モーリシャスへの重い思い
もう、すでに、忘れつつあることをここに記録する。
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2020年7年25日、モーリシャス諸島付近のボワトンデスニーで、日本の商船が座礁し、約1000t以上の重油が海に流れた
1000tという数字の規模はわからないが、海に重油は流れ続けている
そのニュースを見てひとびとは、
「ひどい」
「なんてことを」
「許せない」
「なんとかしろよ」
とコメントしていた
そうしている間にも油は海を浸食する
油は厚い膜となり、海面にべっとりとこべりつく
画面で見るよりも、はるかな黒が海中には広がっているのだろう
太陽の光が届かない、底では、珊瑚は枯れ果て、魚たちは呼吸できず、やがて死んでいくのだろう
太陽の光によってきらめく波は、黄金虫の翅みたいだったが、だれも美しいとは言わなかった
海鳥が重油にまみれて、飛べなくなっている写真を、ふと思い出す
そこに住む人々は、毎日ヘドロと化した重油を拾い集めているという
あまりの匂いに、海の近くの学校や会社などの施設は立ち入りを制限しているという
自然を生業としている国
それは、自然から恵みをいただくということである
食べる、飲むだけでなく、金銭をいただくということである
ウイルスにより、空を
重油により、海を
封じられた観光立国モーリシャス
そんな中、
日本では6人の部隊を派遣し、
現地調査を行うことになったという
たった6人でなにができるのだろう?
「日本は経済援助をすべきだろう」
そう思いながらぼくは顔を洗った