浅煎りか深煎りか?
珈琲豆。
豆といっても実は果実。
熟すると真っ赤なルビーのようなまあるい実をつける。
そして豆といわれているのは、この果実の種の部分。通常は珈琲豆の形をしたものが平らな面で向き合って仲良く2つ入っている(たまに片側1つしか育たず、それが丸くなって大きくなる。ピーベリーと呼ばれる。)
収穫された珈琲の実は果肉がついたまま干されたり、果肉を取って水洗いされたのち干されたり、様々な精製過程を経て、ようやく珈琲の豆(生豆と呼ばれるもの)となる。そしてそれが生産地から世界各地へ運ばれるのだ。
この生豆を焙煎することで、ようやく私たちがよく見る珈琲豆となる。
珈琲は果実なんだと実感したのは、やっぱりエチオピアの浅めに煎った豆を飲んだときだろう。
爽やかで花のようなよい香りと柑橘のようなすっきりとした酸味。今まで自分が飲んでいた珈琲とは全く違う珈琲で衝撃を受けた。
珈琲というよりも果物のお茶という感じだった。
その後もイチゴチョコ(宇宙船の形をしたチョコレートのお菓子)の風味がするものがあったり、オレンジや青りんごのような風味だったり、産地や煎り具合によって様々な珈琲を作り出せることを知った。
それらの珈琲はいずれも浅めの焙煎で、豆の個性をうまく引き出していた。
深めにしてしまうとこの風味はどんどん消えていってしまい、代わりにコクや苦味が生まれてくる。
でもやっぱり、僕が好きなのは浅煎りではなく、中煎り~中深煎りの珈琲なんですよね(笑)
中煎り以上の珈琲を濃い目に淹れて、音楽を聴いたり、もしくはなんにもせずにぼーっとゆっくり、一口一口味わいながら、珈琲の香りと味を楽しみながら飲む。せわしなく動いていた時間がゆっくりと流れ始める。
あー。珈琲の時間って最高って思うひと時です。
そしておやつと一緒に飲むのにはやはり中煎り以上の珈琲がいいと思う。
深めに煎った珈琲はチョコレートやバター、生クリームなどが使われた焼き菓子やケーキを食べるとき、その濃厚さに負けることなく、食べたおやつの余韻を口の中でさらに膨らませてくれる。
あー。あの口の中で広がるマリアージュ。たまらない!
とはいえ浅煎りと深入り、どっちがいいかは人ぞれぞれ。
コーヒーを飲む時間や場所、シチュエーションによっても違うし、どっちもいい。
珈琲が作り出す味は千差万別。
自分好みの珈琲に出会えるといいですね。