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さあ問題!イクラは幾らからが安いのか?~避け難き秋酒の肴問題~

こんばんは 美しき四季の国・日本に住んでいる皆様。四季とは言いつつ、実は夏冬に毛が生えたぐらいの一年になっているこの頃。皆様におかれましては、スーパーに並ぶ品々とこの記事から是非とも秋を感じて頂きたくたく存じます………もう冬だって???そうですね……

秋といえば~~?そう!食欲の秋!!!
秋は美味いものが沢山、酒に合わせる食材も沢山ですね。今回はそんな秋の味覚の中でも「秋鮭」の記事になります。秋鮭……鮭といえばいくら……そう!イクラ!年末年始の華やかなお料理にもピッタリ、高級だけど実は超簡単なイクラのしょうゆ漬けとなんだか猟奇的な郷土料理を作ってお酒と一緒に上品にたしなんで行きましょう!

イクラ編1 「ハラコ」を調達しよう

呼び名は「ハラコ」だったり「さけ子」だったり「すじこ」だったり「生いくら」だったり……売り手によって色々です。要するに何も味付けされていない鮭の卵のこと。いかにも魚卵っぽい膜に包まれているものもあれば、既にバラされてイクラ進化前状態の「バラコ」になっている場合もあります。相場は100gあたり800円から1300円ぐらいが適正価格、膜が取られた「バラ子」状態だと+200円ぐらいになることも。まあ決して安くはないですが少量で満足できるし、回転寿司とかだとそもそも鮭の卵じゃなかったり冷凍してたりしますからね。作る価値はあるってもんです。それこそ都内だと「意外と扱いを知らない高級食材」として想像よりは安めで売ってることもあります。簡単な目利きポイントは「粒が崩れていなくて大きいものを選ぶ」です。あとはナマモノなので「イヤな匂い・変色」も避けた方が良いですね。品質が安定しているのは北海道産。北海道以南の日本海側の物は成熟しすぎていたり未熟すぎたりする(皮が固すぎたり柔らかすぎたりする)可能性があるのでちゃんと目利きできない限りはオススメしません。

イクラ編2 ハラコをばらそう

それでは本調理に入っていきますよ!材料と必要なものは以下の通りです

注意▲
以降は集合体恐怖症の方は読まないでください。写真がずっとホラーです

材料と道具

・ハラコ(筆者はハラコ呼び)
・しょうゆ
・みりん
・日本酒
(料理酒でなく純粋な日本酒が望ましい)
▼しょうゆ・みりん・日本酒は同量、合わせたときにばらしたハラコがちょうど浸るぐらいの量
・乾燥昆布ひとかけ(まあ無くてもいい)
・大きめのボウル(ばらす時用)
・漬ける器
・箸
・熱い風呂ぐらいのぬるま湯ボウル2杯分程
・塩ひと掴みぐらい

ご立派ァ!

今回買ってきたハラコはこちら!
地元の激安市場に行ったときに目に留まったやつ。高い!!しかも量がわからない!!!自分は単価800円台じゃないと絶対に買わないし、今年もう一回イクラやったんだよね………でも明らかになんか状態が良くてェ……目測で300gはありそうだったからァ………記事も書きたかったし……

まあ、そんな事はさて置きまずはバラシから!バラシ用のボウルにぬるま湯と塩を投入して温塩水を作りましょう。濃度はラーメンスープから海水ぐらい。大体でいいよ〜 あったかい方がほぐれやすいとか何とか……あと普通にもう水道水が冷たいからね!

なんだか「生命」を感じますね

ハラコをオープンしてみるとこんな感じ。お湯に漬けながら、つぶさないように少しづつ指先を使って膜からイクラをはがしていきましょう。丁寧にやればほぼつぶれません。

「生命」レベル50

段々水が濁ってくるので、適宜温塩水を変えながら大きな膜を取り除く(膜からイクラを剥がす)イメージで進めてください。バラし終わるとこんな感じになります

食品加工の様子とは思えない程の怪しい実験感

これは余談ですが、岩手でもハラコが沢山取れて安かった頃に大量にハラコをばらしていた母は「バラすのが一番早いのはテニスラケットにこすりつけるやり方」と言ってました。ちょっと絵面が面白すぎるかも。

イクラ編3 イクラを進化直前まで育成

なんちゅうタイトルや(思いつかなかった)
次はイクラをレベリングきれいにしていきます。まずはばらしたイクラの水を捨てて綺麗な水道水を注ぎます。する中身が入っていない皮やしぼんだイクラ、小さな膜が浮いてきます。それらを米とぎの要領で水を注いでは上澄みを捨てて取り除いていきます。

よく見ると皮や膜が浮いてます

ここで3つポイント!1つ目は、「最初は箸を入れてグルグルかき混ぜる」こうすると、小さな膜が箸に絡んで取り除きやすくなります。これも母からの教えです。膜がなくなったらやらなくても大丈夫。

こんな感じで膜が箸に絡みつきます

2つ目は、「塩を少量入れながら行うこと」多分だけど、経験測で塩を入れながらやるとイクラの皮が硬くなりにくいっぽい。
3つ目は「この作業をやりすぎない」多分だけどやりすぎると皮が固くなる。小さな膜は臭みと腐敗の原因になるから取り除くけど、皮の深追いにはご注意。あと、キレイにしてる途中でイクラが白くなってきても大丈夫、この現象はイクラの仕様です。

こんな感じに白くなります

ちなみにですが、イクラは白くなっても塩を入れれば色味が戻ります。

塩で鮮やかな色に戻りました✌️

でも多分、イクラが白くなると皮が固くなると思うんだ。ポイントの2つ目はそういうことだよ。こんなにふわふわした言い方なのはハラコ自体に皮の硬さの個体差があるし、年に何回も仕込まないからデータが少ないのよ……いい感じにイクラの膜と皮が取れたらざるで水を切って置いときましょう

イクラ編4 漬け地を作ってイクラを入れよう

漬け地はね、超簡単
酒・醤油・みりん・昆布を鍋に入れたら火にかけてアルコールを飛ばす!アルコール飛んだらおしまい!冷やしとく!!!!終わり!!!
僕は昆布入れる派ですがまあ、なくてもそんな変わらん。入れるのは気分や(使ってる醤油が安物だから風味補助要員だとはちょっと思ってる)
漬け地ができたら、ばらしたイクラを投入しましょう。漬け地が冷え切ってなくてもぬるま湯ぐらいだったら大丈夫!前の工程で熱めの風呂にいれてるし!それでも漬け地を冷やす都合があるので、同時作業が出来る人はハラコをばらしながらこの作業をやっておくといいですね。昆布を入れた人は昆布除くのもお忘れなく!あとは冷蔵庫で一日放っておけば完成です。
漬けたあと放置しすぎるとイクラがしょっぱくなるので、2日ぐらいしたら漬け地から上げておきましょうね。ちなみにですが、この漬け地はちゃんとイクラ風味なのでご飯にかけると「ジェネリックいくらごはん」が楽しめます。

避けがたき寄生虫問題

魚の生食で付きまとうのが寄生虫の話題ですね
結論から言いますと「イクラにもアニサキスの寄生リスクがあります。不安な場合はマイナス20度以下で24時間以上冷凍してください」

(ここから先は個人の見解としてご覧ください)
①シロザケのアニサキス寄生率はとても高いがそのほとんどは腹部筋肉への寄生で他の魚種と違って内蔵への寄生は少ない
②バラして綺麗にする工程があり、家庭用なら仕込み量は少量のため寄生してても取り除けそうな気がする
③今までハラコへの寄生を見た事が無いしあたったこともない

なので僕は生でもいっか……と思っています。これが出来るのが手づくりのいいところだし………あとめんどくさいのが冷凍庫の温度ね。多くの家庭用冷凍庫はカタログスペックがー18℃以下っていう表記なんですよ。つまりー20℃以下になっている保証が出来ないってことですね。ただ、冷凍することの本質は「内部まで完全に凍結させることでアニサキスは〇ぬ」という点にあるので、家庭用冷凍庫なら一日と言わずもうちょい凍らせてね!とだけ言っておきます。

ハラコ飯

さて次は三陸南部の郷土料理「ハラコ飯」です
ざっくり鮭版の親子丼ですね。どうして日本人はどんぶりの上で親子を再会させようとするのか……今回は簡易版というか、現代版というか、猟奇的な旨さにしてやろうと思います✌️結構長くなってるのでサクサク行きますよ〜

材料(米3合分)

・生鮭切り身ー4切れ~6切れぐらい
(ない場合は普通の焼鮭用のを買ってください)
・シメジ 1株
・バター 気が済むまで
・コショウ
・みりんー軽く炊飯器ひと回しくらい
・醤油ー炊飯器2回しくらい
・めんつゆー軽く炊飯器ひと回しくらい

ハラコ飯編 味ご飯を炊く

まずは米といで!次に液体類ぶち込んで!水を分量まで入れて!後は炊くよ!!!おしまい!!
イメージは薄めの味のなんかいい香りがするご飯です。正直しょっぱすぎなきゃなんでも良いよ✌️炊き込みご飯あるあるだけど、先に調味料入れないと水分量が合わなくなるからねぇ…気をつけようね!あと今回は具材あと混ぜだけど具材を先に入れちゃって水分量ハチャメチャになるやつね、本当に良くやります
本当のハラコ飯は鮭を煮込んで鮭の味を煮汁に移してその煮汁で炊くのが正解なんですが面倒くさいので……あと今回外国産銀鮭だからさ……

材料たちです

ハラコ飯編 具材を準備する

そしたら具材やっていきますよ!まずは鮭を皮目から焼いてパリパリにしてください。良い感じにパリパリしたらバラしたシメジを入れて、塩コショウでかるーく味入れてね〜 火が入ったらおしまい!

このまま食いて〜〜〜

ハラコ飯編 禁断合体

禁断合体させるョ!まずは具材の鮭の骨を抜きつつ、大きめにバラして行きます。皮は入れても入れなくても大丈夫、ただしちゃんと火を入れてないと生臭さの元なので注意。あとブヨった皮の食感が気になるならここで外しといてくださいね〜 そしたら炊けた味ご飯にドーン!!!あとバターもドーン!!コショウもドーン!!そしたら再加熱ポチ!!終わったら具材混ぜ込んで丼にドーン!!イクラもドーン!!完成!!!ね?簡単でしょ?

約束された勝利の剣(エクスカリバー)過ぎる

実食編

まずはいくらごはんから!いいね、このビジュアル。隣りのブリにピントが合っててすごいぼやけてる。なんでだよ。

米の食いすぎで太った過去により我が家は麦ご飯です

やっぱうまい……贅沢な味がする……甘めの出汁醤油にイクラの旨みがどわっと感じる。最高すぎ。もち麦ごはんのプチプチと合わさって口内無限にプチプチしてる。ただちょっとだけ皮が硬かったかな~プチプチ感強いからいいんだけど。というのも、今回「白ボケしたイクラ」の写真必要だなと思ってバラシ工程でわざと白ボケさせたからこれが悪さしたかも。まあ美味しいから何でもいいや!

お次はハラコ飯!
逆に考えてほしい。これが美味くないわけないだろ!!!!!!!

もちろん別日に食べてますからね????

僕、このハラコ飯のバター背徳remix好きなんですよね。なぜならデブはバターが好きだから。ちゃんとバターの香り、鮭の美味しさ、そしてイクラのコク深さ。バターがあるのでちょっと醤油たらしてもイイ感じです。こんなんは酒とか飲んでる場合じゃなくてご飯かきこまなきゃないからね。なにが「お酒と一緒に上品に嗜む」じゃバカタレが。バター入れた時点で上品さは吹き飛んだわ
何はともあれうまいのが正義ですから。

まとめ

いかかでしたでしょうか?
秋鮭とはいうものの、まだまだ店に並ぶハラコさん。年末の贅沢ついでに是非ともお料理してくださいな! あと、今更だけどこの記事のタイトルすごくよくない?全部鮭かかってるからね

次回記事予告
「酒カスの甘やかし方」

参考記事

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