【数式図鑑】想定している読者層がよくわからない
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆
〜対象は誰なのだろう?〜
本書はタイトルの示す通り、いろんな数式をそれぞれ2〜6ページで解説していく本である。
自然数の和から始まり、終盤にはオイラー展開、ゼータ関数、ABC予想、リーマン予想などなど、数学が好きな人にとっては興味のわく話がたくさん盛り込まれている。
が、正直、数学入門書としては難しいと思うし、数学をしっかり勉強しようとしてる人には物足りない内容である。
ハッキリ言ってしまうと、本書の想定している読者層がよくわからないのである。
著者が好きな数式を、順序もよく考えずに寄せ集めただけ、そんな印象を持った一冊だ。
どのトピックにおいても、個人的にはなんだか消化不良で読み終えた後には疑問ばかりが残ってしまった。
〜こういう数式があるんだぁ、程度に楽しむ〜
というわけで、ある程度数学を学んだ人にとっては物足りない一冊であることは間違いない。
では、完全な数学初学者が読んだらどういう感想になるのか。
これはあくまで想像だが、「へぇー、こういう数式があるんだあ〜」以上の感想は出ないと思う。
それぞれの数式を解説する際にも、唐突に極限や微分積分の話が出てくるので、数学の知識がある程度ないと、解説文を理解することも難しいかもしれない。
そもそもそれぞれのトピックで一冊本が書けるぐらいの内容なのに、それを2〜6ページで解説しようというのが、土台無理な話なんだろう。
数学を現在進行形で学ぼうとする人は、この本で理解しようとしてはいけない。というより、この本で理解するのは無理だと思う。
言葉だけ覚えてさっさと他の数学書で勉強した方が良い。