海ノ向こうコーヒーから刺激を受ける
僕たちがなにげなく飲む珈琲。
その1杯にはおいしさとともに、いろんなストーリーがつまっている。
国内で流通するほぼ全ての珈琲は海の向こう、遠い国からやってくる。
(日本でも沖縄や小笠原などの一部の地域で栽培されているとはいえ、基本的には珈琲はコーヒーベルトと呼ばれる赤道付近の熱帯地域で栽培されています)
日本からはちょうど地球の反対側にあたるブラジルを始め、ガテマラやコロンビアなどの中南米の国々、エチオピアやウガンダなどのアフリカの国々、インドネシアやベトナムなどのアジアの国々など、珈琲は遠い国々に暮らす人たちの手によって栽培、加工され、船に乗って海を渡り、はるばる日本までやってくる。(空輸によって空を飛んでいく珈琲もあるそうです)
そんな海の向こうからやってくる珈琲。
最近、気になっているのが、その言葉をそのまま会社の屋号に使っている「海ノ向こうコーヒー」さん。
珈琲のおいしさだけではなく、その土地の自然や人々の暮らし、さらには未来にまでに思いを馳せた珈琲作りを考えている会社だ。
特にラオス、ミャンマー、フィリピン、バリなど、アジアの国々を中心に、珈琲の栽培方法や精製プロセス、資金面や販路開拓などのサポートを行い、珈琲を通して森林伐採の減少や山間地での雇用創出などを目指している。
まだまだ珈琲について不勉強な僕にとって、珈琲といえば、ブラジルやコロンビアなどの中南米か、エチオピアやルワンダなどのアフリカというイメージが強く、アジアの珈琲といえばインドネシアのマンデリン、東ティモールやパプアニューギニアくらいは知っているというくらいの感じだった。
それが、今年に入って急にアジアの珈琲が気になり始めた。
そのきかっけが珈琲豆の選別中に聴いていた「RADIO YAMABON」というポッドキャストの番組。
広島にある「MOUNT COFFEE」さんという自家焙煎コーヒー豆専門店の番組なのだが、毎回、旅や山が好きな店主山本さんとゲストが繰り広げるお話が面白くて、過去にさかのぼって全ての回を聴いてしまうほどだった。
その中で「MOUNT COFFEE」さんの「DRIP ON THE WORLD TRIP」という、とても素敵な商品を紹介する回がある。
その回では毎回「海ノ向こうコーヒー」の山本さんというスタッフをゲストに迎え、珈琲豆の産地のお話しをすることになっているのだが、これまた本当に面白い話が展開され、そんな珈琲だったらぜひ飲んでみたい!いつか僕もそこに行ってみたい!と思わずにはいられなくなる。
そう。そこで僕は「海ノ向こうコーヒー」さんのことを知り、スタッフの山本さんの生き方に感銘を受けた。(山本さんはフィリピンの大学で珈琲のことを学び、その知識をもって、アジアの小さな珈琲農園をめぐり、その成長をサポートしている)
気になったなら、まずは飲んでみよう!
さっそく、海ノ向こうコーヒーさんから気になるアジアの国のサンプル生豆をいくつか購入し、焙煎を行ってみた。
いくつか試した結果、ミャンマーと東ティモールの豆が私の好みに合うようだった。
ミャンマー、東ティモールといっても、ミャンマーはレーカイン村のアグナインウーさんを中心に、東ティモールはトゥヌファヒ村のアンジェラさんを中心に村人が大切に育てた珈琲豆。
作り手がわかる小さな村で作られた珈琲豆は、今まで関心の少なかったアジアの珈琲を一気に身近に感じさせてくれた。
そして、フードマイレージという観点からも、アジアの珈琲はアフリカや南米の珈琲豆よりもずっと環境にやさしいということも気に入っている。
フード・マイレージ (food mileage) は、「食料の ( = food) 輸送距離 ( = mileage) 」という意味であり、食料の輸送量と輸送距離を定量的に把握することを目的としない考え方である。食糧の輸送に伴い排出される二酸化炭素が、地球環境に与える負荷に着目したものである。注目輸入相手国別の食料輸入量重量×輸出国までの輸送距離(たとえばトン・キロメートル)を表す。食品の生産地と消費地が近ければフード・マイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくると大きくなる。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
僕に新しい珈琲豆の世界を教えてくれた「MOUNT COFFEE」さんと「海ノ向こうコーヒー」さんに感謝です。
もう少し、納得いく焙煎度を見つけてから、お店でも出していこうと思います。
そしていつか、また自由に旅ができる世の中になったら、アジアの珈琲豆産地を巡るのだ。
ちなみに東ティモールのトゥヌファヒ村のトゥヌファヒとは焼き豚という意味らしいです。焼き豚食べられるのかな?(笑)
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