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ドバレビメソッド④「そのおぼえ方」〜譜面に弱い人のためのソルフェージュ

ドバレビメソッドとは
これはピアノの黒鍵に「バビブベボ」という呼び名をつけたソルフェージュ(読譜法/唱法)です …ただそれだけであります。

以前の章はこちら↓から
 
①「ドバレビとは?〜その誕生」
 >②「これまでに提唱された色々な階名」
 >③【重要】「その利点と完成形!」(←初めての方はここからどうぞ)

アルファベットで表した完成形

この第④章ではドバレビメソッドに馴れるための練習譜例と実際の曲中で使ってみた例を紹介します。
前半は基礎練習となりますので、ちょっと退屈だな〜と思う方は後半の「フレーズで歌ってみよう」から読んでみてください。

黒鍵を口ずさむ

まずは楽器を弾きながら階名を口ずさんでみましょう。大きな声を出せない場合は頭の中でイメージしながらハミング(鼻歌)でもOKです。
はじめに「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」の音をピアノで鳴らして確認しましょう。黒鍵のみの音となり、各音の間隔は半音下げると「ド・レ・ファ・ソ・ラ」と同じで、少し中華風の音階に聞こえると思います。

音がわかったら次にその音階を「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」で口ずさんでみます。下降形の「ボ・ベ・ブ・ビ・バ」はおそらくあまり馴染みがないと思うので、スムーズに言えるようになるまで何度も繰り返しましょう。
(以下譜例中、フラットとシャープは五線上に異名同音で書いてあるので注意)

【譜例1】「バビブベボ」〜「ボベビブバ」


クロマチックで12音階を歌おう!

それではいよいよ「ドレミファソラシド」の間に「バビブベボ」を突っ込んでいきましょう。1オクターブを半音ずつ音階で歌ってみます。

【譜例2】
・上昇形「
ド・・レ・・ミ・ファ・・ソ・・ラ・・シ・ド
・下降形「
ド・シ・・ラ・・ソ・・ファ・ミ・・レ・・ド

おそらくこの半音階の並びに階名をつけて歌ったことがある方はあまりいないでしょう。しかしこのドバレビ階名を使えばこの半音階がメロディーとして簡単明確に歌えてしまうのです!

はじめはかなり違和感があると思いますが、慣れてくるとこれほどわかりやすい呼び方は他にないのではないかと自負しております。
本来こういうのを小学校の時に教えて欲しかったと思うのは私だけでしょうか?

もし馴れるまで難しい場合は
「ドバレビミ・ミビレバド」
「ミファブソベ・ベソブファミ」
「ベラボシド・ドシボラベ」
といった具合に4〜5音ずつの短い半音階に分けてやってみてください。

これがスムーズに言えるようになればもうバッチリです。
楽器がなくてもできる練習なので、呪文のように何度も繰り返して頭に叩き込みましょう!



フレーズで歌ってみよう①

このバビブベボの音が実際の曲でどのように使われているのかを検証しながら、簡単なフレーズをドバレビ階名で口ずさんで(頭の中でイメージしながらハミングでもOK)みましょう。
使用頻度の高い音程から少しずつ順番に、その一例を音源と共に紹介していきます。

※注1)サンプルの音源は移動ド(後述)で解説しています。固定ド派の方は少しの間辛抱してお付き合いください。
※注2)文中にでてくるスケール=音階に関してはWikipediaの
こちらを参照してください。

最初におぼえるべき重要な音程はViVoの2音です。
ブルースなどで使われるご存じ"マイナーペンタトニック・スケール"にも出てくる音なのでギタリストにも馴染みの深い音程だと思います。

【♯レ/♭ミ=ビ(Vi)】と【♯ラ/♭シ=ボ(Vo)】

「ビ(Vi)」
3度(ミ)の音はメジャーかマイナーかを決定づけるとても大事な音。「♯レ」としての使用頻度は少ないので、まずは「♭ミ(♭3度)=Vi」という認識でOKです。
「ミ」を鼻詰まりの発音で「ビ」。鼻が詰まったら半音下!とイメージしてはいかがでしょうか?

「ボ(Vo)」
7度(シ)もメジャー7thかドミナント7thかで雰囲気がガラッと変わります。
こちらも「♯ラ」としてはあまり使われないので、とりあえず「♭シ(♭7度)=Vo」でおぼえておきましょう。
「ド」から見て1音下の音であるということを意識。これは「ドボドボドボドボ…」と何度も交互に弾いて(歌って)音程感と共に体に染み込ませてください。

この2つの音が出てくる最強のリフがダウン・タウン・ブギウギ・バンドの名曲「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」。「ド・ドッ・ドッ・ド、ド・ドッ・ドッ・ド」(キー=Am)です。


フレーズで歌ってみよう②

続いて「♯ソ(♯5度)/♭ラ(♭6度)=ベ(Ve)」。どちらかというとチュラルマイナースケール上の♭6度である「♭ラ」としての方が使用頻度は高いと思うのですが、aug(オーギュメント)コードでは「#ソ」としてもおぼえておきたいところなので、その分少しやっかいかもしれません。

【#ソ/♭ラ=ベ(Ve)】

まずはマイナースケール上の「♭ラ=Ve」のサンプルとしてサザンオールスターズの「HOTEL PACIFIC」を聴いてみてください。イントロのブラスフレーズがいきなり「Ve」音から始まります。キーはEmで「・ソッ・ソッ・ソッ・ソ、・ソッ・ソッ・ソッ・ソ」といった感じで口ずさんでみましょう。


♭ラ=Ve」はナチュラル・マイナースケールの中にある音ですが、メジャーキーの曲でサブドミナント・マイナーのコード(例えばキー=Cメジャーの時、普通はFコードになるところがFmになる)が出てくるとこの音が大活躍します。

下記は1980年代にヒット曲を連発したエア・サプライの「さよならロンリーラブ(原題:Even The Nights Are Better)」。歌メロの2小節めがサブドミナント・マイナー。「ソー、ベベベボーソー」(キー=C)といったなんとも切ないメロディです。


一方、aug(オーギュメント)コードでは「#5度=♯ソ」として認識します。
「#ソ」としてのサンプルとしてはこちら、ジョン・レノンの「スターティング・オーバー(Starting Over)」。メロディではなくコードに使われています。
キー=Aで、冒頭のコード進行は「A →Aaug→A6→Aaug」。「ドミソ」の和音がオーギュメントでは5度が#して「ドミベ(ペ)」という和音になります。


フレーズで歌ってみよう③

次にViやVoと同じくブルースで使うブルーノートのひとつでもある「♭ソ(♭5度)=Vu」です。
「♯ファ(♯4度)」として認識したいのは主に「リディアンスケール」を弾くときだと思いますが、ちょっとそれは難しいな…という方はとりあえず「♭ソ」だけ意識しておけば十分です。

【#ファ/♭ソ=ブ(Vu)】

この音程はあの有名なジミ・ヘンドリクス「パープル・ヘイズ(紫のけむり/Purple Haze)」の冒頭リフで出てきます。(キー=E)
正確にはベースが「ド(=ルート)」を弾いてギターが「ブ(Vu)」を弾いており、「ド・・ド・…」といったちょっと不気味な音程に聴こえます。気味の「」でおぼえておいてもいいですね。


また「Vu」は「ファ→→ソ」といったように経過音としてもよく使われます。
下記サンプルは山口百恵の「イミテイションゴールド」(キーF#m)。「ドー・ソー・ー・ファ」の下降形ですが、イントロの怪しいメロディにこの音が使われています。


フレーズで歌ってみよう④

最後は「♯ド/♭レ=バ(Va)」です。こちらは「#ド」として使うことの方が多いでしょう。「♭レ」で認識したいのは「♭9th」というコードのときだと思いますが、難しそうでしたらとりあえず置いておきましょう。

【#ド/♭レ=バ(Va)】

「ドバレビメソッド」のタイトルに入っていることを思い出して、ドの半音上ということをイメージしてみてください。
ブルースのエンディングでは最後に半音上から「♪バ(パ)〜ド〜」と使われることも多いのでご参考に。(サンプルはキー=E)


ドバレビメソッド⑤「固定ドと移動ドの使い分け」へ続く


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