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PBRとは - 意味を深掘りしてみた -

今回はPBR(株価純資産倍率)について書いてみたいと思います。

インターネットで検索すれば(ググれば)、たくさん情報が出てきます。
そのため、ここでは一般的な説明ではなく、私なりにかみ砕いてみました。
(わかりやすく説明するため、正確な表現ではない部分がありますので注意願います)


株式会社は株主のもの

株式会社は事業を行うために多くの資金が必要となります。
この資金を株式という形で集めています。
株式を購入した人(株主)は会社に資金を提供した出資者であり、会社のオーナーの一人といえます。

乱暴に言えば、株式会社はお金を出している株主のものといえます。

株式会社の価値:純資産

株式会社の価値を測る方法はいくつもありますが、その一つに純資産があります。

株式会社は色々な資産(会社が持っている財産)を持っています(現金、土地、建物、など)。
その資産の元になったお金(調達方法)には2種類あり、それは負債(銀行から借り入れた借金など)と純資産(株主からの出資、など)です。

つまり、「資産=負債+純資産」という関係になります。
(簿記を知っている人なら、「貸借対照表」だな、とピンとくるでしょう)

ここで株式会社をお金に換算してみましょう。
仮に土地などすべての資産を売却してお金にしたとします。
そのお金から借金などの返さなければいけない負債を返済します。
その結果、残ったお金がその会社の価格(つまり価値)を表していると言えますよね。理論上はその価格で会社を購入することができるということです。

つまり、「価値=資産ー負債」です。
これはまさに「資産=負債+純資産」を書き換えた「純資産=資産ー負債」の関係と同じです。

純資産は株式会社の価値を表しているといえます。

株式会社の価値:時価総額

株式会社の価値を測る方法としてもう一つに、時価総額があります。

企業は株式を発行して資金調達しますが、その集めた資金の合計を考えています。
正確に計算するならば、例えば株価1千円の時に100株、株価2千円の時に200株売れた場合は、
1千×100+2千×200=500千円
を調達できたことになります。

しかし、発行した大量の株式に対して一つ一つ計算するのは大変ですし、むしろ株式会社の価値を考えるときは購入時の株価より現在の株価を使ったほうがより現状を表していると言えます。

そこで、発行済みの全株式を現在の株価で買ったらいくらになるか計算したものが時価総額となります。

式で表すと「時価総額=株価×発行済み株式数」です。

時価総額は、仮に今すべての株式を買い取ったらいくら必要かということなので、理論上はその価格で会社を購入することができるということです。

時価総額はその株式会社の価格(つまり価値)を表しているといえます。

2つの価値の関係

純資産と時価総額の関係を見てみます。

どちらも株式会社の価値(価格)を表していますが、算出方法が異なるため値が異なることがあります。

では純資産のほうが大きい「時価総額<純資産」の場合を考えてみましょう。

これは、株式を全部購入するのに必要な金額より、この企業を売却して得る金額のほうが大きいことを表しています。
冒頭で書いた通り、株主は株式会社のオーナーです。
仮に一人の人が株式全部を購入した場合、その企業の唯一のオーナーになりますのでその企業の売却も可能です。
購入金額より売却金額のほうが大きければ、売却したほうがお得ですよね。
もしお金持ちなら、全株式を購入してすぐに会社を売却すれば、差額で儲けられます。

つまり「時価総額<純資産」の状態とは、株式会社がこのまま存続しているよりもさっさと解散・売却してそのお金を株主に還元してもらったほうがお得な状態であり、企業の存在意義が問われている状態と言えます。

もう少し「時価総額<純資産」の状態を深堀りしてみます。
どちらも企業の価値を表しているため、理論上は「時価総額=純資産」になるはずです。
そうなっていないということは、純資産が大きすぎる、か、時価総額が小さすぎる、ということです。

純資産が大きすぎると考えるならば、余剰な資産を持っていると言えます。株主から見れば、「余剰に資産を持っているくらいなら株主に還元(配当金を出すなど)してほしい」と思いますよね。

逆に時価総額が小さすぎると考えるならば、時価総額は株価に比例しますので、現在の株価が安い状態とも言えます。株主から見れば、「株価が安い状態であり、健全な状態(時価総額=純資産)になるまで株価が上がるかもしれない」と思うこともできます。

ここまでの話をまとめると、「時価総額<純資産」の状態とは、
企業の存在意義が問われている状態ですが、株主の目線で見ると、今後配当金が増えたり株価が上がったりする可能性がある状態とも言えるということです。

PBRとは

これまで時価総額と純資産について述べてきましたが、この2つ比率を表したものがPBRです。式にすると以下です。

PBR=時価総額÷純資産

PBRが1の時は「時価総額=純資産」の状態です。PBRが1未満の時は上記で述べてきた「時価総額<純資産」の状態を表しています。

まとめ

PBR<1(「時価総額<純資産」)である株式会社は、今後株価が上がる可能性があるということです。言い方を変えれば株価が割安な状態です。

ただし、株価は様々な要因で変動するため、PBR<1だからと言って必ずしも株価が上昇するとは限りません。
上記で述べた通り、企業の存在意義が問われている状態でもあります。
PBRだけを見て判断するのではなく、株式を購入するときの一つの目安として利用することをお勧めします。

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