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ゲーム開発者の視点で!『8番のりば』紹介と感想【ゲーム感想】

こには。

通学のために毎日3時間を電車で過ごしているたここです。
この記事も座席の上でポチポチ書いてます。
そんな電車が舞台の『8番のりば』を遊んだので、個人ゲーム開発者の視点から感想と紹介をつづっていきます。


どんなゲーム?

永遠に続く異変だらけの電車から脱出するホラーゲーム

今日も今日とて1日を乗り越えたあなたは、いつもの電車に乗って自宅へと向かっています。

...様子がおかしい。
電車がいっこうに駅につきません。

向かいの窓は延々とトンネルの壁を映し、人のいない車両にはガタンゴトンという音だけが響いています。アナウンスも流れてきません。

不安になったあなたは、とりあえず先頭の車両に向かうことにします。そこで不可解な異変の数々を目撃することになるとも知らずに...。

ここが面白い!

ほぼ現実!忠実に再現された列車内

まず思ったこととしては、「リアルすぎないか?」ということ。

どこの路線だろう?(存在しません

たここは「ゲーム性こそがゲームのすべて」とかいう偏った思想を持っている節があるので、あんまりゲームのグラフィックには興味関心がありませんでした。

その反動か、8番のりばのグラフィックにはめちゃくちゃ驚きました

少しだけ傷んだ床、座席シートの質感、実際に掲示されている広告。

本物か?

電車のどこを写真に撮っても、現実で撮影されたのではないかと見間違ってしまうほどの再現度です。これはヤバい。

あと、視界にモヤっぽいエフェクト(後処理?)がかかっていて、それも現実感を高めています。3DCGに詳しいと、こういうところでもテンションが上がるんだろうな...と、ゲームのグラフィックについてもっと勉強しようと思いました。たここが気づいていないだけで、他にも工夫はされていると思います。

超没入感!施された工夫の数々

最後まで遊んで、没入感(本当に電車の中を歩いているかのような感覚)を高くしたいという、作者のこだわりを至るところで感じられました。

まず、ゲームタイトルが出ません

ゲーム開始直後

普通、ゲームが起動されれば、バーン!とゲームのタイトルが画面いっぱいに表示されますよね。それが8番のりばにはありません。いきなり座席に座っている状態から始まります

普通はこうする(Balatroの例

これは意図的に省かれた演出だと、たここは考えます。ゲームのタイトルを表示させるということは、「今からゲームが始まりますよ」とプレイヤーに伝えているようなものだからです。これは没入感を削ぎかねませんよね。

ゲームタイトルに限らず、3Dゲームによくある「宙に浮く注目を引くアイコン」や「視点先にある物体のハイライト」「強制的な視点移動」などといった要素も徹底して省かれています。

「視点先にある物体のハイライト」の例

その分、ユーザビリティ(遊びやすさ、快適さ)は減少するので、8番のりばではチュートリアルの書かれた張り紙をドアに貼るなどして対策しています。

没入感を削ぐことのないチュートリアル

なるほど...とたここは思いました。

次に、カメラ加速度という独自の設定項目があります。

視点の動かしやすさを司る

簡単に言えば、この値が大きいほど、視点移動がゆっくりになり、ラグが生まれます。すぐに振り向くことのできない仕様は、現実に即していてホラーゲームにぴったり。

カメラ加速度MAX
カメラ加速度半分(伝わらない

ですが、3Dゲームの操作に慣れているプレイヤーからしてみれば、ストレスに感じてしまう要因となり得ます。たここはカメラ加速度をMAXにしてプレイしていましたが、没入感を高めたいのであれば初期設定にしておくべきです。これは難しい話だとたここは思いました。

不気味ホラー!異変が異変してる

ゲームの内容についてですが、無限に続く列車の中、発生する異変に巻き込まれないように進む、というものになっています。

遭遇する異変は雰囲気を壊さず、ちゃんと不気味で怖いです。

異変を探せ!

現実な空間の中で発生する非現実な異変は、かなり現実味を帯びています。開いたドアから巨大な人の手が飛び出てきたり、大量のマネキンが座席に並べられていたり、広告があり得ない見た目になっていたり。ジャンプスケアは全くなく、ホラーゲームが苦手な人でも「精神的恐怖」を楽しめる配慮がされていて良い、とたここは思いました。

前作と比べて

前作の『8番出口』と異なる点は、異変を探すのではなく、異変から逃げるところにあります。行く先では必ず異変が発生するので、その対処のためにプレイヤーは行動します。そのまま直進すればいいこともあれば、人の形をした何かから逃げることもあり、頭を使わなければ先へ進めないこともあります。

どうやって突破しようかな…

異変に気づけないと振り出しに戻される前作と違って、今作は異変の対処法さえ分かれば確実にクリアできるので、誰でも遊べる難易度になっています。同時に、異変に対して受動的になるので、物足りなさを感じるかもしれません。続編だからゲームサイクルも前作と同じだと思っていたここは、この仕様に驚かされました。

自由な感想

「8番出口ライク」なんて言葉があるように、前作の『8番出口』は新しいゲームジャンルを生み出したすごいゲームです。「面白いゲームが出てきたもんだなぁ〜」なんて思っていたたここですが、実況動画を見てしまったので、新感覚3D間違い探しゲームを100%楽しめませんでした

答え知ってるし...。

なので、『8番出口』の続編である『8番のりば』は、一切のネタバレ無しで遊ぶと決めていました。実行できたので嬉しいです。

思ったこととしては、「8番のりばってどれくらいの売上が出てるんだろう...」ということ。なかなかの反響があった8番出口の正式な続編なので、名だたる動画投稿者や配信者はこぞって実況しています。ゲームの知名度が上がることは良いことですが、実況を見た人のうち、どれくらいの人が8番のりばを買って遊んでいるのでしょうか?自分で遊んでから実況を見ている人はどれくらいいるのでしょうか?

このゲームに限った話ではありませんが、インフルエンサーの実況動画によるゲームの広告というものは、なかなかリスキーなマーケティングではないのかと思いました。

※調べたところ、かなりの売上を記録していたみたいです。
 よかったよかった!

自慢ですが、8番出口が登場した当時、たここは「ゲーム内に本物の広告を溶け込ませる手法は今後も使われるだろうな」と予想していました。その予想は的中し、8番のりばは、実際の企業も含めた広告の募集をしていたみたいです。どーよ。

まとめ

没入感を高めるための配慮が至るところで感じられてテンション爆上げ
・超リアルな電車の中で発生する異変は現実感があってちゃんと怖い
前作に比べて簡単になったので、誰でも遊べるように

たここは家族の前で実況しましたが、かなり盛り上がりました。皆さんも知り合いと一緒に異変を探しに行ってみてはいかがでしょうか?

以上、ほぼ電車が実家のたここからでした。次回をお楽しみに〜。

また次の駅で

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