プラスデジタル編集後記・解説
投稿しました!
約半年ぶりの投稿となってしまいました。
着想・制作の流れ
3月か4月くらいに降ってきました。
これらの音MADが大好きで↓
好き~~~
これも好き~~~
プラス男子とアグネスデジタルって合うんじゃないかって思って頭の中で構成を考えてみると、とてもよさそうだったので、作ってみたくなりました。
しかし2月に投稿されたウマ娘競奏曲が凄すぎてこれ以上のウマ娘音MADはいらないんじゃないか?って思ってしまったため王道をしばらく作れずにいましたが、5~6月ごろになってようやく勇気が出てきたので、作り始めました。
この期に育成ウマ娘交換チケットをアグネスデジタルに使いました。
そこから完成までに時間がかかりました…。私用で忙しかった時期があったためで、ずっと作ってたわけではないです。
イラストを6月ごろに依頼し、映像は8月から作り始めました。またもすもすさんから音声についてアドバイスをもらいました。ありがとうございます。
元々10月28日(2001年天皇賞秋の日付)に投稿する予定でしたが、ウマ娘合作ファン感謝祭の告知があり、被ると供給過多になっちゃうなと思って遅らせました。主催が荒井暁さんだし、にふだうさんもいるし。
やばい!!!!良すぎ!!!!!
デジタルの動画がなかったのは若干ラッキーだったかもしれない。
寝かせておいて11月10日に投稿することにしました。何かの記念日という訳ではないです。
10月中旬に鮭醬油さんとチョコ味バームクーヘンさんにほぼ完成した状態の動画を見せてアドバイスを貰いました。とても参考になりました。ありがとうございます。
コンセプト
王道!僕がニナイチハラニナ以降作ってなかったものです。やはり王道の音MADは、小手先の技術ではうまくいかない分、それなりに技術がいると思っています。
特に影莉央さんの「じゃじゃうまーっ!」とか「不沈艦前夜」とかそういうのを作りたい、いっそ超えてしまいたい!という気持ちで。ていうか上で挙げたウサミンも影莉央さんの動画だし。影莉央さんへのBig Love…
音声や映像でわかんねーって思ったら影莉央さん、不可逆褐色さん、たいうおさん、タイキシャトノレさん、EastMtさんなどなどの音MADを見ていました。
王道中の王道をコンセプトとし、「みんなこういうの好きだよね」を詰め込みました。
最後まで作った感想ですが、めちゃくちゃ難し~~~ってすごく思いました。若干消化不良な部分もあるけど作りきるのは大事。
投稿後に影莉央さんから反応を貰えました。めちゃくちゃ嬉しかったです。
構成
構成が7割決まって、これ勝ちじゃん!ってなったら作り始める感じです。音MADの9割はアイデアだと思っている人間です。
ウマ娘ってボイス素材が限られるんですよね。限られた中から考えた結果、ウマ娘ストーリーをなぞることにしました。
ストーリーでは、アグネスデジタルがデビューするに至る苦悩や決心が描かれています。今までアグネスデジタルの「レースでのウマ娘」という面を照らした二次創作は少ないと思いますし、そこを表現したいなと思いました。
タイトルなんですが、デジタルを記号であらわすとなると⋈(頭のリボン)しかないな、でもこの記号は政治的な意図でも使われてるし嫌なんだよな~~とかなり悩みました。ただ他に記号が思いつかなかったので使いました。
音声(人力ボカロ)
結構頑張ったのでちゃんと記事を書こうと思います。
上の人の方が参考になるかも。
台詞で人力ボカロをする場合には少し役に立つかもしれません。ただし数百個のセリフ素材があることを仮定します。もっと少なくてもできるかもしれないですがわかりません。
また、今回はプラス男子という爆音でアップテンポな曲であることに注意してください。バラードみたいに歌わせる曲だと違うはずです。
音素選び
アグネスデジタルは喋り方と歌い方がかなり違います。歌を聞いたことがない人は適当に動画サイトでうまぴょい伝説が聞けるので聞いてみてください。オタクではなくアイドルモードで歌ってる感じです。今回はオタクっぽく歌ってほしかったので台詞から音素をとってきました。
素材は多ければ多いほど良いので台詞を全部集めます!!!パワー!!!
まず歌は綺麗に伸びた声が大事になるのですが、台詞の場合はかなり貴重です。とくにアグネスデジタル、変な声ばっかり出すから大体ピッチを変えると破綻するんだぞ。
まず、「最高~~~~!」とか「いいんですか?」とか母音を伸ばしてそうな台詞を逐一探し、よさそうな母音を集めます。これが重要です。
その後、五十音を一つ一つ切り取ることはしません。めんどくさいというのも一つの理由なのですが、主な理由は連続音で切り出したいからです。(大量の音声の存在を仮定しているのもそのためです。)
台詞一覧を出力して(コマンドプロンプトのtreeコマンドを使えば簡単)、切り出したい音を検索して貼り付けを繰り返します。この際できるだけ繋がった音を探すと良いです。特に連続した母音や「ん」の前後、有声子音の前はできるだけ繋げます。台詞を全部ローマ字にすれば検索が楽になりますが、そうする作業が面倒だったのでやりませんでした。プログラムを書けばできそうではあります。
切り出した貼り付ける際は音同士が離れるようにします。
そのあとVocal Shifterで音程を均一にして、Reaper上で味付けしながら結合します。私は今回このやり方でしたが、一回均一にしてから味付けしているのでその部分でキャラらしさが失われているかもしれないです。台詞は歌声とは違うため、こういうやり方でよかったかもしれません。
あとkとかtとかの子音の発声前にちゃんと空白を入れるのは大事です。
ミックス
いろいろ試してみて、ミックスの重要性を感じました。
ブラックフライデーのときにWavesとiZotopeのバンドルが安くなってたから買っちゃったけど音MADならそこまで買う必要はないと思います。DeEsserとかEQとかCompとか、フリーでもいいやつがありますし。安心感を買った感じです。でもiZotopeのプラグインは飛び道具的なのが多いから便利だなと思います。
ミックスはYouTubeの動画とかを参考にしながらやりましたが結局自己流になってる気がします。そもそも人力ボカロはすでに完成された音源を解体してまた構成するわけですから普通のミックスとは訳が違うはずです。
以下、かけたVSTです。
DeEsser
一度かけてはみたものの、いらなかったので結局かけていません。そもそも不快な高音はゲームに収録する際に処理されているのではと思いますし、今回はうるさく歌ってほしかったのもあります。REQ
ローカットとハイカット。C1 comp
かなり重要だと思います。特に人力の場合いろいろな音声をとってきてるので音素ごとにばらつきがありますが、それが均一になります。基本的にコンプのかけすぎはダイナミクスが失われて良くないですが、人力ボカロの音声なんてその段階ではないので、しっかりかけて良いと思います。うるさく歌ってほしかったし。
ここでは1段階目のコンプなので若干です。VEQ
味わいの出るEQらしい。1000kHzくらいを少し持ち上げ。Nectar 3 Elements
ボーカル用のいろいろな効果(コンプとか)があるやつでかけてみました。ここにかけるのは謎だと思いますが、かけてみたら自然に聞こえたので使いました。Vitamin
高音域の倍音を追加してくれるやつです。プラス男子は高音域がうるさいので負けないように追加しました。かなりいい感じになりました。
また、センドでリバーブをかけています。
音声(人力ボカロ以外)
音合わせ
全然してません。サビのシンセとかそういう機械音って音声にするとなんかダサくなりそうなのでそこは原曲から。
ベースとドラムを追加。ベースとキックは音源から、スネアはみんな大好きゲート音、ハイハットはデジタルの声です。
あといくつか音を足しています。
ベースって音声から錬成しても音源でもどうせわかんないじゃん
台詞合わせ
台詞合わせは「ストーリーの1話から4話までをリズムに合わせながら要約する」という国語の問題の難しい版です。ものすごく頭を使い、時間をかけました。リズムに合わせるため、文脈にそった全然別の場所のセリフを使ったり、単語を同じ意味の別の単語に置き換えたり(例:「どのウマ娘ちゃんのレースもぜーんぶ」→「どの推しのレースもぜーんぶ」)しています。
かけたVSTはコンプくらい。
映像
基本的にAviutl、若干Blenderです。
ここで言うことは特にないな~~
各パート解説
「私の名前はアグネスデジタル。どこにでもいる平凡なウマ娘」
やっぱりアグネスデジタルといったらこれでしょ。鉄板ネタになってる気がするし、実際ハロウィンイベントでは持ちネタにしてました。
デジタルの自己紹介として便利すぎる。
そしてイントロ。ロゴはまずInkscapeで図形を作成→AviUtlでテクスチャとか縁取りとか合成しました。
後ろのうまぴょい伝説がこの3人なのはジャパンカップ(1998年)です。実馬のデビュー前でいいレースないかなーって探しました。エルコンドルパサーの戦績改めて見ると強すぎ。
実際に戦ったライバルを集めました。育成イベントでアグネスデジタルのライバルについての話があります。
フォントはラグランパンチを使ってます。本家は違うフォントなのですがお金が…
ウマ娘ストーリーでアグネスデジタルがどうして走るのかをオペラオーとファル子に聞くシーンがあるので、その2人を入れました。「芝」と「ダート」という対比も入れたかったところです。
背景はニコニ・コモンズの素材の重ねがけ。
AviUtlのカメレオン効果を使ってデジタルの色調を変えて逆光を入れてます。
ここらへんいろんなところから台詞を切り貼りしています。「いやいやいやいや」や「ただ」を無理やり原曲に合わせた感じです。
いやいやいやいや:4話
スカウトも~お断り:2話
ただ:1話
どっちつかず~ですよお!:4話
「どっちつかずになった結果真っ二つに裂けて終わりですよお!」の台詞合わせを自分で気に入ってます。
原曲通り韻を踏みたかったです。
もう少しアグネスデジタルの決意や覚悟を表現したかったのですが難しかったです。アプリの選択肢のやつはアプリの画面から切り取って動かし方を再現しました。
パクりました。
デジタル目線。構成のかなり初めの段階からこのパートはデジタルのこのセリフを使おうと決めていました。ファル子の映像は東京大賞典のイベントから。
1回目のサビです。映像は紆余曲折あって本家に忠実にしました。アドバイスを貰い弄ってもみましたが、本家を見慣れすぎてどうしても違和感を覚えてしまった…どうすればいいんでしょう。
オーバーレイとか色調補正とかしまくりました。
始めてAviUtlのカメラ制御を使いました。黒板や窓やドアは自分でInkscapeで描きました。時計や床はフリー素材です。
ダンサーをどうしようか迷いましたが、幸いモデルとモーションがすべてあったため、MMDを使用しました。
もすもすさん、イラスト本当にありがとうございます…!!!
エンダアアアアア!の部分も描いてもらいました。改めてですが本当にありがとうございます。
台詞合わせが一番最後になったパートです。映像思いつかね~~って思って「オールラウンダー」で画像検索したらキラキラ系社会人が出てきたので使いました。ピカチュウっぽいなのときも画像検索でロバート秋山を思い出したので画像検索はネタ作りに使えると思います。
ここらへんの映像、2回目のサビとの緩急をつけるために手を抜いています(言い訳)。
でも見るだけ!触っちゃ…
完全にウサミンを意識しています。ダメゼッタイの台詞があるじゃん!!!!しかもサビ前の流れでもってけるじゃん!!!!!って思って合わせました。
マーベラスサンデーも中の人ネタでどこかに登場させたかったけど難しかったな…
今年の9月にBlenderを触り始めました。AviUtlのカメラ制御に比べて高速すぎてびっくりしました。技術でここまで速くなるのか…
あと意外と敷居が低いソフトなんだなと思いました。
Blenderを始めて1週間くらいでこの部分を作りました。しかし作り終わってから全然触ってない…
地球は上のサイトをそのまんま参考にして作りました。
映像が思いつかなかったので鮭醤油さんに丸投げしました。鮭醤油さん本当にありがとうございます。
このカットに凄く時間を使いました。
背景に扇クリッピングしたものをたくさん重ねる
円にモザイク+二値化をかけたものを重ねる
Blenderで図形をパーティクル出力してfreestyleのみを書き出し
ハートをMagicaVoxel(https://ephtracy.github.io/)で作成
最初にカラーパレットをネットで探してからその色だけ使うのすごく楽ですね。
会長好き~~~
もすもすさん本当にありがとうございます。JRAのポスターは使いたかった。
これも最初の段階からこの台詞を入れようと決めていました。キャラ紹介のサイトで聞けるボイスでもあります。努力は当然でしょ!
ペンライトをもった観客のシルエットがいらすとやにありました。便利すぎ!
みんな大好き史実ネタ。僕は普通くらいです。
尊みでビッグバンを起こし、新たな宇宙を作ったのだった…
最後に
大変でしたが非常に学びが多かったと思います。今後こういう王道な音MADを作るか?と言われると正直よくわからないですが、いい経験になったと思います。
また、映像を協力してくださった鮭醬油さん、イラストを描いてくださったもすもすさん、アドバイスをくださったもすもすさんと鮭醬油さんとチョコ味バームクーヘンさん、本当にありがとうございます。
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