は0です。思ったより現実は厳しい。マイリスが1つでもされたら誇ってよいです。
再生数とマイリス数の関係
気になるやつです。
すごくきれいなグラフができました。なぜ?
読み取れること
log(再生数)とlog(マイリス数)の分布はほぼ直線状に並んでいる。
傾きは0.8くらい?→マイリス数は再生数^0.8に比例?
log(マイリス数)≒0.8*log(再生数)-1.2くらい
個別の動画について
こうなると各動画の伸びていく推移も気になります。再生数とマイリス数の関係のみ見てみます。nicochartのデータを利用しました。
自分の動画(sm42954175)で確かめてみます。
めちゃくちゃ直線的ですね。傾きは(最小二乗法で近似したところ)0.72くらいでした。
(僕の動画ではないですが)他の動画でも検証。
グラフを見る限り最後の動画は工作されてそう
大体直線のグラフです。(適当に自分が選んだだけなので、そこでバイアスがかかっている可能性があります。)
傾きは0.6~0.75くらい。全体の傾向の0.8よりは小さいです。これはマイリス数されやすい動画は再生数が増えやすいからだと考えられます。
なぜ直線状になるのか?
これについて考えたのですが、あまりよくわかりませんでした…
考えられる理由の1つ目は、最初の視聴者、すなわち音MADに張り付いている人ほどマイリスをすることです。これについてはあまり理由を説明できないと思っています。というのも直線状になるという傾向は再生数が万単位になってもあり、そこまでくると視聴者層はあまり変わらないと思うからです(主観です)。
考えられる理由の2つ目は、リピーターの存在です。視聴は何回でもできるのに対してマイリスは1回しかできません。時間が経つにつれてリピーターの割合が多くなるため、マイリスが視聴者ほど増えないのではないかと考えられます。
そもそもグラフが直線状なのかも疑問です。直線よりは若干グラフが上に凸になっているようにも見えます。
まとめ
log(マイリス数)≒0.8*log(再生数)-1.2
個別の動画については、log(マイリス数)≒(0.6~0.75)*log(再生数)+(定数)
なぜこうなるのかは不明
今後の展望
再生数・マイリス数の伸びを表す数理モデルを作り、log(マイリス数)がlog(再生数)の一次関数で表されることの理由の説明。
なにか分かったことがありましたら、お気軽にメッセージを送ってください。
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