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有効求人倍率と完全失業率の意味

NHKの朝のニュースにて有効求人倍率の話が流れていました。
アナウンサーの方が「○月は×倍で、徐々に持ち直している見込みです」とコメントしてくれているので「ふんふん、一応持ち直しているんだな〜」と分かるものの、恥ずかしながら何倍だとどうなの?ということはあまり理解できていません。

そもそもどのように算出している数字なのかもわかってないかも…?
と恐ろしいことに気づいたので、今回は有効求人倍率・完全失業率について改めて調べてみました。


有効求人倍率とは?

上記の記事にかなり詳しく載っているため基本的には上記記事を読めば分かります。
でもそれだとこの記事を書く意味がないので、一部引用も交えまとめていきます。

有効求人倍率とは、求職者一人あたりにどのくらい仕事があるか、を表した数値で、経済指標の一つです。
ハローワークの有効求人数を有効求職者で割って求めるものとなります。

有効求人倍率 = 有効求人数 / 有効求職者

例として有効求人数(企業側の採用件数)が100件、有効求職者が50人の場合は、100 / 50 = 2となり、有効求人倍率は2倍となります。
この場合、求職者は仕事を選びやすく、地域に雇用が沢山あることになります。

有効求人数が50件、有効求職者が100人の場合は50 / 100 = 0.5となり、有効求人倍率は0.5倍となります。
この場合は、求職者は仕事を奪い合う形になり、地域の雇用が不足している状態です。


「有効」って?

求人数や求職者に「有効」とついていますが、これはハローワークでの有効期限を指しています。
求人・求職は手続きから2ヶ月間が有効期限となっており、期限を過ぎた求人・求職は無効とされています。
ただし求職者の有効期限に関しては延長されるので、2ヶ月以内にハローワークに登録した人に限定されるものではありません。

求職登録の有効期間は、原則として、求職申込みを行った日の属する月の翌々月末までです。有効期間の終了月にハローワークで職業相談や職業紹介を受けた場合や、求人への直接応募(オンライン自主応募)を行った場合、1か月単位で有効期間が延長されます。

https://www.hellowork.mhlw.go.jp/member/mem_possible.html

有効求人倍率はあくまでハローワークに登録されている(かつ無効でない)求人数と求職者の数から算出されています。
そのため、

  • 新卒採用

  • 自社サイトで募集している求人

  • 民間の求人サイトで募集している求人

  • その他、ハローワークを介さない求人

は含まれません。

また、ハローワークで求人登録されているものの実際には採用活動をしていない”空求人”の可能性もあるため、指標にはなりますが厳密な数値にはなりません

ハローワークに通ってない人は求職者だったとしても”有効求職者”ではないんですね

有効求人倍率の数値の参考

有効求人倍率が高い場合は、企業が今後の成長を見込んで求人を行っていると判断し景気が上向いていると考えられます。
好景気の際の例として、バブル経済の頃(1990年7月)は有効求人倍率が1.46倍となっていました。
また、2018年の年間平均は1.61倍となり、ニュースにもなっていました。

バブリ〜!✨

逆に有効求人倍率が低い場合は、景気が悪くなっているものと判断されます。
リーマンショックの頃(2008年9月)の有効求人倍率は0.42倍となっており、コロナ禍の2020年平均の有効求人倍率は1.10倍となっています。

ボンビ〜!🌀

目安として、有効求人倍率は「1」を基準に好景気・不景気の判断をするものとされています。
そう思うと、コロナ禍においても有効求人倍率は1を下回らなかったものの、リーマンショックの際はかなり経済への影響があったことがわかります。

逆に2018年は好景気のような数値となっていますが、あまり生活に好景気の実感がなかったな〜というのも思うところです。


「完全失業率」って?

ニュースで聞く頻度は低いかも知れませんが、似たような言葉で完全失業率というものがあります。

こちらも上記の記事にほぼ全て載っていますが、一部引用も交えて書いていきます。

完全失業率とは、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合を指しています。

完全失業率 = 完全失業者 / 労働人口

なお労働人口とは、15歳以上からアルバイトなどの仕事をしない学生・専業主婦・高齢者などの非労働者人口を除いた人口となります。

労働人口(従業者+休業者+完全失業者) = 15歳以上の人口 - 非労働人口(学生 + 主婦 + 高齢者)

なお、完全失業者の定義は総務省統計局のQ&Aより下記のようになっています。

完全失業者には、公共職業安定所(ハローワーク)に登録して仕事を探している人のほかに、求人広告・求人情報誌や学校・知人などへの紹介依頼による人など、その方法にかかわらず、仕事を探す活動をしていた人が広く含まれます。

右記ページ内"F-10"の項目より - https://www.stat.go.jp/data/roudou/qa-1.html

労働力調査では、完全失業者の定義は、ILOの国際基準に準拠して、(1)「仕事についていない」、(2)「仕事があればすぐつくことができる」、(3)「仕事を探す活動をしていた」者とされており、仕事を探す活動をしていない人は、完全失業者には含まれません。

右記ページ内"F-11"の項目より - https://www.stat.go.jp/data/roudou/qa-1.html

そのため完全失業率は
完全失業率 = 求職しているが失業中の人 / 労働人口
とも言えます。

老後の生活をエンジョイしているおじいちゃんは完全失業者ではありません

完全失業率の数値の参考

有効求人倍率と同様に好景気・不景気を参考に見てみましょう。

バブル景気の1990年には完全失業率は2.1%となっています。
ただしバブル崩壊後の1999年には4.7%にまで上昇しており、景気の悪化が数値に反映されている事がわかります。
また、2018年の完全失業率は2.4%となっており、やはり景気は良かったんだな〜と思わされます。

なお最も完全失業率が低い時は統計開始時の1948年の0.7%となっており、1970年までは1%前後が何度か計測されています

2008年から2009年の完全失業率は4.1%〜5.4%となっており、やはりリーマンショックの影響が見て取れます。
コロナ禍である2020年は2.8%で、社会全体の平均で見ればコロナ禍における経済・景気への影響は一定程度抑えられている、と考えられます。

コロナ禍については業界別での影響が大きかったようにも思いますので、一概に影響が無かったとは言えません

完全失業率については、一般的に3%程度だと「完全雇用」として失業者がほとんどいないという状況を指しているようです。
そのため、完全失業率は3%を目安に考えていくのが良いようです。
(正確には3.8%以下がOECDにより完全雇用と提唱されています)

ただし、完全失業率だけで景気判断は難しいとはされているので、有効求人倍率含め他の経済指標も参考に考えていくことが望ましいです。

完全失業率10〜15%の国も珍しくないため、日本の失業率は世界的には低い方とされています

まとめ

有効求人倍率はハロワの求人数 / ハロワの求職者数で算出する倍率で、1を基準に好景気・不景気を判断します。
完全失業率は求職者(失業者) / 労働人口で算出する割合で、3.8%を下回れば「完全雇用」と呼ばれる状態となります。

これでニュースも「あーそーゆーことね完全に理解した(わかってない)」とならずに済みそうです。
この記事があなたの参考になれば幸いです!

お子さんにもドヤ顔で教えちゃいましょう!

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