焙煎前の生豆の選別
珈琲豆、焙煎する前のものは生豆と呼ばれている。
翡翠のように美しい淡いグリーンだったり、少し黄色がかっていたり、大きかったり小さかったり、まるっこかったり、平べったかったり、産地や精製方法によって様々だ。
その生豆、焙煎する前にちょっとひと手間かけてやると、珈琲がぐっとおいしくなる。
そのひと手間とは選別。
生豆をバットに広げて1つ1つ虫食いや欠けた豆、色が黒くなった豆、大きさや形がいびつなものなどを取り分けていく。
ちまちまとしたこの作業、なんだか面倒くさく感じるかもしれないが、案外僕の性格に合っているのか、苦ではない。
逆にラジオや音楽を聴きながら、豆と向き合える作業は楽しい。
「遠いところからよく来たね。うちに来てくれてありがとう」
と、まずは豆たちに声をかけ
「ここの農園の人は丁寧に選別したんやな」(欠品豆がほとんどないときがある)
「ここの農園の人はたぶんおおらかなんやろうな(笑)」(ちょっと欠品豆が多い時など)
とか、現地の人たちに思いをはせてみたり。
気がつけばあっという間に時間が過ぎている。
そして、バットに広げられた生豆の中にたまに隠れているいびつな生豆たちを「せっかくここまで来てくれたのに珈琲にしてやれなくてごめんな」って気持ちで取り除いている。
でも、これらの欠品豆、なんだか捨てられないんですよね。
なんで、いつか草木染のように珈琲豆染なんてできないかな、と袋にためている。(いったい何色に染まるんだろう?)
焙煎豆の選別は僕にとっては生豆の善し悪しのチェックという意味だけではなく、生豆たち1粒1粒へのあいさつのようなものかもしれない。
笑われるかもしれないけど、気を通い合わす感じかな。
とはいえ、最近、近くが見えにくくて、作業も大変なんですよね。
そろそろ老眼鏡が必要かな(笑)