Kayak & SUP 1日で小豆島1周 その2
地図を広げて小豆島をみる。
小豆島は横から見た牛のような形をしている。牛の頭となる部分が1つの島になっていて、胴体部分(前足、後ろ足、しっぽもある)と橋でつながっている。
ちなみに、その間は世界一幅の短い海峡としてギネスブックに記載されており、橋を渡ると役場で横断証明書をもらうことができる。
入り組んだ形をしているため海岸線の長さは約120km。
僕のカヤックのスピードはのんびり漕いで時速4km、ちょっと力を入れて漕いで時速5km、7~8分の力で時速6km。(穏やかな海でのことですが)
ちなみにレース用のSUPに乗っている大地は時速7~8kmは出るんじゃないだろうか。
まぁ、大地には遅い僕に合わせてもらうとして、がんばって時速6kmで漕ぎ続けるとしよう。
単純に距離を時速で割ると、小豆島をカヤックで1周するのには20時間もかかる。1日で1周なんて到底むり!
まぁしかし、これは海岸線をなめるように1周した場合のことで、岬から岬へとショートカットすればもっと短い時間で1周することが可能だ。(僕は海岸線に沿って島の景色を楽しみながら行くのが好きですけどね)
ということで、再計算。
岬から岬へ線を引き、ぐるり島1周の距離を計算すると約70kmというところ。
これを時速6kmで割ってみると、11時間ちょっとなる。休憩時間を入れて考えて約13時間といったところ。まぁ、実現可能な時間だ。
ただし、漕ぐのは11月。
小豆島の場合、11月初旬は日の出が6時過ぎで、日の入りが5時過ぎ。明るい時間は約11時間。
こりゃ、日が暮れてからも漕ぐようになるな・・・。
夜に漕げないわけではないが、小さくて速度も遅く、視認しにくいカヤックやSUPが暗いなか港の周辺を漕ぐのは危険だ。(小豆島には現在5つの港がある)
というわけで、暗くなってからは航路を横断しないような部分を漕ぐようにしなければいけない。
1周するうえで、もう1つ重要になってくるのが潮流。潮の干満によって引き起こされる潮流が瀬戸内海はとても速い。
この潮流にうまく乗ればぐんぐん進んでいくのだが、反対の潮につかまってしまうと、漕いでも漕いでもなかなか前に進めない。
ちなみに小豆島が位置する瀬戸内海東部は干潮に向かう際には東へ、満潮に向かう際には西へと流れる。(これが西部になると反対になる。その境はだいたい香川県と愛媛県の県境から広島県の鞆の浦あたりを結んだラインといわれる)
この潮流、渦潮で有名な鳴門などでは瞬間最大速度が5~10ノット(1ノットは約1.8km/時)にもなり、川よりも速いスピードで流れていたりする。
小豆島の周りはそこまでものすごく速い潮流は流れていないが、大潮などには最大2ノットくらいの潮が流れているところもある。
小豆島1周当日の潮汐時刻は午前9時頃に満潮、午後3時頃に干潮。
つまり、午前9時以降は東に流れ、午後3時からは西に流れることになる。(実際の潮の動きはっと複雑ですが、まぁイメージはそんな感じです)
航路横断の時間帯と潮流の影響を熟考し、スタート&ゴール地点を今回一緒に漕ぐ佐倉さんの職場でもある小豆島ふるさと村の海岸とした。
そこから時計回りで島を1周する。
だいたいのスケジュールはこんな感じ。
漕ぐのは時速6kmペース。1時間漕いで10分休憩(お昼はどこかに上陸してちょっと長めの休憩)。これをゴールまで続けること。
スタート地点そばの池田港からの始発フェリー(5時30分発)が出港した直後、まだ薄暗い中、出発!
日の出を海の上で迎え、明るくなって、島の西側にある土庄港の航路を横断。
午前9時前には島の北側に達し、潮流に乗ってスピードをあげながら東へ進む。
潮が変わる前に島の東側に回り込み、お昼ごはん。
出来るだけ早く、島の東側を南下し、西に流れる潮に乗って島の南側を進み、日が暮れる前に小豆島の前足の部分である三都半島の先端に到達。
あとはだんだん暗くなる中、半島の沿岸に沿って北上し、ゴールを目指す。
おー!なんか出来そう。
いや、これできたら、けっこうすごいんちゃうん。
なんかおもろそう、ワクワクしてきたー!
と、よいイメージを無理やり作っていく。
あとは天気と、ブランクのあるおじさんの体力と気力次第。
はたして無事にゴールできるのか!?
1週間前から天気予報とにらめっこし、そわそわしながら当日を迎えることとなる。(つづく)
写真提供 島空撮
小豆島1周 その1
小豆島1周 その2
小豆島1周 その3
小豆島1周 その4
小豆島1周 その5(最終回)