島の平飼い卵 222たまご
うちは「珈琲とおやつ タコのまくら」
珈琲は僕、おやつはみゆきちゃんの担当になっている。
どちらも素材にこだわり、丁寧に手作りし、安心しておいしく食べてもらい(飲んでもらい)、食べると(飲むと)心も体も満たされて、ほっとして、思わず笑顔になるような、そんな珈琲とおやつを作りたいと思っている。
珈琲の話はまた次回するとして、今回はおやつの素材の一つ、卵のお話。
おやつにコクやうまみを出したり、生地をフワフワにしたり、しっとりさせたりと、卵はおやつの素材としてとても重要だ。
(もちろん卵を使わないおいしいおやつもあるし、最近はアレルギー対応で卵や乳製品を使用しないおやつの重要性も高まっている)
そんなおやつにとって大事な卵。
うちでは、常々、誰が作っているか、どんな風に作っているかがわかるような素材をできるだけ使いたいと思っている。(すべての素材でそうすることはなかなか難しいのですが)
そんな中、島の友だちが養鶏を始めたというので、これは行かねば!とワクワクしながら鶏舎を訪れてみた。
彼女の名前は小坂ひとみさん。
2012年に東京から小豆島の隣の豊島に移住し、昨年の春より小豆島に引っ越してきて、養鶏を始めている。
その辺のお話は「その船にのって」という小豆島の日常を伝えるオンラインメディアの中の彼女のエッセイに書かれているのでそちらを参考に。
(「その船にのって」ではエッセイ以外にも、島で働く人へのインタビュー記事や島出身の作家である黒島伝治や壷井栄の作品を読めたり(こちらは有料ですが)することができます。ちなみに過去に書いた僕のエッセイもあります)
島の南西部にある小さな集落の山側、日当たりのよい農地の一角に彼女の鶏舎はあった。
旦那さんと一緒に作ったという10㎡くらいの鶏舎は、小さくてかわいくって、ニワトリさんたちのおうちという感じだ。
中にはふわふわの茶色のニワトリさんたちが20羽くらい、自由に動き回っている。
おみやげに持っていった青菜を置くと、みんなすごい勢いで集まってきて、うれしそうに(たぶん)葉っぱをついばみ始めた。
今でこそのんびり優しそうな目で元気なニワトリを見つめているひとみちゃんだが、養鶏を始めたばかりはヒナが一度にたくさん死んでしまったりしてかなり精神的に大変だったらしい。(その時の記事はこちら)
あっという間に青菜が食べつくされると、ニワトリさんたちはまた、何事もなかったかのように、首を振り振りのんびり鶏舎のなかを行ったり来たりし始めた。
彼女の鶏舎は「平飼い」という方法でニワトリが飼育されている。
以下、彼女の作ったパンフレットより抜粋
土の地面にすることで、鶏が本来持つ「地面を突っつきたい!」という欲求を抑圧しません。走り回ったり、土浴びをして自らの体を清潔にする姿も見られます。
鶏たちができるだけ心地よく暮らせるようにすることが、健康的でおいしい卵にきっとつながると考えています。
エサについても彼女の自家製だ。
米ぬかや玄米に、魚のアラ、カキ殻、乳酸菌などをまぜてホカホカに発酵させてあげている。
そして、その手作りごはん以外にも、青菜や刈り取った緑の草を重要なビタミン源としてたっぷりと与えているそうだ。
とれたての卵はキラキラと輝いていて美しく、彼女が育てているニワトリさんたちから生まれたということもあって、なんだか可愛くていとおしく感じられるのだった。
まずは卵かけご飯でいただいてみた。
あー、滋味というのはこういうことなんだな。
やさしくおいしくて、体に染みわたる感じ。
命をいただいている感じです。ありがたい。
彼女の卵、うちの店でどんどん使っていこうと思います。
この夏はかき氷にトッピングするアイスクリームに使います。(彼女の卵と素焚糖(精製のあまりされていないきび砂糖)と生クリームだけで作られた素朴なアイスクリームだけどおいしいかった!)
そうそう。彼女の卵屋(?)さんの屋号は「222たまご」
えーと。「2」という数字が好きだったか、彼女のラッキーナンバーが「2」だったか・・・。
なんで「222たまご」なのか、また今度聞いておきます(笑)
ちなみに僕の好きな数字は8。(聞いてないか)