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2021年読書日記その2

『たくらむ技術』by 加地 倫三

企画屋のはしくれとして、テレビやWEBメディア、雑誌、本の人気企画を結構研究しています。特に気になるのは、どのようにして生まれたのか、何がヒントになったのか。つまり発想の源です。最近ではバス車内の結露を再現してプロモーションした「天気の子」の販促手段とか。「ナニコレバカじゃないの???」(誉め言葉です)と思える企画ほど知りたい。

テレビであれば実験的に始める深夜番組などですかね。市場の評判をうかがいながら試行錯誤し、視聴率が取れるようになると、やがてゴールデンやプライムに昇格していく。テレ朝であれば「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」といったバラエティが知られるところでしょう。

そのプロデューサーが著者の加持さんで、彼のアイディアの出し方、企画会議のコツ、番組制作のノウハウなどがこの本に綴られています。「神は細部に宿る」という言葉がわたしは好きなのですが、画面には映ることない、視聴者が気づくことない細かいことにこだわっているから人気番組にすることができるんだな、といったことまで。社内の根回し、企画の通し方などサラリーマンとして泥臭いこともちゃんと語っているのが好感持てます。成功の法則はないけれどもあるべき道筋をちゃんと踏んでいることがヒット企画連発のコツなのだとも教えられ、それは我々の仕事にも通じるなと思った次第です。



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