アンビグラムまとめ⑥
前書き
こんにちは、タコぬです。
「アンビグラムまとめ⑤」からの流れで、今回も過去にTwitter(@TAKONU_ma)に投稿したアンビグラムをキャプションと共にまとめます。
前のページでは8月10日までの分をまとめ終わりまして、このページでは
8月11日投稿「紡がれた技」から8月31日「感謝」までの32作と、その期間のボツ案等を紹介します。
昔のアンビグラムしか載せられないのは、そう、私が3か月間記事の執筆を忘れていたからですね…!詳しくは前記事をどうぞ…。
全投稿を記事に起こすには、まだまだ先が長そうです…。
今回はそれに加え、「アンビグラムまとめ⑤」以前のボツ案・対応案などの雑多を下の方で大量に添付しています。
32作を紹介する記事と言いましたが、実際は合計60枚近い画像が掲載されています。昭和の漫画雑誌もびっくりの分厚い付録です。
唐突にこれを追加した経緯は章の最初で説明しております。
並びは8/11~31のアンビグラム、8/11~31のボツ案&その他、過去のボツ案&その他、の順番です。
途轍もなく長く、かつ単調な記事になってしまったことをお詫び申し上げます。
それではどうぞ。
8月第3週(8/11~8/17)
8/11「紡がれた技」(180°回転型)
ア局毎週お題「技」に投稿しました。
「紡/技」から始めた文字列生成です。文字列生成だと自覚しながら制作したのは初めてだったと思いますね。
斜めのパースを取り描きましたが、上下の配置バランスへの違和感がなかなか晴れず苦戦しました。文字そのものを上下にずらすという、苦肉の策でしか対処できておらず悔やまれます…。
「が」はなかなか強引なことをしている割に読めますが、「れ」の一部が「か」第三画に見えているのかもしれませんね!
後に気づきました。知見です。
8/11「丸サ進行」(90°環状敷詰 振動同一型)
「ⅣMaj7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ7」という、「丸の内サディスティック」が語源の音楽の定番コード進行名です。
やりがちな90°環状敷詰ですが、並進敷詰無しに文字の並びを作れて幸運でした。
幅の広い線で描くにあたり、「サ」と「丸」の交差部分をどうするか。些細とはいえ敷詰のルールには則りたいですから、横線の下を縦線が潜っている…イメージで描きました。
敷詰や重畳など、アンビグラムでは線の重なり問題が尽きませんよね…。
アンビグラムとは全く関係の無い話を挟みます。
音楽をやっていて、各音高や各コードに「連想される色」があると度々思います。
ドは「赤色」な気がしますし、ファは「緑かオレンジなどの暖色」、シは「紫色」に感じます。もちろん私説です。
このアンビグラムでは、その連想に沿った色で各文字を着色しました。
「F△7(丸)」は淡めな緑色、「E7(サ)」は濃い青色、「Am7(進)」は茶色、「C7(行)」は水色でしたね。
8/12「大和撫子」(180°回転型)
ゲーム(ウマ娘)から拾った言葉だった気がします。
やはり筆で書きたくなる響きの言葉でしたから、筆の文字でしか出来ない対応をやろうとしました。
「大/子」や「禾/無」は実際に、筆の流れを利用した対応を実現できているかと思います。
筆文字をやる度に思いますが、もっと派手に、強弱を付けて描きたいものです…。勇気が足りないのでしょうか…。
8/12「危機管理」(180°回転型)
ア局の「アンビグラムしりとり」用に作りました。
が、私が遠慮して「次」のスタンプを押さなかったもんですから、先を越され行き場を無くした一枚です。これが一番の反省点ですね…。
曲線的なフォントは、諸々の「曲線/直線」対応を、更なる曲線・文字の歪みで全て誤魔化そうと考えたのだと思われます。
「危/里」は横線の対応場所を少し悩んでいた気がしますね。
線の下を線がくぐっているデザイン(「田」中央)、これは相当有益なテクニックだと思い当時頻用していました。
8/13「8月13日」(180°回転型)
投稿日の少し前に「〇月〇日」をアンビグラムにしてみたくなり、直近でアンビリティのありそうな日を探しました。
見ての通り7セグディスプレイ風の字を描きましたが、労力の殆どはこの字に費やしています。
可読性よりフォントを優先したアンビグラムです。
8/13「技巧派」(180°回転型)
ア局毎週お題「技」に投稿。
「巧」がどことなく回せそうですし、「技/派」も似たような密度をしていたため180°回転型で制作しました。
「技/派」は書くまで一切対応が分かりませんでしたが、案外過不足の無い良い対応をしてくれてありがたかったです。
書いてみて意外な対応に気づく瞬間は楽しいですね。アンビグラムの醍醐味です。
8/14「通天閣」(180°回転型)
コンセプトは「AIが生成する文字」です。フォント「異形明朝」を参考に描いてみました。
テキトーにパーツを置いたように見えますが、「天(一画/三・四画)」では左上優先の法則に則り左右で線の構造を変えるなど、可読性に繋がるよう頑張ったつもりです。普通にテキトーな場所もあります。
8/14「必勝法」(回転重畳型)
ア局の「アンビグラムのタネ」でsci3eさんから頂いた対応です。頂いたと言いつつも、投稿を勝手に拾い描き直しただけですが…。sci3eさんには大感謝です…。
対応において余ってしまうのが「勝」右上のチョンチョン(五・六画)ですが、五画目は「法」一画目の端に、六画目は「勝」八画目のはらいの端と対応させ解決としています。
余剰を絶対に許さない意地が、こういうところに現れていますね…。
意地を張った結果可読性が低くて色分けしているんですから、なんとも言えません…。
8/15「たまげたなあ」(180°回転型)
驚いた際の慣用句ですが、インターネットでは専ら別の意味で人気のある表現ですね。
対応の都合上「げ」が横倒しになっていますが、こんなに斜めでも案外読めるのだなぁとたまげています。
「ま/な」が厳しいですが、線の端を小細工して筆画の流れを醸し出そうとか、「た」とのリガチャで線を補おうとか四苦八苦していました。
8/15「後発時差」(鏡像型)
時差式信号機の制御の一つ、「後発式」から。
「後/発」の45°旋回(+鏡像)対応が制作の糸口だったと思います。
それに対し「時/差」では90°旋回(+鏡像)対応を行っていますから、これらの角度の共存のため鏡像軸と文字を傾けています。
この文字は「ナール」をイメージしています。青看や表示板のフォントですね。
デザインとは別に、線の流れを読み取り易い柔軟なフォントとしても選んでいます。
青と白のデザインも表示板を意識したものです。さらに鏡像軸を車道の白線に見立てていますが、少々ベタな案だった気がします。
「後(第六画)」の余剰を「発」八画目のはらいの一部とみなしているところ、「時/差」ではバランスの悪い字形にしてまで画数を一致させようとしているところ等、過不足撲滅のため相当意地を張っているのが見て取れますね…。
8/16「ファインモーション」(敷詰回転型)
競走馬のアンビグラム。ウマ娘から着想を得ています。
対応しそうな場所から組んでいった結果、文字の並びがぐちゃぐちゃになってしまった180°回転型です。
当初想定していたのは、「回転対称じゃない180°回転型」(オルドビス紀さん作『こんな夢を見た』を参照)です。
しかし、文字が塊になっている部分が文字組を阻みました。
「ンモ/ョシー」に該当する箇所です。ここは対応の都合上並びが固定されていますから…。
それでもなんとかしようと足掻いていましたが、結局諦めて敷詰回転型としています…。
敷詰回転型とするうえで、「文字の並びをいかに良く見せるか」という問題もありました。
敷き詰めて文字を着色した際に、文字が綺麗に並んでいた方が美しいですからね。
それについても熟考に熟考を重ねましたが、またも諦めてしまいました。
2回諦めているわけです。
そもそも、敷き詰めずとも回転対称なのは明確なんですから。
敷き詰める→文字だけ着色する なんてプロセスはこの場合意味を成さないのでは…?と感じました。
画像のように、文字を物理的に抜き取って並べたとしても、本質的にやっていることは変わらない…と信じています。
ちなみに、清書に使ったフォントはゲーム「ウマ娘」内のロゴを参考にしています。
ウマ娘のキャラクター(=競走馬)をアンビグラムにする際は、よくこういったロゴを参考にさせて頂いています。
8/16「ハルウララ」(鏡像型)
引き続き馬名アンビグラム。同様に着想はウマ娘です。
「ハ/ラ」で気づいた斜め軸での鏡像型です。
ウマ娘で「ハルウララ」は幼いキャラクターとして描かれているため、「ラ」の反転や「ウ(一画目)」の余剰には「書き手が字を間違えたから」という理由付けをしています。
30°という見慣れない角度の鏡像軸も、手書き感を増すための工夫のつもりでした。
余剰を生まないことに熱心になりがちな私ですが、このような余剰を前提にした柔軟なアイデアをもっと思いつけるようになりたいですね。
余談ですが、「反転したラ」の登場は2度目です。
過去作「ヒシミラクル」ですね。「ラ」は反転していても読めがちです。
8/17「素人質問で恐縮ですが」(180°回転型)
学会の質疑応答時、発表者がドキッとする一言ですね。
こちらはワードと型を用意した上での制作です。
偶然にも180°回転型がバチッとはまってくれましたが、対応が全く見えていない状態で型を決めて作り始めたのは無謀でした。
正直なところ、このような計画性の無い着手が多くの題材を(ビリティと関係なく)ゴミ箱送りにしていますから、反省しています。
長文を良い感じに組めたのは良かったですが、何といいますか、魅力に欠ける感じがします…。
douseさんの「夢屋まさるは殺します」や「禍福は糾える縄の如し」のような、読みやすい上に統一感もある、バランスの良い長文アンビグラムを描きたいものですね…。
今後の目標にしておきましょう。
8/17「名は体を表す」(180°回転型)
ア局毎週お題「体」。
毎週お題は「心」「技」と来ての「体」でした。後に気づきましたが、オリンピックにちなんでいたんですね!
画像が2枚ありますが、上が毎週お題のスレッドに投稿したもの、下がTwitterに投稿したものです。
最初に描いたのは上です。
作成時は可読性に自信がありましたが、次の日の自分はこれを全くもって読めず、可読性が低い…!まずい!!となりました。
よって、もう一度作り直したという事です。
「表(第七画)」と「を(三画目の終わり)」の対応で生じる線の切れ目を、デザインの一環として理由付けをしている点、上画像が好きです。
8月第4週(8/18~8/24)
8/18「体操服」(敷詰回転型)
同じく毎週お題「体」。回転中心が2つある敷詰回転型です。
まず「操」の「口」を回転中心として「本操亻服(180°回転型)」を考え、
その後「亻」と「本」が隣り合わせになるよう敷き詰める予定でした。
しかし実際に並べてみますと、図形の干渉のせいで、スタイルの良い「体」(語弊)を形成出来ませんでした…。
敷詰を試みた際、同時に見つけたのが「本(下部)」「扌(下部)」「𠬝(上部)」の構造の一致です。
無視するには勿体無い発見でしたし、何よりここを重ねた場合「亻/本」が上手く隣合います。
しかし、「リガチャをしてしまうと敷詰アンビグラムとして成立しない」んですよね…。
そこで、画像のように網掛け表現を使い、「全ての部品をきっちり2回使う」という条件を(物理的に)満たしたわけです。
正直なところ、コレが敷詰アンビグラムとして成立するかは微妙な話だと思います。
物理的には敷詰が成立している、と言えますが
倫理的に問題がありますよね。
方の抜け穴的なカンジです。ズルいです。
8/18「ドレミファインバータ」(180°回転共存型)
京急電鉄で「歌う車両」として親しまれた、インバータが音階を奏でる電車から。いいワードを拾ってきたなあと思います。
上記「ファインモーション」でも触れましたが、「回転対称でない180°回転型」に憧れていました。
このアンビグラムでは、「イ」の部分が非対称です。
逆さまにすると、別の形をした「イ」が現れます。
この「回転対称じゃない180°回転型」について述べますと、「逆さにしても読めるのであれば、回転対称でなくても180°回転型なのでは!?」という発想のアンビグラムです。
原理は「同一単語同士の回転共存」でしょうか。
そのため本記事では「180°回転共存型」として、通常の回転型と区別しています。
斜めのパース、文字バランス、可読性を両立できている気がして、このアンビグラムは気に入っています。
8/22「世界ふしぎ発見!」(90°環状敷詰・並進敷詰 振動同一型)
ア局毎週お題「発」に投稿。好きな番組です。
「世界/ぎ見」から始めた、像が4つの環状敷詰です。
このアンビグラムでは少し不思議な敷詰をやってみました。
「ふ/発」に該当する、回転中心のパーツです。
この場所では「癶」と「ふ(の点々)」が、互いを挟み合うように腰を下ろしているのが分かるでしょうか。
両文字のバランスを維持するには、回転中心のスペースをなるべく狭く取る必要がありました。
そして(番組のロゴに寄せるため)太い線のフォントを使っていましたから、めちゃめちゃに像が重なってしまうことは避けられなかったわけです。
解決策として、90°環状敷詰を4つ集め、像が16個ある巨大な塊を敷詰の1単位としました。
画像の黒マルを太陽として、「ふ/癶」(地球)が4つ公転している、「ふ/癶」を中心にその他のパーツ(月)が4つずつ公転しているカンジ…の敷詰です。
敷詰が複数の原理で行われている点、「敷詰が成立している」と言えるかどうかは怪しいかもしれません。
しかし解釈は一般的な環状敷詰と変わりませんから、
敷詰アンビグラムとして成立すると私は思います。
(「体操服」とは真逆の評価ですね…。)
8/23「夜行列車」(180°回転型)
ア局の「アンビグラムしりとり」に投稿したものです。
左右にガタゴト揺れているような文字が好みですが、この傾きは偶然の産物だった気がします。
意図して良い文字が描けるのに越したことはないですが、意図せず良い文字が目の前に現れたらそれはそれで嬉しいですよね…!
完成後に先行作品を見つけましたが、ノスタルジックなデザイン・線を余らせない対応が素敵でしたので紹介しておきます。佐東です。氏作「夜行列車」
8/24「視聴者」(90°環状敷詰 振動同一型)
敷詰には、「見/者」の180°回転対応、「聴・礻」の90°回転重畳対応を共存させる意味合いがあります。
以前、「下方修正」で描いた明朝体はあまり気に入っていませんでしたが、今回は納得のいくものが作れた気がしますね。
「者」の可読性が低いのが少し気になります…。
決して耐久性の低い文字では無いと思うのですが、少しばかり「見」に寄せ過ぎたかもしれません。
これは私見ですが、「見」は汎用漢字ながらアンビグラムにし難い文字だと感じています。
8月第5週(8/25~8/31)
8/25「東京優駿」(敷詰回転型)
5月に行われる競馬の一大レース、「日本ダービー」の別称です。
「京」の「小」を回転中心とした「優京駿東(180°回転型)」を敷き詰めています。文字の順番を整えるための敷詰です。
「馬」と「優」に共通する4点のパーツから対応を組んだと思います。
「優」の4点のパーツとは「心」のことですね。
単純なドット4つでも「優」と読めるとは思いますが、
ドットの1つが「東」の縦線と繋がり、ただの4点パーツが「心」らしさを得るのはクレバーで面白い仕掛けです。(我ながら。)
「東(下部)」の影響で「優」右上の横一文字が失われ、文字そのものの表情が変わってしまっています。
その文字の「らしさ」は、案外こういった1パーツに委ねられているものなのかもしれませんね。
8/25「ウマ娘 シンデレラグレイ」(180°回転型)
週間ヤングジャンプで連載中の「ウマ娘」スピンオフ作品です。アニメ化決定が嬉しかったです。
以前から、コミックを読む度に「このタイトル、回せそうだなぁ…」と無意識に考えていた題材でした。
すんなり対応は組めましたが、文字組が整っていないのは気になりますね。
端から順の対応をしていますから、仕方ないとは思いますが…。
長い文字列の場合特に、美しい文字組か綺麗な対応かでジレンマに陥りがちです。
8/26「一念発起」(180°回転型)
ア局毎週お題の「発」。清書で行き詰まり、ボツになりかけた作品だった気がしますね。
密度差を乗り越えつつ、文字のバランスを維持する…。そんな、アンビグラムにとって理想的なフォントが筆だと思います。
「念/己」は納得のいく筆文字が描けました。墨汁の飛び散りで足りない画を表現する、これが筆文字の醍醐味です。
一部だけなら簡単ですが、全体のバランスを取るとなると非常に難しかったです。なかなかコツを掴みにくいものです…。
改めて、愛嬌さんのような、カッコイイ筆文字を描く方の凄さを思い知りましたね…。
8/26「思考の海」(90°回転重畳型)
語彙を得た場所はゲームのメッセージウィンドウ(ウマ娘)でした。
「海」が凄い形をしていますが、これでも読めてしまう文字の耐久性の高さに驚きです。
字の耐久性の高さに存分に甘えるアンビグラムは大好きですね。
垂直・水平の直線のみを使って描く場合、可読性を損なう危険性も十分あるわけですが
今回はちゃんと読める文字が描けたようで安心です。
アンビグラムの背景に力を入れ始めたのはこの頃だと思います。
8/27「退身」(敷詰鏡像式重畳型)
パーツを90°回転することで「退」を作り、反転を挟むと「身」ができます。
敷詰は「90°環状敷詰」「反転」「並進敷詰」の3原理で行われていますから、敷詰アンビグラムとして成立しているかは微妙な所です。
制作中に思い浮かべたものとして、オルドビス紀さんの「返済」がありました。
色分けナシでも文字が見えてしまう敷詰アンビグラムには憧れますよね…。
上同様、語彙はウマ娘で拾っています。
8/27「サーチライト」(鏡像重畳型)
ビヨーンとなった「サ」の横棒が、「チ」の下に繋がります。文字と文字を離すことで読みやすく…とかではなく、単純に描いた人の嗜好です。
それ以外の場所が完璧に近い対応をしますから、「チ/イ」のバランスは難しかったです。なんとしても高い視認性は維持したかった。
「チ」と「サ」を綺麗に繋げるところにも拘りました。ビリティが高いからこそ、デザインの幅が利くんですね。
これも、ウマ娘で語彙狩りをしたときのワードです。
8/28「内埒沿い」(90°回転重畳型)
競馬場の、馬場の枠のことです。「ラチ」表記が一般的なようです。
「埒」が文字内で完結する重畳を行い、その外側で「氵」も重畳を行っています。文字組は「正義型」と似ているでしょうか。
制作しづらいフォントで描き始めてしまったので、「埒」の重畳は相当苦労しました…。どうやっても線が重なる、繋がらない、突き抜ける…と、行けるはずなのに行けない歯がゆい思いをしましたね…。
さらに苦悩が透ける点は「い」でしょう。ここは「沿」で余った線2本の対応先で、「行ける!」と確信していましたが全く行けませんでした。
線に跳ねを加えて「い」の気配を出しつつ、全体を少し傾けて応急処置としています。
8/28「辻写り」(90°環状敷詰 振動同一型)
ちっちゃいアンビグラム。描いた後に拡大する予定でしたが、ちっちゃくても読めたのでちっちゃいままです。
像4つの環状敷詰の中で、全てのパーツを2回使っています。
回転中心でしんにょうの2点が対応し、しんにょうと「十(上部)」で線を共有しつつ、残りの部品は「写」に回す…と、「辻」だけ見ても複雑すぎる対応が組まれていますね…。
まさしく、ドットだから出来た芸当です。
敷詰全体の右半分に文字が偏っていますし、実は90°回転重畳型を名乗れるのではないか…?と今気づきました。
が…、ダメでしたね。「り」の先っちょの1ドットが「辻」と重なっています。惜しい…!
8/29「発券」(鏡像式旋回型)
ア局毎週お題「発」に投稿。
「発」をぐるぐる回したり反転させたりして「券」を見い出し、制作しました。このような題材の考案方法は毎週お題以外でやらない気がします。
斜めの対応というのもあり、どことどこが対応するのか、制作中何度も見失いました。
実際「どことも対応しない線」も有り、そこをどう省略するかも含めて頭を悩ませる題材でしたね…。
両文字画を1本ほど失っていますが、それでもある程度読める文字にはなっていて
可読性という要素の奥深さを感じます。
8/29「郊外探照灯」(90°回転重畳型)
ア局の「アンビグラムのタネ」にも貼った「交/外」の旋回対応。そこから発展させた文字列生成アンビグラムです。
当初は「郊外」だけで回転重畳、要は「阝」を回転中心にしようと思っていました。しかし、「阝」の回転重畳が意外に難しく早急にその線は諦めてしまいます。
(「郊外」はその後、ちくわさんが容易く描き上げていらっしゃいました。流石です。感服です。)
横倒しにした「阝」の形状から「探」か「深」を想定し、「郊外」に続くワードを探しました。
「探照灯」とは「サーチライト」の同義語らしいです。「サーチライト」と言えば、さっき紹介しましたね。図らずも題材が被ったわけです。
「灯」から始まり、90°回転するごとにパーツを入れ替えて「交」に至る、面白い回転重畳だと思います。お気に入りです。
可読性を全て「罙(上部)」に任せた「探」の省略も好みです。
8/30「人ハ二度死ヌ」(鏡像重畳型)
ア局の毎週のお題です。「度」、なかなか難しいお題に感じました…。
「度」から「死」を見つけ、「人は二度死ぬ」を見つけてきました。
「度/死」から始めましたが、「人 は 二 ぬ」をどうすればいいか見当も付かず相当難航していた記憶です。
ひらがなをカタカナに変えたのは最終手段でした…。危うく毎週お題を抜かすところでしたね。
「ヌ」を鏡像重畳していますが、別にしなくても良いです。ただの鏡像でも全然描けます。
鏡像重畳したいからした、めちゃくちゃ私のエゴでした。
8/30「旅姿」(鏡像式旋回型)
サクッと作ったのであまり記憶が無いですが、「旅路」か何かを描こうとして、「姿」が見えたので「旅姿」にした、みたいな感じだったと思います。
フォントチックなアンビグラムを描こうと考えていたので、余剰や過不足は考えず可読性と文字バランスのみを追い求めました。
下手に間を取ると「旅」が読めなくなることに気づいたので、女を捨てています(語弊)。
間を取るだけがアンビグラムでは無いのだと主張する一枚です。
8/31「感謝」(90°旋回型)
noteで「スキ」を押した際に出てくるリアクション画像として作りました。(以前は「感激」の180°回転型アンビグラムが表示されていました。)
「記事は書かないのにリアクションは作るのか」と自分を責めながら制作していましたね。結局10月の末まで記事は出ませんでしたが…。一番の反省点です…。
どうせなら先行作品の無いアンビグラムにしようと思っていましたが、その拘りは趣旨と関係無いと考え直し、無難な「感謝(90°旋回型)」を選びました。
「感謝」はとにかく先行作品が多いですから、存分に参考にさせて頂きましたね。
説明無しにパッと読める必要がありますから、可読性が最優先です。
特に影響を受けたのは「心」の形です。みやもさんの「感謝」をまねています。みやもさん他、作者の皆さんに感謝です…!
ボツとその他
8月「7千光年の断絶」(180°回転型)
「光年/断絶」から始めた文字列生成。
「断/絶」のリガチャがあまり好きでなかったのでやめました。
「断絶」の文字列生成は、のちに「独りなく海は断絶」に受け継がれます。
8月「マンハッタンカフェ」(180°回転型・回転共存型)
馬名アンビグラム。
上述した「ファインモーション」の制作経緯のように、「回転対称でない180°回転型」を作ろうとしていました。
素直に敷詰回転型にすればよいものを、意地を捨てきれず結局諦めてしまいました。
8月「冷凍の扉」(180°回転型)
上述「思考の海」「退身」「サーチライト」「内埒沿い」「辻写り」と共に、ゲーム「ウマ娘」から持ち帰った語彙の一つです。
そもそもが馴染みのないワードですし、対応出来なければ無理に作る必要は無いと考えていました。
8/12「生か 私た」(90°回転重畳型)
ア局「アンビグラムのタネ」チャンネルにて、超階乗さんが述べていた対応を図案化したものです。
送信したのは上の画像ですが、「禾」の余剰がどうしても気に入らず
誰に見せるでもなく描き直したものが下です。
それにしても、超階乗さんは何故これに気づけたのか…。気になる所です。
8/29「と」(180°回転型)
ア局でアドバイスとして描かせて頂きました。
アドバイスできる身分では無いですが…。
「アンビグラムまとめ⑤」までのボツと雑多
タイトル通り、過去の記事には載せなかった細やかな没アイデア・ア局での添付等を一気に添付します。
何故過去の記事で紹介しなかったのか、それは「稚拙だから、紹介するまでもないから」。
要は私に都合のいいボツしか紹介してこなかったわけです。
「ボツ案・その他も記事で紹介します」と最初の記事で言った以上、全部載せないのは矜持に悖る気がしまして、この場で全て紹介することにしました。
今までのボツ紹介欄が「ゴミ箱」なら、今回は「ゴミ捨て場」という感じです。
少しでも価値のあるもの(お題)を見つけられれば、是非無断で持ち帰ってくださいね…!
これで、8月終わりまでに私の描いた全てが紹介され、
今後の記事では、紹介作品と同期間のボツ・その他を引き続き載せていきます。
全部世に出ていたほうが気持ちが良いですからね。
5/12「多摩橋」(180°回転型)
NY channelさんの楽曲「多摩橋」から。
当時、袋文字という概念を知っていたらもう少し上手く描けたかもです。
5/21「あんの」(180°回転型)
ア局「みんなならどう描く?」チャンネルで、意瞑字査印さんから提供されたお題です。どうやら、皆様の図案と共にスレの記事で紹介されたようです。
5/30「ピ」(180°回転型)
これもア局での一枚。ドカ過不足が気になりますが、他の文字と対応させたりすれば…というなんとも不完全なアドバイスでした。
6/2「を/に」(180°回転型)
同じくア局「みんなならどう描く?」より。
今の私には思いつけない対応かもしれません。
6/5「袋文字」(180°回転型)
「袋文字」を袋文字でやろうとし、失敗しました。
解釈は違いますが、同じコンセプトの作品を紹介します。
(蜂蜜さん作「袋文字」)
6/8「にじかって誰?視覚障害者に…(略)」(180°回転型)
お気に入りのネットミームから。
「にじかって誰?(180°回転型)」を過去に3回制作していたことから、どうせなら原文の怪文書もアンビグラムにしようとしていました。
背景の薄い文字をなぞるようにちまちまと作業を続け、結局忘れ去られてしまいました。
6/8「偽終止」(180°回転型)
過去に考えていたことは間違いないですが、何から何まで一切記憶が無いです。
記憶が無いので書くことも無いですね。
6/11「回転重畳」(90°回転重畳型)
「回転重畳」の回転重畳。
見ての通り上手く行かずに諦めています。
スタンダードなボツです。
6/17「ん/父」(180°回転型)
ア局で提供した対応案です。
なかなか「父」には見えませんね…むむむ…。
6/22「御徒町」(180°回転型)
Twitterでの企画「山手線ビグラム」のボツ案。
デザインが先行してしまったアンビグラムです。
統一感のあるデザインは対応上の「縛り」にもなるとあれほど…。
6/22「真夏の夜の淫夢」(180°回転型)
題材が良くないのでやめました。
交差法的なことをしようとした形跡があります。
「夢」と「真」はどちらも左右のシルエットが重要な文字だと分かりました。
6/22「試行錯誤」(180°回転型)
ごんべんの点と縦線の対応から、図の広いフォントで交差法のようなことをしようと試行錯誤していました。
「交差法でもなんとかならない場合があるんだなぁ…」とか一丁前に考えていましたが、そもそも私の描く交差法が稚拙なだけであります。
6/22「まぜるな危険」(180°回転型)
「るな/危」の構造の不一致がボツの理由です。もしくは、別の題材をやり始めてモチベーションが消えたのかもしれません。
6/23「荒城」(鏡像型)
「荒城の月」をやろうとしていました。
ビリティは感じますし、作り直してやってもいいかもしれません。
6/24「映す価値なし」(180°回転型)
最初は「写す」で考えていましたが、検索し「映す」だと気づきました。
「亻/亻」は今でも難しい対応ですね…
6/28「ラジオNIKKEI賞」(180°回転型)
作成時数日後に控えていた、競馬のGⅢレース名から。
線を引くことが難しい、可読性が無いなどの理由で放り投げてしまいました。
ここで作成日を見返してみると、この頃にどれだけアンビグラムを量産していたかが分かりますね…。
6/30「わたしの印は大本命◎」(90°回転重畳型)
ウマ娘より、「スペシャルウィーク」のキャラクターソングです。
全然可能性のある対応を組めているとは思いますが、ボツ理由は「やりたいことを出来なかったから」でしょうか。
上述した「郊外探照灯」のような、ギミックのある回転重畳をしたかったのかも…。
7/7「⿱艹魚」(180°回転型)
ア局かどこかの通話で、誰かがおっしゃっていた気のする文字のアンビグラムです。検索してもこの字は出てこず、結局謎に終わりました。
「蕉」にも見えますね。
7/7「月の出」(鏡像型)
「月」は「月」でも則天文字の「月(𠥱)」です。
要は自然アンビグラムですね。
通話中の会話の流れで制作しました。
7/7「ぬ/ル」(90°回転重畳型)
かささぎさんが運営するdiscordサーバーで、対応案として描いたものです。
右は初期案、左は余剰絶対許さないバージョンです。
左の場合、テクいを越えて意地らしいですね…。
後書き
以上が8月終盤のアンビグラム及びその期間中の雑多、そして過去のボツ案とその他でした。
この後書きに辿り着いているということは、このハチャメチャに長い記事を最後までご丁寧に読んでくださったということかと思います…。本当に、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
こんな拙い作品群でも読んでくださっている皆様には感謝が尽きません。
前のまとめでも述べた通り、Twitterのアカウントにはまだまだ画像が溢れています。
それらを纏める分だけでも、あと3回は記事が出る予定です。
う~ん、今年中に最新作に追いつければイイですね…。他人事みたいな言い方ですが…。
改めて、最後までお読みいただきありがとうございました…!
次の記事でお会い致しましょう!