〜ひとくち映画レビュー〜 OLD オールド
M・ナイト・シャマラン監督の作品はこれまで全てもれなく観ている。
まぁ、単純にファンなのである。
賛否両論ある監督だが、独創的な感性でオリジナル作品を作り続けている数少ない映画作家として常に最新作に注目している。
さて、そんなシャマラン監督の最新作は、時間が急速に進み恐ろしいスピードで老化する海岸に、人々が閉じ込められる、というスリラー映画だ。
これまでのシャマラン映画の中では、まぁまぁアリかな、という感じで特段面白いという作品ではない。
しかしながら、この「急速に老いていく」という設定が個人的にはかなり堪えてしまう。
というのも、僕は「取り戻せないものを失ったまま生きていかなければいけない」という状況に、かなりの生理的な嫌悪感を持ってしまう。
たとえ物語の中であっても「いっそ死んだ方がマシ」とも思える状況に、登場人物が置かれてしまう事に精神的にやられてしまう。
この映画においても登場人物たちが閉じ込められたビーチでは、1日が50年に相当してしまい、時間が経つにつれ取り返しのつかない事になってしまう。
そうなれば、何とかビーチから逃げ切るよりもそこで死んだ方がマシなんじゃね?と思ってしまい、夢オチすら期待してしまう。
映画の大筋よりも設定に精神的にやられてしまった作品だった。